編集委員:新井仁之・小林俊行・斎藤毅・吉田朋広
数学の最前線ではどのような研究が行われているのでしょうか?大学院にはいっても、すぐに最先端の研究をはじめられるわけではありません。この第3部では、第2部の「数学の魅力」で身につけた数学力で、それぞれの専門分野の基礎概念を学んでください。
一歩一歩読み進めていけばいつのまにか視界が開け、数学の世界の広がりと奥深さに目を奪われることでしょう。
現在活発に研究が進みまだ定番となる教科書がないような分野も多数とりあげ、初学者が無理なく理解できるように基本的な概念や方法を紹介し、最先端の研究へと導きます。
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【目 次】
前書き
第1章 画像処理
1.1 医療診断と逆問題
1.2 CTの原理
1.3 組織の位相幾何
第2章 生体磁気
2.1 脳磁図分析
2.2 ゲセロウィッツ方程式
2.3 第1方程式の導出
2.4 第1方程式の一意可解性
2.5 2重層ポテンシャルのスペクトル
2.6 第2方程式の導出
2.7 界面正則性
2.8 球形モデル
第3章 逆源探索
3.1 双極子仮説
3.2 電流素片分布法
3.3 離散逆問題 - 過剰決定系
3.4 不足決定系と平行最適化
3.5 クラスタリング
3.6 その他のサブルーティン
3.7 プログラミング上の注意
第4章 細胞分子
4.1 腫瘍形成
4.2 MT1-MMP
4.3 質量作用の法則
4.4 パスモデル
4.5 パス分析
4.6 解の表示
4.7 キーパス
第5章 細胞変形
5.1 浸潤突起
5.2 トップダウンモデリングの方法
5.3 マルチスケールモデル
5.4 浸潤モデル
5.5 個別細胞モデル
5.6 スモルコフスキー・ODE系
5.7 負の走化性
第6章 粒子運動
6.1 決定論的導出
6.2 確率論的導出
6.3 離散・確率シミュレーション
6.4 非局所項をもつ反応拡散方程式
6.5 相分離
6.6 減衰率
第7章 熱動力学
7.1 状態量
7.2 統計集団
7.3 メゾスケールモデリング
7.4 スモルコフスキー・ポアソン系
7.5 多成分の相互作用
7.6 場と粒子の双対性
参考文献
参考論文
後書き/索引-
1
数理医学入門
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書籍情報 ISBN 9784320111950 判型 A5 ページ数 270ページ 発売日 2015年05月24日 価格 4,400円(税込) -
- 【内容紹介】
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21世紀の現在、生命現象の理解と医学の進展は著しい。その進展をさらに加速させ、確かなものとするために、物理学がそうであるように、生物学も数学との協働を必要としている。 <br> <br> 生命動態の基盤を理解するために、生命科学者は様々な仮説を立て実験で検証しているが、その過程は数学の証明に近い。また、医療で使われる検査法、検査機器の動作原理はいずれも厳密な数学が基盤になっている。さらには、数学は生命科学研究のツールとなるだけではなく、生命現象に動機づけられた新しい数学も生まれている。 <br> <br> 生物学と協働した数理科学研究については、これまで理論生物学や生物物理学の立場、また関連分野であるバイオインフォマティクス、システム生物学の立場から教科書や参考書が出版されているが、本書は最新の研究に基づいて、解析学と医学との直接の協働と融合を紹介したユニークなものである。 <br> <br> 内容は3つに分かれている。最初に、現代数学が新しい医療診断法の基礎を与えた例として位相幾何学、積分方程式論、逆源探索理論を取り上げる。次に、数理モデリングが遺伝子解析、蛍光イメージングに続く第3の手法を細胞生物学研究に提供しつつあることを、ボトムアップとトップダウンの両面から述べる。前者の方法では、ミクロな立場から生物学実験を検証することによって、時空での細胞分子動態が数理的手法によって予測することができること、後者では、マクロな立場から生物学実験を俯瞰することで、個別に展開されてきた生物学研究が統合されることをそれぞれ紹介する。最後に、生物学研究に動機づけられた数学研究の例として、粒子運動の平均化による数理モデルの導出法と熱力学的構造に由来する新しい数学解析法について述べる。
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【目 次】
第1章 リーマン面と正則写像
1.1 リーマン面
1.2 正則関数と有理型関数
1.3 解析的形成体
1.4 被覆写像
1.5 基本群
第2章 リーマン面上の積分
2.1 微分形式
2.2 ストークスの定理
2.3 調和微分,正則微分,有理型微分
2.4 再論:閉微分の線積分
2.5 単純閉曲線に随伴する微分
第3章 有理型関数の存在
3.1 直交分解
3.2 ワイルの補題
3.3 有理型関数の存在
第4章 代数関数のリーマン面
4.1 閉リーマン面の有理型関数体
4.2 代数関数のリーマン面
4.3 代数関数体の付値
4.4 楕円曲線上の有理型関数
第5章 アーベル積分の周期
5.1 閉リーマン面の種数
5.2 閉リーマン面の基本群
5.3 交点数とホッジ分解
5.4 正則微分の周期
5.5 周期行列
5.6 有理型微分の周期
第6章 リーマン・ロッホの定理
6.1 因子
6.2 線形同値な因子
6.3 リーマン・ロッホの定理
6.4 簡単な応用
6.5 アーベルの定理
6.6 ヤコビの逆問題
第7章 線形系と射影埋め込み
7.1 複素射影空間
7.2 線形系
7.3 カステルヌオーヴォーの種数上限
7.4 標準写像
7.5 標準環
第8章 自己同型群
8.1 空隙値とワイエルシュトラス点
8.2 正則自己同型群の有限性
8.3 フルヴィッツの上限
第9章 トレリの定理
9.1 リーマンのテータ関数
9.2 テータ関数の零点
9.3 トレリの定理
付録A 閉曲面の分類
付録B 一般の位置定理
付録C ピュイズー級数
付録D リーマン・ロッホの定理
D.1 層と層係数コホモロジー
D.2 セール双対律とリーマン・ロッホの定理-
2
リーマン面と代数曲線
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書籍情報 ISBN 9784320111967 判型 A5 ページ数 266ページ 発売日 2015年06月11日 価格 4,400円(税込) -
- 【内容紹介】
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リーマン面の理論において最初の、そして最も重要な到達点は有理型関数の存在定理である。代数幾何学的に代数曲線として扱ってしまえば、最初から沢山の有理(型)関数が与えられるので、この肝心の部分が見えなくなってしまう。本書で結果的に、代数曲線としての記述よりも解析的な閉リーマン面としての立場を優先しているのは、まさにこのためである。現在では層係数コホモロジーを用いてリーマン・ロッホの定理を先に証明し、その系として有理型関数の存在を示すやり方が一般的になっているようだが、ここではより原初的なアプローチをとる。 <br> このようにして、まず非定数有理型関数の存在を示し、それを起点としてリーマン・ロッホの定理、アーベルの定理、ヤコビの逆問題を論じ、自己同型群に関するフルヴィッツの定理や周期写像の単射性を主張するトレリの定理に至る。また、1変数代数関数体、閉リーマン面、非特異射影曲線の「三位一体」も一方の主題である。閉リーマン面の複素射影空間への埋め込みについては、カステルヌオーヴォー理論を含めて詳しく述べた。 <br> <br>(序文より抜粋)
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【目 次】
第1章 リーマン幾何学の基礎事項
1.1 リーマン多様体
1.1.1 リーマン計量
1.1.2 曲線の長さ
1.1.3 距離
1.2 接続
1.2.1 レビ・チビタ接続
1.2.2 平行移動
1.2.3 測地線
1.3 曲率テンソル
1.4 積分
1.5 ベクトル場の発散とラプラシアン
1.5.1 ベクトル場の発散,勾配ベクトル場,ラプラシアン
1.5.2 グリーンの公式
1.6 微分形式のラプラシアン
1.7 曲線の長さの第1変分公式と第2変分公式
第2章 リーマン計量の空間と固有値の連続性
2.1 実対称行列
2.1.1 実対称行列の固有値
2.2 リーマン計量全体の空間
2.3 固有値の連続性と重複度の上半連続性
2.4 固有値の一般的性質
第3章 最小正固有値のチーガーとヤウの評価
3.1 本章における主たる結果
3.1.1 正の最小固有値λ2 に対するチーガーの評価
3.1.2 正の最小固有値λ2 に対するヤウの評価
3.2 co-area 公式
3.3 定理3.4,3.5と系3.6の証明
3.4 定理3.7 の証明
3.5 ヤコビ場と比較定理
第4章 第k固有値の評価とリヒネロヴィッツ・小畠の定理
