ベクトル解析入門
―初歩からテンソルまで―
基本編では、ベクトルの概念からはじめ、ベクトル値関数の微積分とその応用としてのフルネ・セレーの定理や、曲面の基本形式・曲率について解説する。次に、力学や電磁気学を理解するうえで必要となる、場の概念を導入する。さらに、線積分と面積分について解説し、グリーンの定理やガウスの定理などの積分定理を扱う。物理学への応用についても一つの章を当てて紹介する。
発展編では、3次元曲面のもつ幾何的性質を紹介する。微分形式・リーマン計量・テンソルを導入し、計量とテンソルの応用としてシュヴァルツシルトによるアインシュタインの重力場方程式の解法を解説する。
第1章 ベクトルの基礎と内積・外積
1.1 スカラーとベクトル
1.2 内積
1.3 外積
第2章 ベクトル値関数の微積分と曲線・曲面
2.1 ベクトル値関数の微積分
2.2 2次元平面内の曲線
2.2.1 2次元のフルネ・セレーの定理
2.2.2 4頂点定理
2.2.3 フェンヒェルの定理
2.3 3次元空間内の曲線
2.4 曲面の性質
2.4.1 様々な曲面の例
2.4.2 線素・面素
第3章 スカラー場・ベクトル場と様々な微分
3.1 スカラー場とベクトル場
3.2 方向微分と勾配
3.3 発散・湧き出し
3.4 渦度・回転
第4章 関数の線積分・面積分
4.1 線積分
4.2 面積分
4.3 積分定理
第5章 物理学への応用
5.1 力学
5.2 電磁気学
5.2.1 静電場・ガウスの法則
5.2.2 磁場と定常電流
5.2.3 電流によりつくられる磁場
5.3 その他の物理の場面
発展編:微分幾何学に向けて
第6章 微分形式
6.1 ヤコビ行列式再考
6.2 外積再考
6.3 外微分
6.4 基本形式と外微分形式
6.5 微分形式と構造式
6.6 微分形式の積分
第7章 リーマン計量
7.1 2次元曲面のリーマン計量
7.2 接空間
7.3 共変微分
7.4 測地線
7.5 2点間の最短距離
第8章 テンソル
8.1 共変ベクトル,反変ベクトル
8.2 共変テンソル,混合テンソル,反変テンソル
8.2.1 2階の共変テンソル
8.2.2 混合テンソル
8.2.3 反変テンソル
8.2.4 高階のテンソル
8.2.5 変数変換からの見方
8.3 クリストッフェルの記号の具体的表示
8.4 一般次元のリーマン計量
8.5 アインシュタインの重力場の方程式
問題略解
この本に出てくる人物
あとがき
参考文献
索 引