プラズモンの化学

プラズモンの化学
著者 日本化学会 編上野 貢生 著三澤 弘明 著
分野 化学・化学工業  > 物理化学  > 化学発光
化学・化学工業  > 工業化学  > 無機材料
シリーズ 化学・化学工業  > 化学の要点シリーズ 29
発売日 2019/02/26
ISBN 9784320044708
体裁 B6・122頁
定価 2,090円 (本体1,900円 + 税10%)
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 プラズモンは、現在、光化学の中で間違いなく最もホットなトピックのひとつである。化学を学ぶ読者の方であっても「プラズモン」と聞いて直ぐにステンドグラスを思い浮かべる人はあまりいないだろう。透明なガラスの中にちりばめられた金のナノ微粒子が示すプラズモンという現象がステンドグラスを綺麗に発色させている。そのように古くから知られているプラズモンがなぜ最新の光化学なのか、ということを平易に解説したのが本書である。
 光が金のナノ微粒子に当たると表面の自由電子が光と共鳴して集団振動する。これがプラズモンであるが、この電子の振動運動が微粒子表面に「近接場」と呼ばれる新たな光を生み出す。振動運動は当てられた光が通り過ぎてもしばらく続くので、近接場は金のナノ微粒子に時間的、空間的に閉じ込められ、新たなナノ光源となって近くの分子を効率良く励起する。これにより、分子の蛍光やラマン散乱が増強するため、バイオ分野における応用が進んでいる。また、電子の集団振動は時間とともにばらけてくる。このときに金のナノ微粒子自身が励起され、ホットエレクトロンとホットホールと呼ばれるエネルギーの高い電子と正孔が生成される。これらを分離して利用すれば、酸化還元反応が誘起される。
 本書では、プラズモンの原理や金ナノ微粒子の作製方法に加えて、プラズモンによる水の完全分解や空中窒素固定によるアンモニア合成などの応用例も取り上げている。
第1章 プラズモンとは?
1.1 ステンドグラスもプラズモン!
1.2 あのFaradayがステンドグラス発色の謎を解いた

第2章 局在表面プラズモンとその光反応場としての有用性
2.1 金ナノ微粒子の自由電子とプラズモン共鳴
2.2 プラズモン共鳴
2.3 局在プラズモン共鳴における許容および禁制な遷移
2.4 プラズモン共鳴スペクトル
2.5 プラズモン共鳴と近接場
2.6 プラズモンの位相緩和
2.7 プラズモン共鳴の光化学への展開

第3章 金ナノ構造体の作製方法
3.1 化学的合成法による金属ナノ微粒子の作製
3.2 電子ビームリソグラフィによる金ナノ構造体の作製

第4章 金ナノ微粒子を光反応場として用いたプラズモン誘起光化学反応
4.1 同時二光子吸収と通常光源によりそれを可能にする光反応場
4.2 プラズモン誘起同時二光子吸収によるフォトクロミック反応
4.3 プラズモン誘起同時二光子吸収による光重合反応
4.4 近接場を用いたナノリソグラフィ

第5章 プラズモン共鳴を用いた光電変換システム
5.1 金ナノロッド構造を担持した酸化チタン光電極の光電変換特性
5.2 水を電子源とするプラズモン誘起光電変換
5.3 金/酸化チタン界面構造が光電変換特性に与える影響

第6章 プラズモン共鳴を用いた人工光合成
6.1 プラズモン誘起水分解反応
6.2 プラズモン誘起アンモニア合成システム
6.3 プラズモン共鳴を利用した人工光合成の高効率化に向けて

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