4.1 R. クーラントの節領域定理
4.1.1 ラプラス作用素の境界値問題
4.1.2 R. クーラントの節領域定理
4.2 第k固有値の上からの評価
4.3 リヒネロヴィッツ・小畠の定理
第5章 ディリクレ固有値のペイン・ポリヤ・ワインバーガー型不等式
5.1 本章の主な結果
5.2 予備的なL2 評価
5.3 チェン・ヤンの定理と系
5.4 定理5.6の証明のための基礎的準備
5.4.1 等長はめ込みと勾配ベクトル場
5.4.2 等長はめ込みと接続
5.4.3 等長はめ込みとラプラス作用素に関する補題
5.5 定理5.6の証明
第6章 熱方程式と閉測地線の長さの集合
6.1 1 次元サークル上の熱方程式
6.2 モース理論からの準備
6.2.1 ヒルベルト多様体内の非退化臨界部分多様体
6.2.2 閉測地線
6.2.3 Ω(M)への有限次元近似
6.3 複素熱方程式の基本解
6.4 擬フーリエ変換
6.5 主定理
6.6 複素熱方程式の基本解のもつ性質
6.7 鞍部点法(停留位相法)
6.8 3つの補題
6.9 主定理6.23の証明
第7章 負曲率多様体とスペクトル剛性定理
7.1 ギルミン-カズダンらによるスペクトル剛性定理
7.2 証明の方針
7.3 測地流ベクトル場
7.4 リヴシックの定理の証明
7.5 調和多項式の空間と直交群の実表現論
7.6 対称テンソル場の空間上の楕円型作用素
7.7 主定理7.10の証明
7.8 残された3つの補題の証明
7.9 スペクトル剛性定理7.1の証明
参考文献
索引-
3
スペクトル幾何
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書籍情報 ISBN 9784320111974 判型 A5 ページ数 350ページ 発売日 2015年06月25日 価格 4,730円(税込) -
- 【内容紹介】
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本書は「スペクトル幾何」の最新理論に関する本邦初の書物である。 <br>ラプラシアンのスペクトルとは、太鼓のように発音体が発する音の情報のことで、スペクトル幾何とは、「音情報」を研究する数学理論のことである.その最も重要な課題は、「音情報」から発信源の形状を推測・決定することである.本書はこれが可能であることを述べている。 <br> <br> スペクトル幾何の研究の歴史は古く、1910年のワイルの仕事に始まる。1924年に出版された有名なクーラント・ヒルベルトの「数理物理学の方法」は、当時のスペクトル理論の研究成果を集大成したもので90年経った現在でも愛読されている。クーラントは有限要素法の創始者としても知られており、彼の名を冠したニューヨークにある「クーラント数理科学研究所」は数学のメッカとして名高い。 <br> <br> 本書はこのような背景と歴史を持つスペクトル幾何の、1970年以降から現在に至る最新の研究成果を分かり易く述べたものである。その内容は、ラプラシアンの固有値の連続性と様々な評価、第一固有値に関するリヒネロヴィッツ・小畠の定理、熱方程式の基本解とそれを使った閉測地線の長さの集合を決定するコラン=ド=ヴェルディエの仕事を述べる。負曲率におけるアノソフ力学系とギルミン・カズダンの仕事、ディリクレ固有値問題のペイン・ポリヤ・ワインバーガー型不等式に関する成慶明らの最新成果と「発信源逆探知問題」への興味ある応用も述べる。本書はこのように微分幾何学、モース理論、アノソフ力学系、剛性定理など多岐にわたり様々な数学の分野に跨がる他に類書のない著書である。
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【目 次】
第1章 絡み目のジョーンズ多項式
1.1 結び目と絡み目とそれらの図式
1.2 ジョーンズ多項式
第2章 組みひも群とその表現
2.1 組みひもと組みひも群
2.2 組みひも群の表現と絡み目の不変量
第3章 タングルとそのオペレータ不変量
3.1 タングル
3.2 有向タングルのオペレータ不変量
第4章 量子群
4.1 リボンホップ代数
4.2 枠つき絡み目の普遍 A 不変量
4.3 リボンホップ代数に由来するタングルのオペレータ不変量
4.4 量子群Uq(sl2)
第5章 KZ方程式
5.1 KZ方程式から得られる組みひも群の表現
5.2 KZ方程式のモノドロミーの計算
5.3 配置空間のコンパクト化
5.4 モノドロミー表現の組合せ的な再構成
第6章 絡み目のコンセビッチ不変量
6.1 ヤコビ図
6.2 KZ方程式から導かれるコンセビッチ不変量の定義
6.3 コンセビッチ不変量の組合せ的な再構成
6.4 量子不変量に対するコンセビッチ不変量の普遍性
第7章 結び目のバシリエフ不変量
7.1 バシリエフ不変量の定義と基本的な性質
7.2 バシリエフ不変量に対するコンセビッチ不変量の普遍性
第8章 絡み目の多項式不変量の圏化
8.1 コホモロジー代数の準備
8.2 ホバノフホモロジーの定義
8.3 ホバノフホモロジーの不変性
第9章 結び目と曲面結び目のカンドルコサイクル不変量
9.1 カンドル
9.2 結び目カンドル
9.3 カンドルのコホモロジー
9.4 結び目のカンドルコサイクル不変量
9.5 結び目のシャドーコサイクル不変量
9.6 曲面結び目のカンドルコサイクル不変量
第10章 結び目のコンセビッチ不変量のループ展開
10.1 コンセビッチ不変量の性質
10.2 開ヤコビ図
10.3 コンセビッチ不変量のループ展開
第11章 体積予想
11.1 双曲幾何
11.2 結び目補空間の理想4面体分割
11.3 結び目補空間の双曲構造
11.4 結び目のカシャエフ不変量とカシャエフ予想-
4
結び目の不変量
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書籍情報 ISBN 9784320111981 判型 A5 ページ数 288ページ 発売日 2015年06月26日 価格 4,400円(税込) -
- 【内容紹介】
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ひもを結ぶと、結び目ができる。結び目に対して定められる値で、結び目を変形することに関して不変であるようなものを不変量という。不変量を用いて、様々な結び目のタイプを区別することができる。 <br> 1980年代を境に、数理物理的手法がトポロジーに導入されて、3次元トポロジーにおいては膨大な数の不変量が発見され、その豊かな世界が改めて明らかになった。また、結び目の不変量をめぐる研究は、数理物理や量子群やKZ方程式などのさまざまな周辺分野と関連して大きな広がりを持っており、その研究分野は量子トポロジーとよばれている。 <br>本書では、量子トポロジーにおける様々な結び目の不変量やこれに関連するトピックについて初歩から最先端の内容までを解説し、「結び目の不変量」の豊かさや広がりを紹介する。
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【目 次】
第0章 はじめに
第1章 格子理論
1.1 格子の基本概念
1.2 不定値ユニモジュラー格子の分類
1.3 格子の埋め込み
第2章 鏡映群とその基本領域
2.1 鏡映群と基本領域
2.2 格子に付随した鏡映群
第3章 複素解析曲面
3.1 複素解析曲面の基礎
3.2 複素解析曲面の分類
3.3 楕円曲面とその特異ファイバー
第4章 K3曲面とその例
4.1 K3曲面の定義とその性質
4.2 非特異有理曲線に付随した鏡映群とケーラー錐
4.3 クンマー曲面
4.4 種数2の曲線に付随したクンマー曲面
4.5 2次元複素トーラスのトレリ型定理
第5章 IV型有界対称領域と複素構造の変形
5.1 IV型有理対称領域
5.2 複素構造の変形と小平・スペンサー写像
第6章 K3曲面のトレリ型定理
6.1 K3曲面の周期とトレリ型定理
6.2 周期写像の局所同型性(局所トレリ定理)
6.3 クンマー曲面のトレリ型定理
6.4 クンマー曲面の周期の稠密性
6.5 変形のもとでのケーラー錐の振る舞い
6.6 K3曲面のトレリ型定理の証明
第7章 K3曲面の周期写像の全射性
7.1 印付きケーラーK3曲面の周期写像
7.2 K3曲面の周期写像の全射性
7.3 射影的K3曲面の周期写像の全射性の証明の概略
第8章 トレリ型定理の自己同型への応用
8.1 射影的K3曲面の自己同型群
8.2 自己同型群の超越格子への作用
8.3 有限群が自己同型として実現されるための条件
8.4 K3曲面の位数2の自己同型
第9章 エンリケス曲面
9.1 エンリケス曲面の周期理論
9.2 エンリケス曲面上の非特異有理曲線と楕円曲線
9.3 エンリケス曲面の自己同型群
9.4 エンリケス曲面の例
第10章 平面4次曲線のモジュライ空間への応用
10.1 平面4次曲線と次数2のデル・ペッツォ曲面
10.2 平面4次曲線に付随したK3曲面
10.3 平面4次曲線のモジュライ空間と複素球-
5
K3曲面
