量子プログラミングの基礎

書籍情報
ISBN978-4-320-12405-9
判型A5 
ページ数456ページ
発売日2017年04月11日
本体価格6,500円
量子プログラミングの基礎 書影
量子プログラミングの基礎

新刊

本書は量子プログラミング分野について詳細かつ体系的な解説を与えることを意図している。特定の言語や技術に焦点を当てるよりも,基本的な概念,手法,数学的ツールに重点を置く。量子力学と量子計算の基本的知識から始めて,さまざまな量子プログラムの構成要素や一連の量子プログラミングモデルを詳しく紹介し,さらに量子プログラムの意味論や論理,検証解析技術を体系的に論じる。プログラミング言語に通じた人が理解しやすいよう,詳細を具体的に提示して可能な限り自己完結するように努めた。
[原著:Foundations of Quantum Programming, Elsevier, 2016]

目次

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 I 量子プログラミングの概要と準備
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1 はじめに
 1.1 量子プログラミング研究のおおまかな歴史
  1.1.1 量子プログラミング言語の設計
  1.1.2 量子プログラミング言語の意味論
  1.1.3 量子プログラムの検証と解析
 1.2 量子プログラミングへのアプローチ
  1.2.1 データの重ね合わせ―古典的制御をもつ量子プログラム
  1.2.2 プログラムの重ね合わせ―量子的制御をもつ量子プログラム
 1.3 本書の構成

2 予備知識
 2.1 量子力学
  2.1.1 ヒルベルト空間
  2.1.2 線形作用素
  2.1.3 ユニタリ変換
  2.1.4 量子測定
  2.1.5 ヒルベルト空間のテンソル積
  2.1.6 密度作用素
  2.1.7 量子操作
 2.2 量子回路
  2.2.1 基本的定義
  2.2.2 1量子ビットゲート
  2.2.3 制御ゲート
  2.2.4 量子マルチプレクサ
  2.2.5 量子ゲートの万能性
  2.2.6 回路中での測定
 2.3 量子アルゴリズム
  2.3.1 量子並行性と量子干渉
  2.3.2 ドイチュ-ジョザのアルゴリズム
  2.3.3 グローバーの探索アルゴリズム
  2.3.4 量子ウォーク
  2.3.5 量子ウォーク探索アルゴリズム
  2.3.6 量子フーリエ変換
  2.3.7 位相推定
 2.4 文献等についての補足

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 II 古典的制御をもつ量子プログラム
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3 量子プログラムの構文と意味論
 3.1 構文
 3.2 操作的意味
 3.3 表示的意味
  3.3.1 意味関数の基本性質
  3.3.2 量子プログラムの意味領域
  3.3.3 ループの意味関数
  3.3.4 量子変数の変更とアクセス
  3.3.5 停止確率と発散確率
  3.3.6 量子操作としての意味関数
 3.4 量子プログラミングにおける古典的再帰
  3.4.1 構文
  3.4.2 操作的意味
  3.4.3 表示的意味
  3.4.4 不動点による特徴づけ
 3.5 例を用いた説明:グローバーの量子探索
 3.6 補題の証明
 3.7 文献等についての補足

4 量子プログラムの論理
 4.1 量子述語
  4.1.1 量子最弱事前条件
 4.2 量子プログラムのフロイド-ホーア論理
  4.2.1 正当性論理式
  4.2.2 量子プログラムの最弱事前条件
  4.2.3 部分正当性の証明系
  4.2.4 全正当性の証明系
  4.2.5 例による説明:グローバーのアルゴリズムの正当性
 4.3 量子的最弱事前条件の可換性
 4.4 文献等についての補足

5 量子プログラムの解析
 5.1 量子的whileループの停止性の解析
  5.1.1 ユニタリ変換を本体とする量子的whileループ
  5.1.2 一般の量子的whileループ
  5.1.3 平均実行時間の計算例
 5.2 量子グラフ理論
  5.2.1 基本的定義
  5.2.2 底強連結成分
  5.2.3 状態ヒルベルト空間の分解
 5.3 量子マルコフ連鎖の到達可能性解析
  5.3.1 到達可能性確率
  5.3.2 反復到達可能性確率
  5.3.3 永続性確率
 5.4 補題の証明
 5.5 文献等についての補足

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 III 量子的制御をもつ量子プログラム
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6 量子的場合分け文
 6.1 古典的場合分け文から量子的場合分け文へ
 6.2 量子的場合分け文をもつ言語QuGCL
 6.3 量子操作のガード付き合成
  6.3.1 ユニタリ作用素のガード付き合成
  6.3.2 作用素値関数
  6.3.3 作用素値関数のガード付き合成
  6.3.4 量子操作のガード付き合成
 6.4 QuGCLプログラムの意味論
  6.4.1 古典的状態
  6.4.2 QuGCLの準古典的意味論
  6.4.3 純粋量子的意味論
  6.4.4 最弱事前条件の意味論
  6.4.5 例
 6.5 量子選択
  6.5.1 古典的選択から確率的選択を経て量子選択へ
  6.5.2 確率的選択の量子的実装
 6.6 代数的規則
 6.7 例による説明
  6.7.1 量子ウォーク
  6.7.2 量子位相推定
 6.8 考察
  6.8.1 量子操作のガード付き合成の係数
  6.8.2 部分空間をガードとする量子的場合分け文
 6.9 補題,命題,定理の証明
 6.10 文献等についての補足

7 量子的再帰
 7.1 量子的再帰プログラムの構文
 7.2 再帰的量子ウォーク
  7.2.1 再帰的量子ウォークの仕様
  7.2.2 いかにして量子的再帰式を解くか
 7.3 第二量化子
  7.3.1 多粒子状態
  7.3.2 フォック空間
  7.3.3 フォック空間の観測量
  7.3.4 フォック空間の時間発展
  7.3.5 粒子の生成と消滅
 7.4 自由フォック空間における再帰式の解
  7.4.1 自由フォック空間の作用素の意味領域
  7.4.2 プログラム図式の意味汎関数
  7.4.3 不動点を用いた意味論
  7.4.4 構文的近似
 7.5 対称性および反対称性の回復
  7.5.1 対称化汎関数
  7.5.2 量子的再帰プログラムの意味関数の対称化
 7.6 量子的再帰の主量子系の意味論
 7.7 例による説明:再帰的量子ウォーク
 7.8 (量子的制御をもつ)量子的whileループ
 7.9 文献等についての補足

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 IV 今後の展望
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8 今後の展望
 8.1 量子プログラムと量子機械
 8.2 量子プログラミング言語の実装
 8.3 関数型量子プログラミング
 8.4 量子プログラムの圏論的意味論
 8.5 並列量子プログラムから量子的並列性へ
 8.6 量子プログラミングにおける量子もつれ
 8.7 量子系のモデル検査
 8.8 物理学への量子プログラミングの適用

参考文献

索引