一覧に戻る △翌月号 ▽先月号
 
2003年 5月号
Vol.48 No.6
4月22日発売
定価1,580円
(本体1,505円)


特集 DNA二重らせん構造の半世紀(2)
  編集:本誌編集委員会

 
■Essay  
  • ことはじめ 富澤純一
  • Double helix雑感 森川耿右
  • Chargaff博士がDNA二重らせん構造に与えた影響,そして私が得たこと 三浦謹一郎
  • 素人を惹きつけるDNA 藤吉好則
  • DNAのしっぽ 小川英行
  • DNA研究に明け暮れた私の40年 小川智子
  • DNAからゲノムへ,そしてゲノム人間学へ 榊 佳之
  • ゲノムはなぜDNAなのか? 小原雄治
  • 枯草菌のゲノム研究,微生物のゲノム研究 小笠原直毅
  • DNAとわたくしのつきあい――単一分子を観察するころまで 柳田充弘
  • DNAの末端 廣川秀夫
  • 複製プライミングからサイトカインネットワークへ 新井賢一
  • 価値判断のあやまり 富澤純一
  • 科学は変質したか 村上陽一郎
  • 日本発の研究 岡田典弘
  • 相同DNA組換えと進化促進・進化抑制――DNA二重らせんの2つの顔 柴田武彦
 
   

■Review

 
 
   
■Short Review  
 

 

 
■ゲノム情報  
 
   
■Fraction Collector  
  • ビタミンCリッチなイチゴをつくろう
  • 蛋白質のフォールディング機構の完全解明!?――変性状態こそが決定因子である
  • うす化粧がいいのかしら?――C型肝炎化学療法へ向けて
  • 心肥大は心不全の前段階か
  • インスリン様増殖因子1の受容体が寿命を制御する
 
   
■シリーズ あなたにも役立つバイオインフォマティクスII  
 
   
■シリーズ 科研費のしくみ  
  • (5)若手研究,萌芽研究,研究の倫理の問題 小林 靖
 
   
■学会見聞記  
  • 第1回 感染症若手研究者沖縄フォーラム 金子 修
 
   
■PNE chips  
  • 飲み屋の議論を昼間やる?「細胞生物学会フリーミーティング」 寺崎朝子
 
   
■Cuvette  
  • 科学ジャーナリズム変革宣言(4) 
 

 



●Review●

DNA二重らせん構造の歴史――発見,実証,展望
西村善文

1953年にWatsonとCrickは,相補的な塩基対でペアとなった二重鎖が逆平行で右巻きらせんをとったDNA構造のモデルを発表した.このモデルに関して多くの研究者が原子レベルでの証明を試みたが,特異的な塩基対で初めて実証されたのはHoogsteen型であり,DNA二重らせんで初めて原子レベルで解明されたのは左巻きのZ型DNAである.しかし,結果的には細胞内のDNAの基本構造はWatson‐Crickが準拠し,Franklinが発見したB型構造である.その他の多くの多様なDNA構造に関しては,複製,転写,組換え,修復などでDNAが機能するときにB型構造が変形して一過的に出現する可能性が指摘されている.

Key words【Watson-Crick型】【Hoogsteen型】【B型構造】【A型構造】【Z型構造】【H構造】【グアニン四重らせん】

A historical view of the double helix:Its discovery, proof and prospect        


不連続複製機構を紡いだ日々
岡崎 恒子

不連続複製機構の研究はin vivoとin vitroにおけるDNA鎖の伸長方向の謎の解決をめざして1960年代に始められた.岡崎フラグメントの発見,DNAリガーゼやDNAポリメラーゼの関与するフラグメント相互の連結,岡崎フラグメントの合成方向,RNAプライマーによる開始機構などが明らかになる過程を時代背景とともに記す.

Key words【岡崎フラグメント】【ラギング鎖合成】【プライマーRNA】

Days devoted to elucidate the mechanism of discontinuous DNA replication


相同的DNA組換え中間体ホリデイ構造の解離の機構
品川日出夫

相同的DNA組換えは,減数分裂期においてはゲノム情報の多様化に貢献し,体細胞分裂期にはゲノム安定性の維持に必須の役割を果たしている.組換え反応は二重鎖切断によって開始され,相同な二重鎖が単鎖DNAの交差によって結合された,いわゆるホリデイ構造の形成とその解離がエッセンスである.本稿ではホリデイ構造の形成に中心的な役割を果たすRecA蛋白質の想像をこえた多様な機能とホリデイ構造の解離に関与するRuvABC蛋白質の機能の解明のエピソードを述べる.さらに組換え機能の複製における重要性についての最近の問題提起に言及する.