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書籍情報 ISBN 9784320111998 判型 A5 ページ数 240ページ 発売日 2015年08月09日 価格 4,400円(税込) -
- 【内容紹介】
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1970年代前半に<i>K</i>3曲面のトレリ型定理が証明され、その後<i>K</i>3曲面の研究が大きく進展した。<i>K</i>3曲面は楕円曲線の2次元版と考えることができるが、代数幾何学のみならずミラー対称性やマシュー・ムーンシャイン等を通じて理論物理学においても関心が持たれている。本書の主題は<i>K</i>3曲面のトレリ型定理である。トレリ型定理を理解する上で必要となる格子理論や鏡映群の基本領域も紹介する。またトレリ型定理の応用として<i>K</i>3曲面の自己同型、エンリケス曲面のトレリ型定理や平面4次曲線のモジュライへの応用も述べる。 <br><!--K3曲面-->
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【目 次】
まえがき/記号索引
第1章 素数に関する初等的考察
1.1 素数と素数の逆数和の無限性
1.2 素数の占める割合が0%であること
1.3 n番目の素数の大きさ(粗い素数定理)
1.4 素数の逆数の和の増大度
1.5 素数定理に対数が現れる理由
1.6 特定の形の素数
1.7 算術級数定理の初等的考察
1.8 オイラーの定数
第2章 ゼータ研究の技法
2.1 実数上の複素数値関数
2.2 オイラー・マクローリンの方法
2.3 無限積の基本
2.4 ガンマ関数
2.5 ポアソンの和公式
2.6 アーベルの総和法
2.7 二重級数の基礎
2.8 メビウス反転公式
第3章 リーマン・ゼータの基本
3.1 絶対収束域
3.2 絶対収束域外のディリクレ級数
3.3 絶対収束域外のオイラー積
3.4 解析接続(初等的方法)
3.5 解析接続(積分表示)
3.6 関数等式
3.7 特殊値(正の整数)
3.8 特殊値(0または負の整数)
3.9 ゼータ関数の位数とアダマール積
第4章 明示公式と素数定理
4.1 臨界領域
4.2 非自明零点の個数
4.3 解析接続できない例
4.4 明示公式と素数定理
第5章 ディリクレの素数定理
5.1 ディリクレL関数とは
5.2 絶対収束域(Re(s>1)と右半平面(Re(s>0)
5.3 解析接続と関数等式
5.4 指標付き明示公式とディリクレの素数定理
第6章 深いリーマン予想
6.1 リーマン予想を支持する結果(ボーア・ランダウの定理)
6.2 オイラー積の収束
6.3 素数定理の誤差項との関連
6.4 ζ(s)の深いリーマン予想
あとがき/参考文献/索引-
6
素数とゼータ関数
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書籍情報 ISBN 9784320112001 判型 A5 ページ数 300ページ 発売日 2015年10月25日 価格 4,400円(税込) -
- 【内容紹介】
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本書では、一般の幅広い読者が興味を持っていると思われる素朴な意味での素数の性質について、複素関数論を用いずに大学教養程度の数学のみを用いた解説を行った。これにより専門的知識を持たない多くの読者層が、19世紀までの素数研究を概観できる。 <br> <br> 本著は、素数定理と算術級数定理の証明を省略なく self-contained に行うことを主な目的としている。全6章で構成される本著では、まず前半でゼータの研究に必要な技法をまとめ、他の類書では省略されることが多い事項(二重級数、二変数O記号、無限積、ガンマ関数、ポアソンの和公式、オイラーの総和法など)の解説を詳しく行う。続く第3、 4章では、ゼータ関数の基本的な性質を、証明の省略をすることなく一通り解説した。後半では、教科書としては世界で初めて「深いリーマン予想」の解説をしている。「深いリーマン予想」は、最先端の研究が2012年以降に到達した新しい概念であり、リーマン予想研究に新たな指針を与える考え方である。
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【目 次】
第1章 確率論の基本概念
1.1 確率空間
1.2 一様可積分
1.3 様々な収束
1.4 条件つき期待値
第2章 マルチンゲール
2.1 確率過程
2.2 マルチンゲール
2.3 停止時刻
2.4 2次変動過程
第3章 ブラウン運動
3.1 ガウス型確率変数
3.2 ブラウン運動
3.3 ブラウン運動の性質
3.4 マルコフ性
第4章 確率積分
4.1 確率積分
4.2 伊藤の公式
4.3 ブラウン運動への応用
4.4 表現定理
4.5 モーメント不等式
第5章 確率微分方程式(I)
5.1 確率微分方程式の解
5.2 指数写像による近似
5.3 微分同相写像
5.4 微分同相写像の応用
第6章 確率微分方程式(II)
6.1 弱い解 ―マルチンゲール問題
6.2 ギルサノフの定理
6.3 熱方程式
6.4 ディリクレ問題
第7章 経路空間での微積分学
7.1 変数変換の公式
7.2 部分積分の公式
第8章 ブラック-ショールズ・モデル
8.1 ブラック-ショールズ・モデル
8.2 裁定機会と同値局所マルチンゲール測度
8.3 価格付け
付録
A.1 急減少関数
A.2 ディンキン族定理
A.3 離散時間マルチンゲール
A.4 グロンウォールの不等式
A.5 補題5.14の証明
A.6 コルモゴロフの連続性定理
参考文献/索引-
7
確率微分方程式
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書籍情報 ISBN 9784320112018 判型 A5 ページ数 236ページ 発売日 2016年09月26日 価格 4,400円(税込) -
- 【内容紹介】
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確率微分方程式は、1942年に伊藤清により創始され、拡散過程の構成、偏微分方程式理論への応用、微分幾何学への応用、数理物理学への応用など様々な分野で広く利用されている。 <br>さらに、20世紀終盤には数理ファイナンス理論の発展の基礎として用いられた。また、1970年代半ばに始まったマリアバン解析と融合し、確率解析と呼ばれる研究分野の中核となっている。 <br> <br> 本書は、強い解と呼ばれるマリアバン解析との融合に不可欠な確率微分方程式の解に焦点を当て、その常微分方程式的なダイナミクスとしての性質を中心に解説を行う。 <br>さらにそれらの応用として、最後の2章で、経路空間での無限次元解析への展開、数理ファイナンスへの応用について言及している。 <br> <br> また本書は、測度論・確率論および他の解析学分野の諸結果に関して、少ない準備で確率微分方程式を学ぶことができるよう、なるべく他の文献を紐解くことなく読了できるように配慮した。 <br>たとえば、確率微分方程式の解析において不可欠な条件付き期待値の存在について、L<sup>2</sup>空間論を利用した証明を与えた。また、ブラウン運動によって駆動される確率微分方程式だけを取り扱うことで、 <br>確率積分の導入を容易にしている。初等確率論の知識があれば本書の内容がより深く理解できるが、大数の法則や中心極限定理を知らなくても本書を読み切ることは可能である。
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【目 次】
第1章 準備
1.1 記号・用語・表現
1.1.1 Euclid空間
1.1.2 線形代数
1.1.3 微分積分
1.1.4 関数の集合
1.1.5 Lebesgue積分
1.2 粘性解の導入
1.3 粘性消滅法
第2章 粘性解の定義
2.1 例
2.2 定義
2.3 同値な定義
第3章 比較原理
3.1 古典解と粘性解の比較原理
3.2 粘性解の比較原理
3.2.1 一階偏微分方程式
3.2.2 二階偏微分方程式
3.3 構造条件に関する注意
3.4 放物型方程式
3.5 境界値問題
3.5.1 Dirichlet境界値問題
3.5.2 Neumann境界値問題
3.5.3 全空間での比較原理
第4章 比較原理-再訪-
4.1 関数の近似
4.2 関数の二重近似
4.3 比較原理の別証明
4.4 一般論が適用できない重要な方程式
4.4.1 平均曲率方程式
4.4.2 Aronsson方程式
第5章 存在と安定性
5.1 Perronの方法
5.2 一階偏微分方程式の解の表現公式
5.2.1 Bellman方程式
5.2.2 Isaacs方程式
5.3 安定性
付録A
A.1 Jensenの補題
A.2 Ishiiの補題
A.3 Aronsson方程式 -再訪-
付録B
B.1 Rademacherの定理
B.1.1 1変数関数の場合
B.1.2 多変数関数の場合
B.2 弱逆関数定理
