動物の多様な生き方 2
動物の生き残り術:行動とそのしくみ
(ISBN978-4-320-05688-6)
担当編集委員:酒井正樹
A5,262頁(カラー2頁),3500円


●内容
 動物は何のために生きているのか。生物学では,それは自分の遺伝子を残すためであるということになっている。この目的を遂行するため,動物は多かれ少なかれ,ワンセットの行動レパートリーをもっている。移動し,探し,襲い,食う。また,逃げ,隠れ,だまし,ときには変身することもある。そして,交信し,つがい,すみかをつくり,さらには協力し合い,社会的絆をつくることもある。こうした行動は,彼らの生活圏の物理的環境,また餌や天敵などの生物的環境と深く関わっており,各レパートリーには驚くべき多様性がみられる。

 本書『動物の生き残り術』では,13の行動レパートリーとしくみが紹介される。登場する動物はおもに節足動物である。彼らは,シンプルな体制をもちながらも地球上で最も繁栄を誇っており,行動の多様性においてはほかを凌駕している。彼らから得られる知識は,ヒトを含む高等動物の行動メカニズム解明に大いに参考となるし,また工学的応用へのヒントにもなりうる。

 本書では,行動生物学・神経行動学のエッセンスを,現在活躍中の若手・中堅の方々に紹介いただいた。それぞれの分野は,研究の進展度によって,メカニズムの解明が行動レベルにとどまっているものもあれば,神経レベルに迫るものもある。しかし,いずれにおいても,話題は基礎から最新の知見にまで及んでいる。この本が刺激となって,読者の動物行動への興味がふくらみ,さらにそのしくみへの関心が高まるとしたら,執筆者一同,このうえない喜びである。
(序文より抜粋)


まえがき (PDFファイル)

●目次 (詳細目次 PDFファイル)
第1章 探索 ――まずは探すことから・・・岡田二郎
第2章 攻撃 ――1回の食事を得るにも一苦労・・・山脇兆史
第3章 逃避 ――逃げるが勝ち・・・加納正道
第4章 擬死 ――むだな抵抗はやめよう・・・西野浩史
第5章 交尾 ――始まったらもう止められない・・・酒井正樹
第6章 摂食 ――ハングリーではいられない・・・朝岡 潔
第7章 寄生 ――主が服を脱ぐとき・・・伊谷 行
第8章 清掃 ――もしも,それをしなかったら…・・・熊代樹彦・酒井正樹
第9章 建築 ――安らぎの我が家づくりも楽じゃない・・・中田兼介
第10章 変身 ――生き残るためのモデルチェンジ・・・佐々木 謙
第11章 定位 ――何をたよりにめざすのか・・・弘中満太郎
第12章 通信 ――会話はボデイーランゲージで・・・藍 浩之
第13章 社会的絆 ――おしゃべりはケミカルで・・・石田裕幸・尾崎まみこ
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