工学系学生のための数学物理学演習 増補版
高校までの数学・物理・化学における学習内容と、大学でのいわゆる数学・物理・化学の内容とでは大きな差があり、特に工学分野では、この3つの科目の区別を明確につけることは非常に困難である。例えば、物理と化学に関しては共通の内容があり、物理化学という科目が存在している。また、数学は物理や化学を理解するためのツールとなる場合が非常に多い。
そこで、本書では、多くの大学生が最初に戸惑うような数学の内容を、厳密性には多少目を瞑って、わかりやすく説明することに重点をおいた。できる限り公式を導出する過程を示し、例題を通してさらに理解が深まるような構成となっている。
初版刊行以来、本書の記載について多くの改善の助言をいただき、修正を行ってきた。今回の増補版出版にあたり、講義等を実施するなかで理解度が不足していると感じた線形写像に関し、行列のランクの概念、連立方程式の解の存在を決定する際に必要となる拡大係数行列のランクについての記載を追加した。
第2章 テイラー展開と収束半径
第3章 微分とロピタルの定理
第4章 積分
第5章 偏微分
第6章 ベクトルの内積・外積と行列
第7章 重積分
第8章 3次元空間における線積分と面積分
第9章 勾配・発散・回転
第10章 1階の常微分方程式
第11章 2階の常微分方程式
第12章 運動方程式
第13章 ルジャンドル変換
第14章 勾配(∇)の応用
第15章 発散(∇・)と回転(∇×)の応用と積分定理
第16章 マックスウェルの方程式
第17章 デルタ関数と微分方程式
第18章 フーリエ級数
第19章 フーリエ積分とフーリエ変換
第20章 偏微分方程式(その1)
第21章 偏微分方程式(その2)
第22章 行列式とランク
第23章 逆行列と連立一次方程式
第24章 固有値と固有ベクトル
第25章 複素関数論
第26章 複素関数の応用
第27章 ラプラス変換とラプラス逆変換
第28章 ラプラス変換の応用