B.3 Aleksandrovの定理
B.4 変数変換の公式(定理B.16)の証明
問題解答例
あとがき
参考文献-
8
粘性解
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書籍情報 ISBN 9784320112025 判型 A5 ページ数 216ページ 発売日 2016年12月28日 価格 4,400円(税込) -
- 【内容紹介】
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本書は、二階非発散型の楕円型・放物型偏微分方程式の適切な弱解である粘性解理論に関する、初学者でも気軽に読めることを目指した入門書である。 <br> <br> 粘性解は、1980年代初頭にCrandallとLionsによって、一階非発散型偏微分方程式の弱解として導入された。以後、様々な方程式に対して粘性解の一意性が示されるとともに一般的な仮定の下ではその存在と安定性が確かめられ、適切な弱解として認知されてきた。1980年代後半には、二階非発散型の楕円型・放物型偏微分方程式に対する研究も進展を見せ、現在では様々な分野への応用も広げられ盛んに研究されている。 <br> <br> 本書は特に、粘性解の一意性を導くために重要な比較原理に焦点をしぼった構成となっている。一部、既存のテキストで触れられていない事項や、複数の文献に分散している命題の証明を丁寧に解説する。 <br> <br> 専門的知識はなるべく最小限に留めるよう工夫し、また難しい命題の証明は付録にまとめ、他の文献を参照することがなくとも十分に知識を得られるよう配慮した。
-
【目 次】
第1章 幾何構造と双曲幾何
1.1 幾何構造の一般論
1.2 双曲モデルと双曲変換
1.3 双曲三角形の比較定理
1.4 多面体による構成
1.5 体積有限双曲多様体の構造
1.6 ファイバー束の幾何構造
1.7 幾何モデルの分類
第2章 3次元多様体の分解
2.1 PL-構造と微分構造
2.2 3次元多様体内の曲面
2.3 Heegard 分解と素因子分解
2.4 ループ定理と球面定理
2.5 ザイフェルト多様体
2.6 JSJ-分解
2.7 幾何化予想
第3章 リッチフローの基本定理
3.1 方程式と特殊解
3.2 初期値問題
3.3 最大値原理の一般論
3.4 最大値原理の応用
3.5 ヤコビ場の評価
3.6 局所評価
3.7 コンパクト性
第4章 リッチフローの特異性
4.1 局所L-幾何
4.2 局所非崩壊定理
4.3 共役熱方程式とL-幾何
4.4 リーマン幾何からの準備
4.5 非負曲率空間の幾何
4.6 κ解の性質
4.7 κ解の分類
4.8 標準近傍定理
4.9 特異時刻における連結和分解
4.10 長時間挙動
付録 ファイバー束と接続
参考文献/索引-
9
3次元リッチフローと幾何学的トポロジー
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書籍情報 ISBN 9784320112032 判型 A5 ページ数 328ページ 発売日 2017年03月27日 価格 4,950円(税込) -
- 【内容紹介】
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ペレルマンがサーストンの幾何化予想を解決してからすでに10年が経ち、その手法はすでに幾何学の基礎になりつつある。本書ではその手法を最小限の知識を前提として解説することを試みた。 <br> <br> 直接解決に用いられたリッチフローの解析について述べるだけでなく、予備知識がない読者でも幾何化予想の内容を無理なく理解できるよう最初にページを割いて3次元多様体論、とくに幾何構造と標準分解について述べた。リッチフローに関しては最大値原理やコンパクト性定理など基本定理について初歩から論じ、これらの準備のもとにペレルマンの主要なアイデアを解説していく。また原論文を読もうとする意欲ある読者の指針となるように、最後に予想の解決の技術的な議論を概観した。
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【目 次】
第1章 楕円曲線と楕円モジュラー関数
1.1 SL2(Z) と複素トーラスのモジュライ
1.2 SL2(Z) の基本領域と生成元
1.3 ワイエルストラス℘関数と2 重周期関数
1.4 3 次代数曲線論
1.5 ワイエルストラス℘関数による3 次曲線の助変数表示
1.6 楕円モジュラー関数j(τ)
1.7 楕円モジュラー関数曼荼羅
第2章 SL2(Z) に関する保型形式概論
2.1 保型形式の概念
2.2 アイゼンシュタイン級数
2.3 楕円曲線から導かれる保型形式,とくに判別式形式
2.4 保型形式環M(Γ)
2.5 デデキントのエータ関数
2.6 アイゼンシュタイン級数E2(z)
2.7 ゼータとテータ
2.8 余興:楕円曲線のハッセ-ヴェイユL関数
第3章 合同部分群に関する保型形式
3.1 概説と記号
3.2 尖点
3.3 合同部分群によって得られるリーマン面
3.4 主合同部分群Γ(N)
3.5 合同部分群に関する保型形式
3.6 コンパクト・リーマン面概説
3.7 リーマン-ロッホの定理概説
3.8 合同部分群に対する次元公式
3.9 Γ1(N) の基本領域と生成系
3.10 合同部分群の重要性
第4章 ヘッケ作用素と固有形式
4.1 予備的考察
4.2 ヘッケ写像
4.3 ヘッケ作用素T(n)
4.4 ヘッケ固有形式
4.5 ディリクレ級数:L 関数への準備
4.6 L関数への反映
4.7 2 つの典型的なヘッケ固有形式の例
4.8 合同部分群に関するヘッケ作用素:概説
第5章 ヤコビ・テータ関数
5.1 定義と主要な定理
5.2 ヤコビ・テータ関数に関する主要定理の証明
5.3 ガウスの倍角公式
5.4 ヤコビ・テータ関数の無限積表示とその応用
5.5 一般指標のテータ関数とその変換公式
第6章 超幾何微分方程式から導かれる保型関数
6.1 ガウス超幾何微分方程式
6.2 超幾何微分方程式の解の表示
6.3 接続公式および周回行列の明示
6.4 ガウス超幾何微分方程式のシュワルツ写像
6.5 一般化された超幾何関数
第7章 クラインの保型関数とその応用例
7.1 ガウスの算術幾何平均定理とテータ零値についてのヤコビの公式
7.2 Γ1(3) の保型関数
7.3 Γ1(4) の保型形式とヘッケ作用素
7.4 Γ(5) およびΓ1(5) のモジュラー関数と,5 次方程式の解析的解法
7.5 Γ1(6) のモジュラー関数
7.6 Γ(7) とその部分群に関する各種の考察
第8章 超幾何保型関数と高次虚数乗法
8.1 ヒルベルト類体と古典虚数乗法論
8.2 総実体上の4 元数環
8.3 数論的三角群由来の4 元数環における志村虚数乗法論
8.4 単数群Δ(3, 3, 5) の場合の正準模型の明示式とその応用
8.5 高次ヒルベルト類体の実例
演習解答
参考文献
索引-
10
保型関数
-
書籍情報 ISBN 9784320112049 判型 A5 ページ数 288ページ 発売日 2017年06月27日 価格 4,730円(税込) -
- 【内容紹介】
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世の中に保型関数のテキストは数多くあるが、それらは保型関数の世界を社会構造論的に解説するものである。本書は、1変数の古典的保型関数論の基礎事項を述べた上で、その世界を支えている主要な函数たちを“列伝風”に描写しており、その意味で類書とは一線を画する。 <br> 学部レベルの複素関数論、一通りの群・環・体論の知識を仮定し、まず保型関数の基礎を述べた上で、ヤコビのテータ函数・ガウスの超幾何函数の理論を概観し、それらを用いて重要な個別の保型関数を導入する。さらに、19世紀のクラインが研究した保型函数を紹介して、その現代的な応用例を詳述し、最後に志村五郎によって研究された高次虚数乗法論の明示的な実例を構成する。 <br> 嘗て、高木貞治は『近世数学史談』において、楕円函数論を、ガウスの超幾何函数・ヤコビのテータ函数・アーベルの虚数乗法論の三幅対と見立てた。本書はこの高木の観点を拡大展開し、さらに将来の多変数保型関数論のための幾つかの切り口を用意する意図で展開されている。
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【目 次】
第1章 D-加群の基本事項
1.1 環の層DXとDX-加群
1.2 層DXの代数的性質
1.3 特性多様体
第2章 Cauchy-Kowalevski-柏原の定理
2.1 D-加群の逆像とその連接性が成り立つ条件
2.2 主定理とその証明
第3章 ホロノミーD-加群の正則関数解
3.1 D-加群の双対
3.2 構成可能層と偏屈層
3.3 層の超局所解析の理論
3.4 柏原の構成可能定理
第4章 D-加群の様々な公式
4.1 D-加群のテンソル積
4.2 D-加群の逆像再論
4.3 D-加群の積分
4.4 柏原の圏同値
第5章 偏屈層
5.1 t-構造
5.2 偏屈層とその性質
第6章 交叉コホモロジーの理論
