コスメティクスの化学
そこで本書では、近年の化粧品・油脂産業界における先端化学知識が手軽に学べることを企図しました。最新の「コスメティクスの化学」の成果が健常な皮膚を支える化粧品づくりに活用されている実際をお伝えします。
第1章ではコスメティクスに使用される原材料の物性を示し、皮膚と肌への有用性を述べます。第2章ではコスメティクスが実際に使用される皮膚の構造と機能について、図を用いてわかりやすく説明します。第3章では近年の科学技術の進展に伴うコスメティクス原材料の変遷を解説します。第4章ではコスメティクスに求められる多様な機能について、バイオテクノロジーとコンピューターを用いた皮膚の角化を制御するような製品開発について解説します。またコラムでは皮膚や化粧品の機能、化粧品開発におけるエポックメイキングな出来事などを取り上げます。
1.1 コスメティクスの使用感とレオロジー
1.2 コスメティクス原料の物性制御
1.3 皮膚・肌に用いるコスメティクスの有用性
参考文献
第2章 コスメティクスが使われる皮膚の構造と機能
2.1 皮膚の構造
2.2 表皮の構造と機能
2.3 真皮の機能
2.4 紫外線とメラニン
2.5 皮膚のpH
参考文献
第3章 コスメティクス用原料の変遷
3.1 油脂誘導体
3.2 アコヤガイ素材より機能性化学物質の誘導:無機・有機化合物
参考文献
第4章 コスメティクスに求められる機能
4.1 美しさと感性―肌と真珠の輝き
4.2 化学構造と予測できるコスメティクス機能
4.3 バイオテクノロジーとコンピューター化学の化粧品原料への影響
4.4 コスメティクス製造技術:ナノ粒子を支える高分子化学と光物理化学
4.5 皮膚角化機能制御を夢見た化粧品開発
4.6 剤型制御で夢の発色
参考文献
おわりに
索 引
コラム
1 化粧品と法律
2 汗と水分蒸散
3 男女の皮膚の違い
4 皮膚と角化
5 皮膚がつくる抗菌タンパク質とバリア機能
6 色の見え方
7 企業に大きなインパクトを与えた夢多き化学者
8 製剤化技術と容器形状と感性色が新ブランドを確立した
9 ブルーエマルションを目指して