オイラーの定数ガンマ―γで旅する数学の世界― 

書籍情報
ISBN978-4-320-01885-3
判型A5 
ページ数306ページ
発行年月2009年05月
本体価格2,800円
オイラーの定数ガンマ 書影
オイラーの定数ガンマ

本書は,π,e,i に続く第4の重要な定数である「オイラー定数 γ」を象徴的に取り上げて,対数,調和級数,素数などに関連する諸々の解説を歴史的な文脈の中で展開していく。オイラー自身が言っているように,γを探求していくと必然的に真剣に研究する価値のある数学へと行きつく。名高い素数定理や畏敬すべきリーマン予想にまでつながっていく様を目の当たりにしながら,数学がいかに魅力的で面白いかを感じてほしい。
[原著 Julian Havil: GAMMA: Exploring Euler's Constant, Princeton University Press, 2003]

目次

第1章 対数のゆりかご―対数がどこで生まれ,どのように育ったか
1.1 数学的悪夢―そしてそこから目覚める
1.2 バロンの驚くべき「キャノン(対数表)」
1.3 ケプラーってどんな人
1.4 オイラーってどんな人
1.5 ネイピアの他のアイデア

第2章 調和級数
2.1 すべての出発点
2.2 Hn に対する母関数
2.3 3つの驚くべき結果

第3章 部分調和級数
3.1 穏やかな始まり
3.2 素数の調和級数
3.3 ケンプナー級数
3.4 マデルング定数

第4章 ゼータ関数
4.1 n が正の整数である場合
4.2 x が実数である場合
4.3 終わりに2つの結果

第5章 ガンマγの生まれた場所
5.1 降臨
5.2 誕生

第6章 ガンマ関数Γ
6.1 エキゾチックな定義…
6.2 …でも理屈の通った定義
6.3 大文字Γ と小文字γの出合い
6.4 2つの公式

第7章 素晴らしき公式,オイラー積
7.1 まったく大事な公式…
7.2 …と,その有用さへのヒント

第8章 果たされた約束

第9章 ガンマγって…何? 正確に!
9.1 ガンマγは存在する
9.2 ガンマγって…どういう数?
9.3 驚くほど十分に良くなりました
9.4 ある偉大なアイデアが生まれます

第10章 小数としてのガンマγ
10.1 ベルヌーイ数
10.2 オイラー・マクローリンの総和公式
10.3 2つの例を見ましょう
10.4 ガンマγに対する含蓄

第11章 分数としてのガンマγ
11.1 あるミステリー
11.2 あるチャレンジ
11.3 ある解答
11.4 3つの結果
11.5 無理数
11.6 解かれたペル方程式!
11.7 間を埋めると
11.8 調和級数の大事な変形

第12章 ガンマの値はいくつなの?
12.1 交代調和級数を再び
12.2 解析の中では
12.3 数論の中では
12.4 予想の中では
12.5 一般化の中では

第13章 世界は調和で満ちている
13.1 各種の平均値
13.2 幾何的調和
13.3 音楽的調和
13.4 記録更新
13.5 破壊検査
13.6 砂漠の横断
13.7 カードをシャッフルする
13.8 手早く並べ替える
13.9 完全セットを揃える
13.10 プットナム賞の問題から
13.11 最長の置き方
13.12 ゴムひもにいる虫
13.13 最適な選択

第14章 世界は対数で満ちている
14.1 不確実さを表す数値
14.2 ベンフォードの法則
14.3 連分数の振る舞い

第15章 素数をめぐる問題
15.1 素数に関するいくつかの難問
15.2 ささやかな始まり
15.3 ある種の答え
15.4 問題の全体像
15.5 エラトステネスのふるい
15.6 ヒューリスティックス(発見的方法)
15.7 ある手紙から
15.8 調和級数を使うと
15.9 違いはある―でも同じだけれど
15.10 本当の問題は2つ,3つではなく
15.11 チェビシェフの世界へ
15.12 リーマンの世界へ

第16章 リーマンの構想
16.1 リーマン流素数の数え方
16.2 新しい数学的道具
16.3 解析接続
16.4 リーマンのゼータ関数への拡張
16.5 ゼータ関数の関数等式
16.6 ゼータ関数の零点
16.7 Π(x ) とπ(x ) の評価
16.8 紛らわしい証拠
16.9 素数定理を証明する方法
16.10 リーマン仮説
16.11 この仮説が大切なのはなぜ?
16.12 実数だけを用いた定式化
16.13 永遠への戻り道―部分的に閉じている
16.14 古今東西,動機こそ進歩の原動力
16.15 発展の歴史と将来