6.1 極小拡張の理論
6.2 交叉コホモロジー群の定義と基本的な性質
第7章 近接および消滅サイクルの理論とその応用
7.1 層の近接および消滅サイクル
7.2 ミルナー束とそのモノドロミーとの関係
7.3 モノドロミーゼータ関数の理論
第8章 D-加群の指数定理
8.1 準備
8.2 偏屈層の特性サイクル
8.3 オイラー障害
8.4 柏原の指数定理
第9章 代数的D-加群の理論の概要
9.1 代数的D-加群
9.2 代数的ホロノミーD-加群
9.3 代数的D-加群に対するリーマン・ヒルベルト対応
第10章 混合Hodge 加群の理論の概要
10.1 Hodge 構造と混合Hodge 構造
10.2 Hodge 加群と混合Hodge 加群
第11章 トーリック多様体の交叉コホモロジーとその応用
11.1 準備
11.2 トーリック多様体の交叉コホモロジー
11.3 トーリック超曲面への応用
第12章 多項式写像の無限遠点におけるモノドロミー
12.1 無限遠点におけるモノドロミーの固有値
12.2 Denef-Loeser の理論
12.3 無限遠点におけるモノドロミーのジョルダン標準型
付録A 層の理論
付録B 導来圏の理論
参考文献/索引-
11
D加群
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書籍情報 ISBN 9784320112056 判型 A5 ページ数 324ページ 発売日 2017年08月10日 価格 4,950円(税込) -
- 【内容紹介】
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1970年代に佐藤幹夫によって提唱された「新古典解析学(=代数解析学)」の枠組みは、その後柏原正樹らによって整備され、近代幾何学をはじめとした分野において非常に重要な理論体系へと昇華するに至った。 <br> <i>D</i>-加群はその中心的な理論で、たとえば解析学上の関数の初等的演算を<i>D</i>-加群を介して抽象化することで、それまで困難だった線形偏微分方程式の一般理論の解析が可能となった。 <br> その後の<i>D</i>-加群研究の進展に伴って適用範囲はますます広がりをみせており、現在は代数・幾何・解析の3分野すべてに関係する極めて重要な理論体系となっている。 <br> <br> 本書では、<i>D</i>-加群の理論全体をなるべく少ない労力で理解できるよう、わかりやすく解説した。 <br> 前半のパートでは、読者の親しみやすさなども考慮し、複素多様体上の解析的<i>D</i>-加群を扱う。 <br> 後半部では、<i>D</i>-加群の幾何学への応用を具体例を通して学んでいく。 <br> また、これまで<i>D</i>-加群の理論を学ぶ上で大きな障害であった、層とその導来圏に関するわかりやすい付録をつけた。 <br> <br> <br> ○特に次の分野に多くの応用がある: 代数幾何、偏微分方程式、特異点理論、表現論、数理物理、超関数論、環論、数論幾何、超幾何関数、トポロジー、ゼータ関数、圏論、計算数学
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【目 次】
第1章 確率論の準備
1.1 確率変数
1.2 多次元分布
1.3 期待値
1.4 多次元分布の収束
第2章 統計的推測
2.1 統計的推定
2.2 統計的仮説検定
2.3 検定の漸近相対効率
第3章 順位に基づく統計的推測
3.1 順位検定
3.2 実験計画法に対する順位検定
3.3 その他のノンパラメトリック検定
第4章 統計的リサンプリング法
4.1 ジャックナイフ法
4.2 ブートストラップ法
第5章 カーネル法に基づくノンパラメトリック推測
5.1 密度関数のカーネル推定
5.2 多次元密度関数の推定
5.3 分布関数のカーネル推定
5.4 密度比の推定
5.5 ハザード関数の推定
5.6 ノンパラメトリック回帰
5.7 カーネル法の順位検定の連続化への応用
第6章 漸近正規統計量
6.1 中心極限定理の精密化
6.2 U-統計量
6.3 漸近U-統計量
参考文献
索引-
12
ノンパラメトリック統計
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書籍情報 ISBN 9784320112063 判型 A5 ページ数 252ページ 発売日 2019年10月31日 価格 4,400円(税込) -
- 【内容紹介】
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<p> ノンパラメトリックな統計的推測の理論は、母集団の分布を特定しない推測手法であり、特に1960年代以降から研究の進展が著しくみられる。分布を特定しないことから実社会への応用性や汎用性が非常に高く、近年の研究で分布の特定をするパラメトリックな手法とも遜色のない結果が得られることが明らかとなるなど、現在も盛んな研究が行われている。<br /> ノンパラメトリック法では標本数を大きくしたときの漸近理論を構築して比較を行うことから、大数の法則や中心極限定理が重要な役割を持つ。本書は、まずそのような基本的な確率統計の準備から始める。その後、「順位に基づく統計法」「統計的サンプリング法」「カーネル法」などの、ノンパラメトリックな統計的推測の分野に於いて重要な役割をもつ理論を概説する。後半では、中心極限定理の精密化である「エッジワース展開」について議論し、多くの統計量に適用可能な「スチューデント化統計量」の正規近似の改良について解説をおこなう。<br /> ノンパラメトリック法の研究を目指す学生や、実務の現場でこれらの手法を利用する研究者などの読者のために、その有用性や理論的背景の理解が深まるように構成した。</p>
-
【目 次】
第1章 数学的準備と非可換幾何の出発点
1.1 はじめに
1.2 代数的準備
1.3 幾何学的準備
1.4 Pursell-Shanks型定理
第2章 関数環の変形
2.1 一変数関数の関数環の変形
2.2 多変数関数の変形
2.3 関数環の変形についての同値性
2.4 2変数の関数環
第3章 代数構造の変形
3.1 代数の変形
3.2 ポアソン代数の変形量子化
3.3 ホッホシルトコホモロジー
3.4 ポアソン代数の定義
第4章 シンプレクティック幾何学
4.1 シンプレクティックベクトル空間
4.2 シンプレクティック多様体
4.3 ダルブーの定理
4.4 ハミルトンベクトル場
4.5 シンプレクティック多様体のポアソン括弧
4.6 シンプレクティック多様体のポアソン代数
第5章 シンプレクティック簡約空間
5.1 シンプレクティック多様体の群作用
5.2 モーメント写像
5.3 随伴軌道と余随伴軌道
5.4 簡約空間
第6章 シンプレクティック多様体の変形量子化
6.1 量子化問題
6.2 シンプレクティック多様体の変形量子化
6.3 変形量子化の同値性
6.4 変形量子化の同値類
第7章 変形量子化による非可換微分多様体の構成
7.1 ワイル多様体(非可換微分多様体)
7.2 ワイル代数束の接続
7.3 平坦曲率
7.4 ワイル代数束の水平断面
7.5 平坦接続の拡張
第8章 非可換微分多様体
8.1 非可換平坦空間
8.2 非可換球面
8.3 非可換ケーラー多様体
8.4 非可換一葉双曲面
第9章 ポアソン多様体
9.1 ポアソン多様体
9.2 コスツール括弧
9.3 スカウテン・ナイエンハウス括弧
9.4 リー双代数
9.5 ポアソン・リー群
9.6 ポアソン多様体のリー亜代数とリー亜群
第10章 ポアソン多様体の変形量子化
10.1 変形量子化とホッホシルトコホモロジー
10.2 ポアソン多様体の変形量子化の構成
参考文献/索引-
13
非可換微分幾何学の基礎
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書籍情報 ISBN 9784320112070 判型 A5 ページ数 292ページ 発売日 2020年11月30日 価格 4,730円(税込) -
- 【内容紹介】
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<p> 従来の幾何学では、「点集合」を要素とした幾何学的な理論・手法の開発をしてきたといえる。そこに空間的な概念を据え、関数・ベクトル場・微分形式といった対象物を定義することで、多様体論の基礎概念が支えられ、物理学での相対性理論の飛躍にも大きく貢献していった。物理学ではその後、ある意味で「点」を基礎としない量子論に考え方を大きく変えている。数学についても、これに呼応する”新たな考え方”が期待されるなかで、その候補として研究が行われているのが、本書で扱われる、代数構造の変形から生まれる「変形量子化」による「非可換の幾何学」である。<br /> 本書では、まず「Pursell-Shanks型定理」などにより、古典的空間概念から非可換空間への移行を図る。次に、「シンプレクティック多様体」とその変形量子化について解説する。最後に、空間概念の量子化の鍵となりうる「ポアソン代数」とその変形量子化について解説する。<br /> さまざまな場の理論を画一的に理解できるようにすることや、非可換場の理論の構築にも期待がされる大きな理論について、丁寧に解説する。</p>
