カーネル法によるパターン解析

書籍情報
ISBN978-4-320-12250-5
判型A5 
ページ数624ページ
発行年月2010年05月
本体価格6,800円
カーネル法によるパターン解析 書影
カーネル法によるパターン解析

統計的な学習の先駆けであるサポートベクターマシンは1992年の発表後,多くの研究者を魅了してきた。しかし,このサポートベクターマシンは教師あり学習によりクラス分類問題と回帰問題を解くことに限られる。本書で取り上げられるカーネル法は,サポートベクターマシンの特徴の一つであるカーネルに注目してこの可能性をさらに大きく広げる。近年急激に研究が進展し,数多くのカーネル法が生み出
だされた。
 本書は,このカーネル法によるパターン解析を身近に学べる入門書である。学生や研究者を対象として,必要な概念や数学を詳しく説明しながら,パターン解析の具体的な目標(バイオインフォマティクス,テキスト解析,画像解析などのタスク)を持つ読者に対して,それを解くアルゴリズムとカーネルのツールキットを多くのMATLABのコードとともに提供する。
 本書の具体的な特徴のひとつは,ここ6,7年で発表されたカーネル法で重要と思われるものを少なくとも80種,片っ端から集めている点である。しかも,これらを著者らの観点で一貫した書き方で紹介したカーネル法の「辞典」になっている。
 もうひとつは,カーネル法が統計的な学習であることを再確認すべく,これらのカーネルを「パターン安定性」という最新の指標で誤差限界を性能評価している。しかも,サポートベクターマシンのカーネルの性能評価も含むものである。これらのことにより,カーネル法が統計的な学習法であるということを非常に強調したスタイルとなっている。
(原著:Kernel methods for pattern analisys,John Shawe-Taylor,Nello Cristianini,Cambridge Unversity Press,2004)

目次

第I部 基本概念
第1章 パターン解析
1.1 データ内のパターン
1.2 パターン解析アルゴリズム
1.3 パターンの探究
1.4 まとめ
1.5 さらなる文献と話題

第2章 カーネル法:概略
2.1 鳥瞰図
2.2 特徴空間での線形回帰
2.3 その他の例
2.4 カーネル法のモジュール性
2.5 本書のロードマップ
2.6 まとめ
2.7 さらなる文献と話題

第3章 カーネルの特性
3.1 内積と半正定値行列
3.2 カーネルの特徴づけ
3.3 カーネル行列
3.4 カーネル構築
3.5 まとめ
3.6 さらなる文献と話題

第4章 安定した特徴の検知
4.1 凝集不等式
4.2 容量と正則化:ラドマッハ定理
4.3 カーネルに基づくクラスのパターン安定性
4.4 実践的なアプローチ
4.5 まとめ
4.6 さらなる文献と話題

第II部 パターン解析のアルゴリズム
第5章 特徴空間における基本アルゴリズム
5.1 平均,距離
5.2 射影:グラム=シュミット法,QR法,コレスキー法
5.3 データの広がり
5.4 フィッシャー判別分析I
5.5 まとめ
5.6 さらなる文献と話題

第6章 固有値分解を用いたパターン解析
6.1 特異値分解
6.2 主成分分析法
6.3 共分散を最大化する方向
6.4 一般固有ベクトル問題
6.5 正準相関分析法
6.6 フィッシャー判別分析II
6.7 線形回帰を行う方法
6.8 まとめ
6.9 さらなる文献と話題

第7章 凸最適化を用いたパターン解析
7.1 最小半径の超球
7.2 サポートベクターマシンによるクラス分類
7.3 サポートベクターマシンによる回帰
7.4 オンラインクラス分類とオンライン回帰
7.5 まとめ
7.6 さらなる文献と話題

第8章 ランクづけ,クラスタリング,データの視覚化
8.1 ランクづける関係の発見
8.2 特徴空間におけるクラスタ構造の発見
8.3 データの視覚化
8.4 まとめ
8.5 さらなる文献と話題

第III部 カーネルの構築
第9章 基本的なカーネルとその種類
9.1 閉形式のカーネル
9.2 ANOVAカーネル
9.3 グラフからのカーネル
9.4 グラフノード上の拡散カーネル
9.5 集合上のカーネル
9.6 実数上のカーネル
9.7 ランダム化カーネル
9.8 その他のカーネル
9.9 まとめ
9.10 さらなる文献と話題

第10章 テキストに対するカーネル
10.1 単語集合モデルから意味空間モデルへ
10.2 ベクトル空間カーネル
10.3 まとめ
10.4 さらなる文献と話題

第11章 構造化データに対するカーネル:文字列,木など
11.1 文字列と列の違い
11.2 スペクトルカーネル
11.3 全部分列カーネル
11.4 固定長部分列カーネル
11.5 ギャップ加重部分列カーネル
11.6 動的計画法を超えて:トライ木に基づくカーネル
11.7 構造化データに対するカーネル
11.8 まとめ
11.9 さらなる文献と話題

第12章 生成モデルからのカーネル
12.1 Pカーネル
12.2 フィッシャーカーネル
12.3 まとめ
12.4 さらなる文献と話題

付録A 証明補遺
A.1 マクダーミドの定理の証明
A.2 主成分分析の安定性
A.3 拡散カーネルの証明

付録B 本書での表記法
B.1 記号の一覧
B.2 表における表記法

付録C パターン解析法の一覧
C.1 パターン解析法の計算
C.2 パターン解析アルゴリズム

付録D カーネルの一覧
D.1 カーネルの定義と計算
D.2 カーネルアルゴリズム

付録E 本文を補遺するMATLAB/Pythonコード
E.1 構造化データに対するカーネル:文字列,木など