Common Lisp オブジェクトシステム―CLOSとその周辺―
書籍情報ISBN | 978-4-320-12254-3 |
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判型 | B5 |
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ページ数 | 334ページ |
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発行年月 | 2010年08月 |
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本体価格 | 5,000円 |
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- Common Lisp オブジェクトシステム 書影

1988年11月に「bit 別冊」として刊行された書を復刊。本書は,CLOS(Common Lisp Object System)と呼ばれるCommon Lispのオブジェクト指向機能に関するものである。その概要と仕様について著している。また,他のオブジェクト指向機能との位置を知ることは重要と思われるので,共通例題を幾つかの言語で記述することも試みている。
≪復刊に際して≫
1989年,それはCommonLispを最新の世代の言語として磨きあげようと,米国では標準化のためのX3J13委員会があり,日本では当時の(社)電子協の中に委員会が作られ,日米でホットな活動が続けられた年だった。井田はそれらにいずれにも正式なメンバーあるいは委員長として関与していた。この活動は,単に標準化ではまったくなく,新しい時代のためにLisp言語の仕様をどのように発展させるかという研究上の多くの課題に取り組んだ活動でもあった。このため,当時の新進気鋭の研究者・開発者が集まり,明日の時代のために大きなうねりを作っていた。このことが正当な認識であるということは,今回の復刊が裏づけてくれるものと信じている。21年も前の技術書に対して,復刊の希望が根強く存在していたというのは驚くべきことであろう。著者らを代表して,この復刊を期待してくれた多数の方々ならびに出版社に感謝する次第である。
当時の文を読み返してみると不十分な部分も見られるが,それらもそのままの形で出すということで出版社と合意した。あのbit誌の別冊として作られたままにである。また,当然20年あまりの時代の変化によって部分的には古くなっている部分もあることは認めたい。同時に,多くの記述が現在の当該分野に関わる,あるいは関わろうとしている人たちにも,今でも新しい刺激と導入を与えてくれるものであると信じたい。
2010年7月
著者・編者を代表して井田昌之