数値相対論と中性子星の合体
本書ではまず、数値相対論の基礎となる一般相対論の方程式、その解法、および一般相対論的運動方程式が紹介される。その後、具体的な応用例として、中性子星同士の合体およびブラックホールと中性子星の合体に関する詳細が紹介される。
本書は、数値相対論に関する国内初の本格的な教科書である。
1.1 重力波とは
1.2 重力波天文学の重要性
1.3 マルチメッセンジャー天文学
1.4 数値相対論とは
第2章 数値相対論の基本方程式
2.1 一般相対論
2.2 一般相対論における重力波
2.2.1 波動方程式としてのアインシュタイン方程式
2.2.2 線形のアインシュタイン方程式
2.2.3 重力波の自由度
2.2.4 重力波の発生
2.3 3+1形式
2.3.1 空間的超曲面と3次元計量(空間計量)
2.3.2 空間的共変微分
2.3.3 外的曲率
2.3.4 ガウス方程式とコダッチ方程式
2.3.5 3+1形式の発展方程式と拘束条件
2.3.6 拘束条件の発展方程式
2.4 BSSN形式
2.5 ゲージ条件
2.5.1 スライス条件
2.5.2 空間ゲージ条件
2.6 初期条件の設定
2.6.1 計量に対する基本方程式
2.6.2 物質場に対する現実的初期条件の与え方
第3章 差分法によるアインシュタイン方程式の解法
3.1 波動方程式の解法
3.1.1 空間微分の差分化
3.1.2 時間積分法
3.1.3 境界条件
3.1.4 クーラン・フリードリッヒ・レヴィ(CFL)条件
3.2 移流方程式の取り扱い
3.3 適合階層格子法
第4章 物質場に対する相対論的運動方程式
4.1 運動方程式の3+1形式
4.2 流体方程式
4.2.1 基本的な場合
4.2.2 物理素過程を考慮した場合
4.2.3 流体方程式に対する数値計算法について
4.3 磁気流体方程式
4.4 粘性流体方程式
4.5 輻射流体方程式
第5章 中性子星連星の合体
5.1 連星中性子星の合体
5.1.1 合体過程と合体後の運命
5.1.2 合体後の進化
5.1.3 物質の放出とその性質
5.1.4 放出される物質中のrプロセス元素合成
5.1.5 キロノバ
5.1.6 高速放出物質に伴う電磁波シグナル
5.1.7 重力波
5.2 ブラックホールと中性子星の合体
5.2.1 合体過程と合体後の運命
5.2.2 物質の放出
5.2.3 重力波
第6章 展望