Key words【ホリデイ構造】【RecA蛋白質】【組換え】【RuvABC蛋白質】【SOS応答】

From SOS responses to the mechanism of Holliday junction resolution by RuvABC proteins

●Short Review ●

グルタミン(N5)メチル化酵素の発見とその役割HemKによるポリペプチド解離因子のメチル化
中東憲治・井口八郎

遺伝学的解析によりポルフィリン生合成に関与する酵素として発見され,その後,構造からはアデニン(N6)メチル化酵素と予測されていた大腸菌HemKは,そのどちらでもなくポリペプチド鎖終結因子をメチル化する蛋白質メチル化酵素であることが明らかになった.この発見に伴い,真正細菌,古細菌,真核生物すべてに存在するHemKに相同性のある蛋白質の一群は,これまで明らかになっていなかった蛋白質グルタミン側鎖のアミノ基をメチル化する酵素ファミリーである可能性が出てきた.HemKは,基質であるポリペプチド鎖終結因子の分子擬態に“騙され”て核酸からRNAへと基質をスイッチしたのかもしれない.

Key words【蛋白質メチル化】【ポリペプチド解離因子】【グルタミンN5】

Identification and function of protein glutamine(N5)methyl transferase


ペプチド・ビルトイン型キノン補酵素研究の新展開
   ――酵素の多彩な触媒機能発現のための“しかけ”を探って

岡島俊英・谷澤克行

酵素蛋白質が多彩な触媒機能を発揮するためには補酵素が必要である.ペプチド・ビルトイン型補酵素は,ビタミン由来の補酵素と異なって,蛋白質を構成するアミノ酸残基が特異的な翻訳後修飾を受けて生成する.ビルトイン型補酵素を形成するために蛋白質はさまざまな戦略を用いている.筆者らは最近,アミンオキシダーゼに含まれるビルトイン型補酵素,トパキノンが銅イオン依存的に自動的に生成する過程を時間分割X線結晶解析により追跡し,その過程における活性部位の構造変化を明らかにした.他方,新しいビルトイン型キノン補酵素,システイントリプトフィルキノン(CTQ)をキノヘムプロテイン・アミンデヒドロゲナーゼに見いだした.CTQを含有する小さなサブユニットは,3個の新規な分子内チオエーテル架橋によりきわめて特異な構造をもっていた.ペプチド・ビルトイン型キノン補酵素に関する研究は,急速に新たな展開を見せている.

Key words【ビルトイン型補酵素】【翻訳後修飾】【X線結晶解析】

New progress in researches of peptidyl built-in cofactors

●ゲノム情報●

ゲノム・トランスクリプトーム解析による遺伝子同定――マウスを中心にして
鈴木祥悟・近藤伸二・林崎良英

2002年12月,ヒトの疾患研究において重要なモデル生物であるマウスのゲノムとトランスクリプトームの解読・解析結果が同時に発表された.筆者らの研究グループのトランスクリプトーム解析は,ゲノムから転写される遺伝子配列を含む全転写産物の大規模解析である.膨大なゲノム情報のなかから蛋白質をコードする遺伝子配列を同定することは,ゲノム配列からだけでは非常に困難であり,トランスクリプトーム解析が有力な手段となる.本稿では,遺伝子同定に着目し,同一生物種のゲノム情報とトランスクリプトーム情報の相乗効果がつくり出すライフサイエンスのプラットフォームについて述べる.

Key words【ゲノム】【トランスクリプトーム解析】【マウス完全長cDNA】【遺伝子同定】

Identification of the genes by mouse genome and transcriptome analysis

●シリーズ あなたにも役立つバイオインフォマティクスII ●

疾患遺伝子の統合データを活用する
大坪正史・渋谷和憲・工藤 純・蓑島伸生・清水信義

“遺伝性疾患”の原因となる“遺伝子の異常”が明らかになってきた.その最新の情報を与えるのが遺伝子変異データベースである.本稿ではMutationViewを中心に,疾患情報やその他の情報資源について概説する.

An integrated database for mutations in disease genes:MutationView/KMDB

*掲載URL一覧 アクセスはこちらから

上に戻る

 

Copyright (C) 2003 , KYORITSU SHUPPAN CO., LTD.