高校で物理を履修しなかった人のための力学
具体的には、1次元の運動から始めて、運動方程式と仕事・エネルギーを含む最小構成で力学の考え方を一通り示した後、ベクトルを用いて3次元の運動を記述する構成となっている。微分・積分とベクトルを同時に導入することを避けたことで、初学者が物理的な概念の理解に専念できるよう配慮している。また、大学初年次の力学の一つの到達点となるケプラー問題までを、なるべく抽象的な概念を用いず、平易かつ具体的な問題を通して最短コースで学習できる。運動量や角運動量などの抽象的な概念は終盤で初めて登場するが、ここでも2つの物体の衝突や、固定軸回りの回転などの具体的な問題が解けることに主眼を置き、高校数学で扱わない行列やベクトルの外積を用いない記述がなされている。
このような多段的な構成によって初学者にとってのハードルを下げ、高校物理未履修者はもちろん、既修者にとってもスムーズに大学の力学に親しめるよう工夫されている。
例題1【位置と速度のグラフ】
例題2【位置,速度,加速度】
2 力
例題3【力の大きさと向き】
例題4【力の合成】
3 運動方程式
例題5【鉛直投げ上げ】
例題6【抵抗力を受ける落体】
4 振動
例題7【鉛直方向の単振動】
例題8【減衰振動】
例題9【強制振動】
5 エネルギーと仕事
例題10【仕事】
例題11【ポテンシャル(重力)】
例題12【ポテンシャル(バネ)】
6 ベクトルによる運動の記述
例題13【等速円運動】
例題14【放物運動】
例題15【力の合成】
7 仕事とポテンシャル
例題16【仕事】
例題17【ポテンシャル】
8 摩擦と束縛運動
例題18【摩擦のある水平面上の運動】
例題19【斜面上の運動】
例題20【単振り子】
9 中心力による運動
例題21【面積速度一定の法則】
例題22【惑星の運動】
10 衝突,運動量,質点系の運動
例題23【床との衝突】
例題24【直線上での2個の物体の衝突】
例題25【バネでつながれた物体の運動】
11 角運動量とトルク
例題26【単振り子に働くトルク】
例題27【角運動量保存の法則】
例題28【質点系の重心とトルク】
12 剛体の運動
例題29【慣性モーメント】
例題30【剛体振り子】