ツイスターの世界−時空・ツイスター空間・可積分系−
(ISBN4-320-01784-6)
高崎金久 著
A5,280頁,4300円
●内容
「ツイスター理論」は数理物理学の奇才ロジャー・ペンローズ(R. Penrose)によって相対論的時空と場の新しい記述方式として1960年代後半に創始され、今日までに数学(幾何学、表現論、微分方程式、可積分系など)と物理学の両面で様々な成果を生み出している。その研究の前線は可積分系や超弦理論などの先端的な分野とも影響を及ぼし合いながら、現在も着実に発展しつつある。他方、その基礎の部分は数学的内容と物理的内容がほどよく混合した優れた教材と見ることができる。
本書は、ツイスター理論に関する日本語での初の本格的な解説書として、本来の姿からその後の様々な進展までを1冊の本におさめようというものである。過度の厳密性よりも鍵となるアイディアを伝えることに、また一般性を追求するよりも典型的な場合に焦点を絞る
ことにより、多彩な内容をわかりやすくまとめている。さらに、本文中では取り上げられなかった話題に関しても参考文献を豊富に紹介して読者の便宜を図っている。
●目次
第1章 ミンコフスキー時空と自由場の方程式
- 1 ミンコフスキー時空
- 2 スピナー算法
- 3 スピナー形式の自由場の方程式
第2章 ツイスター誕生
- 1 ツイスター誕生の背景
- 2 ナル直線とナルツイスター
- 3 ツイスター空間
- 4 時空の再解釈
- 5 時空とツイスター空間の幾何学的対応
- 6 無質量自由場の積分表示
第3章 層と複素多様体
- 1 集合の層
- 2 代数構造をもつ層
- 3 複素多様体上の函数・微分形式の層
- 4 局所自由層と正則線形束
- 5 射影空間とグラスマン多様体
第4章 層係数コホモロジーとペンローズ変換
- 1 チェックコホモロジー
- 2 連結写像と長完全系列
- 3 その他の一般的性質
- 4 斉次正則函数の層のコホモロジー
- 5 ペンローズ変換のコホモロジー的定式化
第5章 ゲージ場のツイスター理論
- 1 ユークリッド時空上のヤン-ミルズ方程式
- 2 反自己双対方程式と複素構造
- 3 インスタントン解のADHM構成法
- 4 複素時空上の反自己双対方程式
- 5 ウォード変換
第6章 重力場のツイスター理論
- 1 曲がった時空を記述する枠組み
- 2 スピナー接続と反自己双対方程式
- 3 共形的反自己双対時空のツイスター的記述
- 4 右平坦時空のツイスター的記述
- 5 リーマン-ヒルベルト問題としての定式化
参考文献
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