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【目 次】
序文
第1章 Lie群とLie環の基礎
1.1 滑らかな多様体(C∞多様体)
1.2 いくつかの行列群
1.3 Lie群とそのLie環,線形Lie群と指数写像・対数写像
1.4 Gの1径数部分群とGのLie環
1.5 Lie環gの展開環とLie群上の微分作用素
1.6 群上の不変測度
第2章 群の表現の基礎
2.1 位相群の線形表現とは
2.2 有限次元表現について
2.3 コンパクト群の表現
2.4 誘導表現
2.5 [G:H]=2の場合の誘導表現
2.6 Frobeniusの相互律
2.7 表現空間の可微分ベクトル
第3章 回転群SO(n)の表現論
3.1 SO(n)の普遍被覆群Spin(n)
3.2 Lie環so(n),so(n,C)の構造
3.3 Weylの積分公式
3.4 既約指標の分類と決定
3.5 SO(n)↓SO(n−1)の分岐律
3.6 Laplace作用素とその固有値,表現の無限小指標
3.7 Gelfand-Tsetlinの微分表現公式
3.8 有理関数の対称和に対する恒等式
第4章 g=so(n), K=SO(n−1)に対する無限次元擬(g,K)-加群
4.1 G-T公式から生ずるLie環so(n)の無限次元表現
4.2 無限次元擬(g,K)-加群の性質
第5章 n次Lorentz群の構造
5.1 n次Lorentz群とは
5.2 Lorentz群Ln:=SO0(n−1,1)の構造
5.3 Lnの第2標準形,第3標準形,Cartan部分群の対角化
第6章 n次Lorentz群の基本的表現
6.1 Lnの有界線形表現の構成と擬不変測度
6.2 Lnのユニタリ主系列表現
6.3 主系列表現に対応する(g,K)-加群
6.4 共役表現とHermite不変内積
6.5 L∼nのユニタリ補系列表現
6.6 離散系列の既約ユニタリ表現の存在・不存在(一般論)
6.7 有限次元既約表現の主系列表現への埋め込みと無限小指標
6.8 非ユニタリ主系列表現の超重要な役割(部分商定理)
第7章 3次元,4次元Lorentz群の場合
7.1 2重被覆群SL(2,R)の場合
7.2 SU(1,1)の(非ユニタリ)主系列表現の(g,K)-加群
7.3 4次元Lorentz群の普遍被覆群SL(2,C)の場合
7.4 (g,K)-加群とL∼4の双対空間
第8章 一般Lorentz群の標準(g,K)-加群
8.1 基本的事実のまとめ
8.2 代数的に定義される標準的(g,K)-加群
8.3 gのNU型標準表現Skα;cの反傾表現,共役表現,可約点
8.4 標準NU型表現S0α;cの不変Hermite内積について
8.5 主系列表現・補系列表現の無限小解析
8.6 U 型標準g表現Suα;cによる既約(g,K)-加群の決定
8.7 ユニタリ化可能既約(g,K)-加群の分類
8.8 無限次元NU 型標準(g,K)-加群の構造と相関関係
8.9 無限次元NU 型標準(g,K)-加群S1α;c, k=1の構造と相関関係
第9章 指標の理論と計算(その1)
9.1 指標の一般論
9.2 半単純Lie群の表現の指標
9.3 不変固有超関数と不変積分Khφ
9.4 半単純Lie群の(非ユニタリ)主系列表現の指標
9.5 Lorentz群の非ユニタリ主系列表現の指標と無限小指標
9.6 有限次元既約表現とその指標・無限小指標
第10章 一般Lorentz群L∼nの既約表現
10.1 標準的NU型(g,K)-加群と非ユニタリ主系列表現
10.2 gの無限次元行列表現S8α;c≅dΠ´α;cとSkα;cの一致・不一致
10.3 有限次元既約表現の主系列表現Π´α;cへの埋め込み
10.4 gn=so(n), g=so(n−1,1)の各種表現の相互関係
10.5 一般Lorentz群の既約表現の分類と主系列表現の構造
10.6 緩増加既約表現について
第11章 指標の理論と計算(その2)
11.1 n−2r+2における既約指標の計算
11.2 n−2r+3.非コンパクトCartan部分群上の指標値
11.3 コンパクトCartan部分群上の指標値とK-スペクトル
11.4 Lorentz群L∼nのコンパクトCartan部分群上の指標
第12章 既約表現の分類と指標公式の応用
12.1 Plancherel型定理の一般的展望とLorentz群
12.2 Lorentz群のPlancherel型定理
第13章 既約ユニタリ表現のU型Gelfand-Tsetlin公式の応用
13.1 負定曲率多様体m上の測地流
13.2 完備な負定曲率多様体上の測地流のスペクトル
付録 誇大妄想といくつかの予想
A.1 誇大妄想2021aといくつかの予想
A.2 BDI以外の型に関する誇大妄想といくつかの予想
解説 堀田良之-
14
リー群のユニタリ表現論
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書籍情報 ISBN 9784320112087 判型 A5 ページ数 502ページ 発売日 2022年12月23日 価格 6,600円(税込) -
- 【内容紹介】
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<p>本書は、群の表現論について最短距離で核心部分に触れることを目的とした書籍である。<br /> <br /> 全体は4部構成となっている。まず第I部では、初心者に向けてリー群の表現論に関する最低限の準備を行う。第II部では、3次元回転群やその普遍被覆群<i>SU</i>(2)を例に、<i>n</i>次回転群<i>SO</i>(<i>n</i>) (<i>n</i>≥3)の表現(特にその指標理論)と付随する無限次元擬(<i>g,K</i>)-加群について解説する。第III部では、<i>n</i>次Lorentz群<i>SO</i>(<i>n</i>−1,1)の表現とそれに付随する無限次元(<i>g,K</i>)-加群を中心に解説する。第IV部では、<i>n</i>次Lorentz群の既約表現と既約指標の決定に関する解説を行う。その後、拡大Gelfand-Tsetlin公式を応用してLorentz群<i>SO</i><sub>0</sub>(<i>n</i>−1,1)およびその普遍被覆群Spin(<i>n</i>−1,1)のPlancherel型公式を学び、最後に負の定曲率空間上の測地流のスペクトル型がσ-Lebesguesであることを証明する。<br /> 本書の特筆すべき点として、複素回転群<i>SO</i>(<i>n,<b>C</b></i>)のコンパクト実形である<i>n</i>次回転群<i>SO(n</i>)の表現論から、別の実形<i>n</i>次Lorentz群<i>SO</i><sub>0</sub>(<i>n</i>−1,1)の表現論へと、Gelfand-Tsetlin公式とその無限次元の拡張を通して”空中移行”できることを示したことである。本書の解説を通じて、それらが恰も背中合わせのように存在していることを解説する。</p>
-
【目 次】
はじめに
第1章 保測作用
1.1 測度空間についての準備
1.2 保測作用の例
1.3 同型と軌道同型
1.4 同値関係と作用素環
第2章 保測同値関係の基礎
2.1 可算ボレル同値関係
2.2 保測同値関係
第3章 概有限同値関係
3.1 角谷・ロホリンの補題
3.2 概有限性
3.3 測度代数についての準備
3.4 同型定理
第4章 従順群
4.1 ミーンと従順性
4.2 ライター条件
4.3 フェルナー条件
4.4 ハウスドルフのパラドックス
第5章 従順同値関係
5.1 同値関係における左かけ算
5.2 ミーンと従順性
5.3 部分同値関係と制限の従順性
5.4 ライター条件とフェルナー条件
5.5 コンヌ・フェルドマン・ヴァイスの定理
第6章 自由群
6.1 樹
6.2 自由群の標準樹
6.3 ソース・シンク力学系
6.4 境界への作用がもつ従順性
6.5 従順性と固定点
6.6 自由群と軌道同型でない群
第7章 樹系付き同値関係
7.1 グラフ系と樹系
7.2 樹のエンド数と剪定
7.3 樹系の剪定とコスト
7.4 エンド数と従順性
7.5 樹系をもたない保測同値関係
第8章 樹化可能な部分同値関係の構成
8.1 群上のランダムウォーク
8.2 ケステン条件
8.3 自由極小全域樹林とクラスター同値関係
8.4 非従順群のスペクトル半径
第9章 カズダン性
9.1 定義と例
9.2 カズダン性の遺伝
9.3 位相群と格子部分群のカズダン性
9.4 スペクトル測度とユニタリ表現
9.5 SLn(R) (n≧3) のカズダン性
第10章 カズダン性の応用
10.1 樹への作用と固定点性質
10.2 軌道同型に関する応用
付録A 標準確率空間
A.1 ポーリッシュ空間と標準ボレル空間
A.2 標準ボレル空間の間の写像
A.3 同型定理
