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研究者が教える動物飼育 第2巻―昆虫とクモの仲間― 

書籍情報
シリーズ名研究者が教える動物飼育 全3巻 【2】巻
ISBN978-4-320-05719-7
判型B5 
ページ数242ページ
発行年月2012年05月
本体価格2,800円
研究者が教える動物飼育 第2巻 書影
研究者が教える動物飼育 第2巻

 「生物の飼育を通して知る 命の 尊さ・儚さ・逞しさ!」
 日本人は古くから自然を愛し,自然と共に生きてきた。日本庭園に代表されるように,日本人は自らが存在している場所を自然と区別するのではなく,自然の一部となることを享受していた。ところが,産業革命以来発展を続けた欧米文明の進入の後に富国強兵時代を過ごし,自然と共に生きるのではなく自然を利用することに没頭し,自然破壊を重ねるようになってしまった。巨大エネルギーを必要とする社会構造を構築し,原発事故で象徴される人のコントロールを超えたエネルギー利用にまで手を染めなくてはならない時代を作り上げてしまったのだ。眼前の利益中心の生活が迎える末路は,誰にでも予想できる悲惨なものになる。この現実を乗り越えるために,私たちはあらためて自然とは何かを学ばなければならない。
 自然を学ぶ醍醐味に,動物と共に過ごすという日々がかつてあった。虫篭に入れた虫たちの声に耳を澄ますだけでなく,残酷な形でカエルやザリガニを解剖し,川でフナを釣り山でウサギを追った時代があったのだ。それらの遊びを通し,生き物がもつ生命の淡さと逞しさを知り,生き物の仕組みを体感し,物理学と化学の上になりたった生物の不思議さと生命の尊さも実感できていたのだ。それらが失われた今,どのように自然観を取り戻せばよいか。
 本シリーズは,生物研究にどっぷりと浸かり,生命の仕組みについての研究を続けている研究者が動物の飼育法を語る。95種の動物たちを知り尽くした著者がそれぞれの飼育法について語り,そこに書ききれなかったトピックスなどをコラムとして折り込んでいる。単細胞生物から哺乳類までを一堂に集めた飼育法である。行間にあふれる著者たちの生命に対する畏敬の念を,読者は本書を手に取ったときに感じるだろう。そして,研究者というプロが作り上げたノウハウを,自ら試してみてもらいたい。その方法で動物を飼育したとき,日本人としての自然観と,科学的生命観を学ぶことができるに違いない。飼育を通してのみ見える生命があるのだ。今,本書が出版されることは,自然観が薄らぐ現代においてタイムリーなものであるといえる。日本人が良き自然観を取り戻し,世界に誇れる「生命を大切にする国になること」を祈っている。

目次

ナミハダニ(伊藤 桂)
ハエトリグモ(永田 崇・小柳光正)
コガネグモ(山下茂樹)
トンボ(小神野 豊・椿 宜高)
オオシロアリ(石川由希)
マダガスカルゴキブリ(松本幸久・水波 誠)
チャバネゴキブリ(勝又綾子)
ワモンゴキブリ(渡邉英博)
カマキリ(山脇兆史)
トノサマバッタ(原野健一)
フタホシコオロギ(熊代樹彦)
アメンボ(原田哲夫)
エンドウヒゲナガアブラムシ(石川麻乃)
ツチカメムシの仲間(弘中満太郎)
セミ(森山 実)
カブトムシ(荒谷邦雄)
クワガタムシ(荒谷邦雄)
ゲンジボタル(堀口弘子)
ゴミムシダマシ(市川敏夫)
ヨツボシモンシデムシ(西村知良・近 雅博)
アシナガバチ(山崎和久・佐々木 謙)
セイヨウミツバチ(原野健一)
クロオオアリ(小林(城所)碧・近藤佳子・真志田 仁・尾崎まみこ)
ヤマヨツボシオオアリ(佐々木 謙)
カイコガ(峯岸 諒・神崎亮平)
スズメガ(安藤規泰)
ナミアゲハ(若桑基博)
ハマダラカ(前川絵美)
ネムリユスリカ(奥田 隆)
ショウジョウバエ(木村賢一)
ルリキンバエ(志賀向子)
クロキンバエ(前田 徹・尾崎まみこ)

 コラム1 アフリカの昆虫食(八木繁実)
 コラム2 大人の雄は縄張りを示す―体色と行動変化(椿 宜高)
 コラム3 手軽にできる衝突実験(山脇兆史)
 コラム4 バッタの群生相化(田中誠二)
 コラム5 都市のセミの謎(沼田英治)
 コラム6 ミツバチの驚異の視覚情報処理能力と8の字ダンス(佐々木 謙)
 コラム7 仲間識別感覚―社会性昆虫の絆(近藤慶太)
 コラム8 昆虫のフェロモン研究―カイコにまつわる因縁(竹田 敏)
 コラム9 海を越えてやってくる害虫たち(藤條純夫)
 コラム10 アフリカの大地から宇宙に旅立ったネムリユスリカ(奥田 隆)
 コラム11 ♂の脳と♀の脳―ショウジョウバエの性行動(木村賢一)
 コラム12 吻伸展反射―昆虫の味覚と摂食行動(寺嶋沙樹)

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