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現代物理学の基礎としての場の量子論

書籍情報
シリーズ名KEK物理学シリーズ 全7巻 【4】巻
ISBN978-4-320-03487-7
判型A5 
ページ数300ページ
発行年月2015年06月
本体価格4,200円
現代物理学の基礎としての場の量子論 書影
現代物理学の基礎としての場の量子論

 場の量子論は,素粒子物理学から物性物理学,宇宙物理学まで,幅広い分野に共通する基礎をなしている。それにもかかわらず,多くの場の量子論の教科書では,素粒子物理学のみを対象とした相対論的場の量子論であるか,物性物理学のみを対象とした非相対論的場の量子論であるかのどちらかにテーマが限定されることが多い。
 本書では,両者に共通する基本概念として「真空の非自明さ」に焦点をあて,粒子とは何か,真空から粒子が生成されるとは何を意味するのか,といった点について,様々な具体例を挙げながら解説している。これらの性質を学ぶにあたり,コヒーレント状態,スクイーズド状態,時間変化する調和振動子など,量子力学での粒子生成を理解するために必要な基本事項を詳しく解説した。続いて,それらの応用として,非相対論的場の理論の例として,超伝導や超流動,相対論的な応用としては,強電場中の粒子生成,ウンルー効果,ブラックホールからのホーキング輻射を取り上げている。
 素粒子物理学で「真空の非自明さ」がもっとも際立っているのは,ヒッグスの物理である。後半では,自発的対称性の破れやヒッグス機構を中心に解説した。本書では,これまでの標準的な量子力学や場の量子論の教科書では扱うことができなかった最新かつ特色のある事例を中心に,量子力学や場の量子論の面白さを伝えることを主眼とした。前半は量子力学を学ぶ進んだ学部上級生から大学院生にも理解できるだろう。また,研究者にとっても,これまでと異なる場の量子論の描像に,意外な発見があるかも知れない。

目次

はじめに 場の量子論を学ぶとは
0.1 相対論的量子力学
0.2 場の量子論とは
0.3 ゲージ対称性
0.4 真空の不安定性
0.5 繰り込み群
0.6 本書の内容
0.7 この教科書に書かれていないこと
0.8 謝辞

第1章 量子力学と調和振動子
1.1 古典力学と変分原理
1.2 正準量子化
1.3 調和振動子とコヒーレント状態
1.4 ウイグナー分布関数
1.5 相空間上の並進演算子D ← D イタリック体
1.6 伏見分布関数
1.7 スクイーズ変換
1.8 スクイーズ変換の繰り返し
1.9 ボゴリューボフ変換
1.10 フェルミオンのボゴリューボフ変換
1.11 時間変化する調和振動子と粒子生成
1.12 断熱近似(WKB近似)
1.13 経路積分
1.14 調和振動子の経路積分
1.15 相互作用による摂動
1.16 相互作用表示
1.17 非定常系の量子力学
1.18 有限温度の量子力学
1.19 コヒーレント状態を使った経路積分
1.20 スピンコヒーレント状態
1.21 まとめ

第2章 多粒子系の量子力学と非相対論的場の量子論
2.1 格子振動の場の理論
2.2 弱く相互作用するボーズ粒子とBEC
2.3 Gross-Pitaevski方程式
2.4 フェルミ流体
2.5 集団運動
2.6 1次元フェルミオンのボソン化
2.7 BCS理論と超伝導
2.8 Ginzburg-Landau理論
2.9 マイスナー効果
2.10 渦糸とジョセフソン効果
2.11 まとめ

第3章 相対論的な場の量子論
3.1 ローレンツ対称性
3.2 自由スカラー場の量子化
3.3 なぜ正振動数解は消滅演算子をもつか?
3.4 伝搬関数
3.5 伝搬関数の性質
3.6 多自由度系の量子力学と場の量子論
3.7 相互作用とファインマン図
3.8 ループのあるファインマン図
3.9 頂点関数とS行列  ← S イタリック体は
3.10 補足:自然単位系
3.11 まとめ

第4章 場の量子論と真空
4.1 ウンルー効果
4.2 Unruh-DeWitt検出器とウンルー効果
4.3 補足:ウンルー効果でのボゴリューボフ係数の導出
4.4 一様電場中の粒子生成:Schwinger効果
4.5 加速する鏡による粒子生成
4.6 ブラックホールからのホーキング輻射
4.7 まとめ

第5章 フェルミ粒子とディラックの海
5.1 電子のスピン
5.2 ディラック方程式
5.3 ディラック方程式の1粒子解
5.4 ディラック場の量子化
5.5 フェルミオンの伝搬関数
5.6 ワイル粒子
5.7 パリティと荷電共役変換
5.8 マヨラナ粒子とマヨラナ質量項
5.9 シーソー機構
5.10 ディラックの海とカイラルアノマリー
5.11 グラスマン数とフェルミオンの経路積分
5.12 ディラック場の経路積分
5.13 まとめ

第6章 対称性とゲージ場の量子化
6.1 位相変換と粒子数保存則
6.2 対称性と保存則
6.3 大局的な時空対称性
6.4 アーベル型ゲージ場理論
6.5 局所的対称性と保存則
6.6 ゲージ対称性とガウスの法則
6.7 アハラノフ・ボーム効果
6.8 ゲージ場の量子化
6.9 共変ゲージでの経路積分量子化
6.10 接続の理論としての非可換ゲージ対称性
6.11 非可換ゲージ場の量子化
6.12 まとめ

第7章 有効作用
7.1 有効作用と1PI図
7.2 ループ展開
7.3 有効作用の1ループ展開と鞍点近似
7.4 質量項のある実スカラー場の1ループ有効作用
7.5 1ループ有効作用とCW機構
7.6 タッドポールを使った有効作用の計算方法
7.7 スカラー量子電磁力学
7.8 波動関数の繰り込みとLee模型
7.9 繰り込み群で改善された有効ポテンシャル
7.10 まとめ

第8章 電弱理論とヒッグスの場の理論
8.1 標準模型
8.2 標準模型とヒッグス場
8.3 対称性の自発的破れとヒッグス機構
8.4 電磁場の質量とゲージ不変性
8.5 フェルミ場の質量生成
8.6 ヒッグス粒子の発見の意義(お話)

参考文献
索  引