A.4 測度代数の間の準同型
付録B 従順同値関係の固定点性質
B.1 バナッハ空間に値をもつ可測関数
B.2 固定点性質の定式化と証明
付録C 測度同値
C.1 位相群と格子部分群
C.2 測度同値の定義
C.3 準軌道同型
C.4 測度同値な群・測度同値でない群
おわりに
参考文献
記号表/索引
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離散群とエルゴード理論
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書籍情報 ISBN 9784320112094 判型 A5 ページ数 308ページ 発売日 2024年04月03日 価格 4,950円(税込) -
- 【内容紹介】
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<p> 一般に「2つの群作用が軌道同型である」とは、作用する空間のあいだに同型で作用する軌道を保つようなものが存在するときをいう。1959年のDyeの論文が嚆矢となり、爾後、離散群論の発展と伴って様々な群作用に関する軌道同型の研究が進められ、現在では、関数解析・幾何学・確率論などといった広汎な数学の諸分野に於いて、多彩な成果をもたらすに至っている。<br /> エルゴード理論は、端的にいえば「測度空間への群作用を研究する分野」であり、軌道同型理論はエルゴード理論の一分野として位置付けられてきた。しかし近年、軌道同型の研究範囲の多彩さゆえにその枠組みだけで論じることが困難となり、2010年ごろに"Measured Group Theory"という新たな枠組みが創始され、現在に至っている。<br /> 本書は、「"Measured Group Theory"のガイドブック」となることを想定し、特に離散群と軌道同型理論に関する基礎概念とその結果、および未解決問題などについて幅広く取り上げる。まず、標準確率空間・保測作用・保測同値関係などの基本的なアイデアから始め、従順群・自由群・樹化可能な保測同値関係・カズダン性などといったトピックを詳しく解説する。</p>
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岩澤理論
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>岩澤理論は1950年代に岩澤健吉によって創始された独創性に溢れる数論の理論であり,21世紀を迎えた今日にあってもなお数論に多大な影響を与えながら発展し続けて,常に研究の最前線に位置している.本書は,代数体のzp-拡大の岩澤理論を基本事項から説き起こし,数論的対象物イデアル類群と解析的対象物ゼータ函数の間の世にも深遠な関係を与える岩澤主予想(Mazur-Wilesの定理)の証明を最終目標とする.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> 代数的整数論,完備群環,ガロア理論,イデアル類群,円分体,p-進ゼータ函数,p-進L函数</p>
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楕円曲線の数論
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>楕円曲線の数論は,フェルマ予想から暗号理論まで幅広い応用を持つと同時に, 現代整数論の最も基本的なモデルとなっている.また様々な分野の交差点にもなっており,数学を広く深く学ぶための最高の教材でもある.本書の前半は,これから楕円曲線の数論を深く研究したいと考えている学生や研究者に対し,確かな基礎を提供することを目標とする.後半ではBSD予想など,より進んだ話題を解説する。<br /> <br /> 【キーワード】<br /> 楕円曲線,有限体,形式群,モーデル‐ヴェイユの定理,セルマー群,BSD予想,p-進コホモロジー</p>
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ディオファントス問題:無理数と有理数の世界
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>整数論におけるフェルマーの定理のように整数係数の方程式の整数解を調べる問題や,その近代化を総称してディオファントス問題と言う.ディオファントス問題に関連する基本的な証明の手段であるディオファントス近似の丁寧な解説を通して,無理数や超越数に関する一連の結果を紹介する.不定方程式への応用などの関連する話題についても言及し,古典から現代に到るまでの整数論の奥深さを味わう場を提供する.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> ディオファントス問題,ディオファントス近似,無理数,超越数,部分空間定理,対数一次形式,不定方程式</p>
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保型形式と保型表現
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>本書は簡約可能代数群のアデール群上に定義された保型形式の入門書である.一般論に先立って,前半では総実代数体上のヒルベルト保型形式を論じる.ヒルベルト保型形式をアデール群上で考えることにより自然な形でヘッケ作用素などを論じることができることを見る.さらに後半では一般の簡約可能代数群上の保型形式を論じ,局所体上に定義された簡約可能代数群の表現論との関連についても論じる. 【キーワード】 ヒルベルト保型形式,アデール群上の保型形式,保型表現</p>
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可換環とスキーム
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>スキーム(概型)の理論は代数幾何の標準言語となっている.根底にあるのは,空間と可換環(関数のなす代数系)との双対性である.これによって,整数環などどんな可換環からでも幾何構造を作り出し,実り多い議論を可能にしている.本書は,可換代数の初歩から始めて,素早くスキームの要点に到達できるテキストである.圏などの抽象的だが重要な用語もself-containedに解説する.近年の発展につながるように,双対性とモノイド構造を意識して導入する.<br /> <br><br /> 【キーワード】<br /> 代数幾何,可換代数,双対性,局所化,素イデアル,ネーター性,基底定理,零点定理,圏と関手,スキーム(概型),連接層</p>
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有限単純群
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>19世紀に5重可移群として得られたマシュー群は,20世紀になって組合せ構造(デザイン)の自己同型群として研究が進み,情報理論・符号理論における特別な実例であるゴーレイ符号との関連も明らかになった.さらに,ゴーレイ符号から構成されるリーチ格子は,その自己同型群(コンウェイ群)が散在型単純群の実例の宝庫となっている.本書では,マシュー群・コンウェイ群を中心に,その周辺の事項について基礎から解説したい.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> 有限単純群,置換群,多重可移群,散在型単純群,符号,格子,デザイン,グラフ</p>
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カッツ・ムーディ代数とその表現
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>有限次元単純リー環およびカッツ・ムーディリー環のルート系や最高ウエイト表現は,数学・物理のどのような分野においても非常に重要である.学部レベルでは教えられることは稀であるにもかかわらず,大学院に入った途端に常識とされる.この間のギャップを埋めるために本書は書かれた.学部低学年の数学の知識のみを仮定する.精読することによりカッツ・ムーディリー環の常識まで誘う.初学者の渇きを癒すものでありたい.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> 無限次元リー環,ルート系,ワイル群,標準双線型形式,普遍包絡環,最高ウエイト表現,指標公式,基本表現,シューア函数</p>
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リー環の表現論とヘッケ環
