データ同化流体科学

―流動現象のデジタルツイン―

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データ同化流体科学
著者 大林 茂 著三坂 孝志 著加藤 博司 著菊地 亮太 著照井 伸彦 編小谷 元子 編赤間 陽二 編花輪 公雄 編
分野 数学  > 統計  > 応用統計学
機械工学  > 流体工学  > 流体力学
物理学  > 力学  > 流体力学
シリーズ 数学  > クロスセクショナル統計シリーズ 10
発売日 2021/01/13
ISBN 9784320111264
体裁 A5・272頁
定価 3,630円 (本体3,300円 + 税10%)
  • この本の
    内容
  • 目次
  • 関連情報
 本書は流体工学の知識を有する理工系学生・技術者を主な対象とし、計測データに基づいて計算機援用工学(CAE)シミュレーションの精度を向上させるデータ同化の基礎から実装、そして、応用までをバランス良く学ぶための教科書である。
 データ同化理論および数値流体力学に関して簡潔に説明したあとで、データ同化アルゴリズムを数値流体力学コードにおいて実装する際の詳細を説明するようにした。特にアンサンブルカルマンフィルタにおけるアンサンブルの推定結果への影響や4次元変分法におけるアジョイントコードの具体的な構築方法など、通常、専門書や論文には十分に記述されないノウハウ的な内容も可能な限り解説した。本書で使用したデータ同化コードはWebサイトから自由に入手できるので、本書の内容と合わせて利用いただくことでデータ同化に対する理解がさらに深まると考えられる。
 機械学習・深層学習の応用分野の広がりによってベイズ推定の有用性が改めて認識されている中で、数値シミュレーションと計測データを使ってベイズ推定を実現するデータ同化は、数値シミュレーションや実験計測に取り組む研究者・技術者にとって問題解決のための新たなアプローチとなりうると期待される。
第I部 基礎編

第1章 流体工学とデータ同化
1.1 数値流体力学と実験流体力学
1.2 データ同化の可能性
1.3 計測データを用いた流れ場の再現
1.4 CFDモデルの改善
1.5 CFDに基づく計測の最適化
1.6 EFD/CFD統合データベース
1.7 CFDにおけるデータ同化の課題
1.8 おわりに

第2章 データ同化理論の導入
2.1 状態空間モデルの構成
2.2 ベイズの定理とそのいくつかの実装
 2.2.1 スカラー変数のシステムモデル
 2.2.2 逐次型ベイズ推定
 2.2.3 変分型ベイズ推定
 2.2.4 サンプリング型ベイズ推定
2.3 逐次型データ同化手法
 2.3.1 アンサンブルカルマンフィルタ
 2.3.2 粒子フィルタ
2.4 変分型データ同化手法
 2.4.1 4次元変分法
 2.4.2 3次元変分法
2.5 サンプリングに基づくベイズ推定
 2.5.1 マルコフ連鎖モンテカルロ法
2.6 関連手法との比較
 2.6.1 逆問題とデータ同化
 2.6.2 制御とデータ同化
 2.6.3 最適化とデータ同化
 2.6.4 手法比較のまとめ
2.7 おわりに

第3章 数値流体力学の導入
3.1 CFDの概要
3.2 CFDの具体例
 3.2.1 2次元?圧縮性流体の?配?程式
 3.2.2 ナビエ・ストークス?程式の離散化
 3.2.3 計算領域と境界条件の設定
 3.2.4 CFD解析の流れと計算結果
3.3 データ同化から?た流体計測
3.4 数値シミュレーションと計測データの不確かさ
3.5 おわりに

第4章 流体現象の逐次型データ同化
4.1 アンサンブルカルマンフィルタの準備
 4.1.1 システムモデル
 4.1.2 観測モデル
 4.1.3 アンサンブルカルマンフィルタ
 4.1.4 双子実験(数値実験)
4.2 周期的な流れ場の推定
 4.2.1 データ同化の問題設定
 4.2.2 推定された流れ場の様子
 4.2.3 データ同化パラメータの影響
 4.2.4 アンサンブルの生成方法
4.3 過渡的な流れ場の推定
 4.3.1 データ同化の問題設定
 4.3.2 推定された流れ場の様子
 4.3.3 アンサンブルカルマンフィルタの工夫
 4.3.4 アンサンブルカルマンスムーザ
4.4 おわりに

第5章 流体現象の変分型データ同化
5.1 4次元変分法の準備
 5.1.1 システムモデル
 5.1.2 観測モデル
 5.1.3 4次元変分法
5.2 アジョイントコードの実際
 5.2.1 アジョイントコードとは
 5.2.2 アジョイントコードの構築
 5.2.3 線形コードおよびアジョイントコードの検証
 5.2.4 評価関数の最小化手法
5.3 周期的な流れ場の推定
 5.3.1 データ同化の問題設定
 5.3.2 推定された流れ場の様子
 5.3.3 データ同化サイクル
5.4 過渡的な流れ場の推定
 5.4.1 データ同化の問題設定
 5.4.2 推定された流れ場の様子
 5.4.3 同化ウィンドウを長くするための工夫
 5.4.4 背景誤差項の効果
5.5 おわりに

第6章 データ同化の高速化
6.1 次元縮約モデル
 6.1.1 流れ場の固有直交分解
 6.1.2 次元縮約モデルの構築
 6.1.3 固有直交分解を用いたアンサンブル生成
6.2 代替モデル
 6.2.1 応答曲面法
 6.2.2 ガウス過程回帰
 6.2.3 マルコフ連鎖モンテカルロ法による移流渦の推定
 6.2.4 アンサンブルカルマンフィルタとガウス過程回帰
6.3 おわりに


第II部 応用編

第7章 計測システムの改善
7.1 システムモデル
7.2 データ同化の問題設定
7.3 4次元変分法を用いた計測点の追加
7.4 可観測性グラム行列を用いた計測点の追加
7.5 最適計測システムの例
7.6 おわりに

第8章 乱流モデルの高度化
8.1 はじめに
8.2 データ同化手法
 8.2.1 拡大状態空間モデル
 8.2.2 システムモデル
 8.2.3 観測モデル
 8.2.4 アンサンブル変換カルマンフィルタ
 8.2.5 データ同化の流れ
8.3 データ同化結果とその検証
 8.3.1 データ同化によるa1の推定結果
 8.3.2 推定したa1の妥当性確認
8.4 おわりに

第9章 航空気象への応用
9.1 はじめに
9.2 航空機の運航に関連する乱気流
9.3 研究背景と目的
9.4 使用するデータセット
9.5 解析の流れ
9.6 フライトデータを用いた解析
 9.6.1 アンサンブル予報の精度評価
 9.6.2 事例解析
 9.6.3 データ同化結果の評価
9.7 おわりに

付  録
あとがき
参考文献
索  引

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