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>半単純リー群の表現論の基礎を学習した後,コンパクトリー群の例として,回転群SO(n), ユニタリ群U(n)をとり,その表現論を具体的に取り扱う.既約表現をGelfand-Zetlin基底(GZ基底)を用いて行列表示する.非コンパクトリー群の例として一般化ローレンツ群SO(n,1)と擬ユニタリ群SU(n,1)をとり,それらの(非ユニタリ)主系列表現の構造を,上のGZ基底を拡張した基底を作って詳細に調べることにより,既約ユニタリ表現,緩増大既約表現を完全に分類する.既約ユニタリ表現のGZ基底による実現の応用も述べる.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> 半単純リー群の表現,Gelfand-Zetlin基底,回転群SO(n), ユニタリ群U(n), 一般化ローレンツ群SO(n,1), 擬ユニタリ群SU(n,1)の表現</p>
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対称空間の幾何学
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>各点に点対称を備えた空間を対称空間と呼ぶ.対称空間は豊富な幾何をもつ.例えば,様々な幾何における典型的な空間は,対称空間となることが多い.本書は,対称空間の入門書である.学部4年生や修士1年生のセミナーでも使用できるように構成されている.リーマン幾何やリー群・リー環の知識を仮定せずに対称空間を導入し,リーマン対称空間のみならず擬リーマン対称空間やアフィン対称空間も含めて,対称空間の理論の概要を解説する.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> 集合としての対称空間,多様体構造をもつ対称空間,リーマン対称空間,擬リーマン対称空間,アフィン対称空間,対称空間の部分多様体</p>
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シンプレクティック幾何入門
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>シンプレクティック幾何は古典力学の定式化に起源をもつが,20世紀後半に大きく発展し,現代の幾何学・位相幾何学の重要な分野となっている.本書ではシンプレクティック幾何への入門を目的として,その基礎的な事項を解説する.ダルブーの定理や適合的な概複素構造などの多様体論的な側面とともに,ハミルトン・ベクトル場やモーメント写像など,古典力学と関わる諸概念の理解を深める.また,幾何的量子化の理論や表現論との関わりも解説する.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> シンプレクティック多様体,ラグランジュ部分多様体,局所標準形,概複素構造,ケーラー多様体,ハミルトン力学,モーメント写像,幾何的量子化</p>
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グロモフ‐ウィッテン不変量と量子コホモロジー
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>位相的場の理論の発展は幾何学における様々な新しい知見をもたらした.とりわけミラー対称性は数え上げ代数幾何学に大きなインパクトを与え,量子コホモロジーの理論の発展を促した.本書ではグロモフ・ウィッテン不変量や量子コホモロジー環の数学的基礎について解説し,ミラー対称性予想がどのように定式化されるのかを明らかにする.特に,5次超曲面上の有理曲線の数え上げに関するミラー対称性予想とその解決について,どのような理論が展開されるのかを概観する. 【キーワード】 安定写像,モジュライ空間,グロモフ・ウィッテン不変量,WDVV方程式,フロベニウス多様体,量子コホモロジー環,J関数,ミラー対称性</p>
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力学系
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>現在,力学系理論の基礎として位置づけられる双曲力学系を扱う双曲理論は,60年代以降の力学系理論の発展を支えてきた.その最も大きな成果の一つに構造安定な力学系の特徴付けがある.本書ではこの成果を少なくとも低次元の場合に出来るだけ厳密な形で提示することを試みる.主に多様体上の微分同相写像による力学系を扱うが,その過程の中でフローの場合や位相力学系及びエルゴード理論も織り交ぜ,全体として力学系理論の基礎を学べるような内容となっている.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> 双曲型集合,構造安定性,Ω-安定性,安定・不安定多様体,エルゴード的測度,拡大性と擬軌道追跡性,スペクトル分解,閉補題,エルゴード閉補題</p>
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多変数複素解析
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>多変数複素解析を小平消滅定理の拡張として微分幾何学からの視点で理解する.調和積文論の非コンパクト複素多様体への一般化として,ヘルマンダーのL2-評価の方法を,多重劣調和関数を直線束の特異エルミート計量としてとらえ,擬凸性を微分幾何学的に解釈する.多変数複素解析を複素代数幾何学における小平理論の無限次元版ととらえることにより,コンパクト複素多様体論の自然な拡張として理解することを目標にする.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> ∂-方程式,多重劣調和関数,擬凸性,小平消滅定理,ケーラー等式,L2-評価式,ベルグマン核,L2-拡張定理</p>
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反応拡散系の数理
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>本書では反応拡散系のパターン形成に対する数理解析について解説する.ここでは2変数反応拡散系に限定して,拡散誘導不安定化によって出現する定常解に対する特異摂動法による解の構成とその安定性解析法について解説する.次に,進行波解や進行パルス波解の運動を解析するための縮約理論とその応用について解説し,この解析に必要となる解構造の数値計算法について説明する.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> 拡散誘導不安定性,定常問題に対する特異摂動法,SLEP法,中心多様体縮約,パルスダイナミクス法,定常解の数値分岐計算と安定性計算</p>
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確率論と物理学
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>確率論において近年,物理学,特に統計力学に動機づけられた研究の発展が著しい.平面格子上の統計力学模型の臨界状態を記述する共形不変な確率過程,数え上げ組合せ論やランダム行列理論で導入される時間に依存した行列式点過程,交通流模型や界面成長模型と関連する可積分確率過程と非線形確率偏微分方程式などについて解説する.物理学あるいは確率論にこれまではあまり馴染みのなかった読者にも,これらのトピックスの数学的な豊かさを伝えたい.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> Schramm-Loewner発展,Cardy公式,Tracy-Widom分布,Kardar-Parisi-Zhang方程式,非平衡統計力学,伊藤確率解析,可解構造</p>
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超離散系
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書籍情報 判型 A5 -
- 【内容紹介】
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<p>超離散系とは,解析的な性質を内在したセルオートマトン(cellular automaton, CA)である.CAは,有限種類の状態のみをとる細胞(セル)が空間的に配列し,与えられた時間発展の規則に従って,一定の時間間隔ごとに状態を変化させる力学系であり,複雑な自然・社会現象の数理モデルとして広く用いられている.本書では,可積分CAと呼ばれる深い数理的構造を持つ超離散系を中心に,超離散化の手法,超離散系の持つ数学的構造,数理モデルへの応用などについて解説する.<br /> <br /> 【キーワード】<br /> 超離散系,セルオートマトン,半環,離散可積分系,箱玉系,逆超離散化,トロピカル曲線</p>
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