宇宙物理学

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宇宙物理学
著者 高エネルギー加速器研究機構 監修小玉 英雄 著井岡 邦仁 著郡 和範 著
分野 物理学  > 原子物理  > 宇宙線
シリーズ 物理学  > KEK物理学シリーズ 全7巻 3
発売日 2014/01/25
ISBN 9784320034860
体裁 A5・314頁
定価 4,400円 (本体4,000円 + 税10%)
  • この本の
    内容
  • 目次
  • 関連情報
 KEK素粒子原子核研究所に創設された宇宙物理学理論グループの現在のメンバーが総力を結集して書いた宇宙物理学の教科書。
 素粒子宇宙論、高エネルギー天体物理、宇宙線の全般についてその基礎から最前線の研究までカバーする。
 本書の構成は以下の通りである。まず、序章の第1章では現在の宇宙の姿、宇宙モデル・宇宙進化の基礎事項を概観し、第2章以降で詳しく解説する諸テーマの背景・動機を明らかにする。続く第2章~第5章では、高エネルギー天体現象に関連したテーマを扱う。
 まず、第2章では、天体物理の基礎となる星の構造・進化についてその要点を解説した後、第3章では謎に満ちた壮絶な星の死である超新星爆発とガンマ線バーストについて、第4章では星の死後に生み出される中性子星、ブラックホールの引き起こす驚くべき現象について、最後に第5章では、宇宙からのメッセンジャーである超高エネルギーの宇宙線・光子・ニュートリノや重力波について最新の研究を紹介する。
 次に、後半の第6章~第9章では初期宇宙に関連したテーマを解説する。まず、第6章では現在、宇宙初期を探る最も有用な手段となっている宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の起源について、続く第7章では宇宙初期における元素合成、第8章ではダークマター、バリオン非対称性など宇宙物質の起源について解説する。
 最後に第9章では、ビッグバン宇宙を生み出すメカニズムとして最も有力視されている宇宙のインフレーションについて、その基本的なアイデア、様々なモデル、その観測による検証について詳しく解説する。
第1章 序章 ―宇宙の姿―
1.1 宇宙の階層構造
  1.1.1 ハッブルの法則
  1.1.2 現代の宇宙地図
  1.1.3 宇宙の大規模構造
  1.1.4 銀河団ガスとダークマター
  1.1.5 銀河
  1.1.6 星と星団
  1.1.7 活動的天体
1.2 宇宙モデル
  1.2.1 一様等方宇宙モデル
  1.2.2 宇宙膨張と赤方偏移
  1.2.3 基礎方程式
  1.2.4 簡単な宇宙モデル
  1.2.5 宇宙パラメータの測量
1.3 宇宙進化
  1.3.1 宇宙の物質組成
  1.3.2 熱いビッグバンモデル

第2章 星の誕生と進化 ―重力と核融合の織りなす星の世界―
2.1 星はなぜ重力でつぶれないのか?
2.2 星の中の核融合と元素合成
2.3 星の中のエネルギー輸送
2.4 星の進化
2.5 星の最期
2.6 コンパクト星
  2.6.1 中性子星
  2.6.2 ブラックホール

第3章 超新星爆発とガンマ線バースト ―謎に満ちた壮絶な星の死―
3.1 超新星爆発
  3.1.1 超新星のエネルギーと頻度
  3.1.2 超新星のタイプ
  3.1.3 超新星の放射メカニズムと新たな種族
  3.1.4 重力崩壊型超新星
  3.1.5 熱核暴走型超新星とダークエネルギー
3.2 ガンマ線バースト
  3.2.1 宇宙で最も明るい爆発
  3.2.2 相対論的力学
  3.2.3 火の玉
  3.2.4 相対論的衝撃波
  3.2.5 中心エンジン:ブラックホールの誕生?

第4章 高エネルギー天体現象 ―中性子星,ブラックホールの生み出す極限状態の物理―
4.1 超新星残骸
  4.1.1 セドフ解
  4.1.2 衝撃波フェルミ加速
  4.1.3 ハドロンモデルかレプトンモデルか?
4.2 パルサー
  4.2.1 磁気圏粒子加速
  4.2.2 パルサーの種族
  4.2.3 ポーラーキャップかアウターギャップか?
  4.2.4 パルサー星雲
4.3 宇宙ジェット
  4.3.1 活動銀河核:宇宙最大のジェット
  4.3.2 ガンマ線バースト:宇宙最初のジェット

第5章 宇宙を満たす超高エネルギー素粒子達 ―宇宙線の起源を求めて―
5.1 高エネルギー宇宙線
  5.1.1 宇宙線の起源の謎
  5.1.2 超高エネルギー宇宙線
  5.1.3 宇宙線電子・陽電子・反陽子:天体v.s.ダークマター
5.2 高エネルギーガンマ線
  5.2.1 ガンマ線で見た空
  5.2.2 ガンマ線ホライズン
  5.2.3 謎のガンマ線源
  5.2.4 ガンマ線による新たな制限
5.3 高エネルギーニュートリノ
  5.3.1 GZKニュートリノ
  5.3.2 ガンマ線バーストからのニュートリノ
5.4 重力波
  5.4.1 重力波:最後の宇宙の窓
  5.4.2 コンパクト連星の合体
  5.4.3 様々な重力波天体
  5.4.4 究極重力波望遠鏡

第6章 CMBで見る宇宙 ―光と重力の競演―
6.1 宇宙の晴れ上がり
  6.1.1 宇宙物質の中性化
  6.1.2 宇宙の透明度
6.2 CMB と宇宙音波
  6.2.1 ジーンズ長
  6.2.2 宇宙音波
6.3 CMB による観測

第7章 素粒子標準モデルでひもとく宇宙の歴史
7.1 クォーク・ハドロン相転移
7.2 ニュートリノの乖離
7.3 ビッグバン元素合成
  7.3.1 標準ビッグバン元素合成
  7.3.2 軽元素の観測
  7.3.3 ビッグバン元素合成による物理学の新理論の検証

第8章 物質の起源を求めて ―素粒子の標準モデルを超える―
8.1 ダークマター
  8.1.1 超対称性粒子
  8.1.2 アクシオン
  8.1.3 原始ブラックホール
8.2 バリオン数生成機構
  8.2.1 サハロフの3条件
  8.2.2 大統一理論シナリオ
  8.2.3 電弱相転移シナリオ
  8.2.4 アフレック・ダイン(Affleck-Dine)機構
  8.2.5 レプトン数生成機構

第9章 インフレーション宇宙モデル ―ビッグバンの起源に迫る―
9.1 ビッグバンモデルの諸問題
  9.1.1 平坦性問題
  9.1.2 ホライズン問題
  9.1.3 宇宙構造の起源
9.2 インフレーション
  9.2.1 ホライズン問題と平坦性問題の解決
  9.2.2 必要とされる指数膨張数
  9.2.3 1成分インフラトンモデル
9.3 ゆらぎの生成
  9.3.1 密度ゆらぎ
  9.3.2 原始重力波
  9.3.3 観測からの制限
9.4 様々なモデル
  9.4.1 新インフレーションモデル
  9.4.2 ベキ型インフレーションモデル
  9.4.3 カオティックインフレーションモデル
  9.4.4 ハイブリッドインフレーション
9.5 残された問題
  9.5.1 バリオン数の起源とグラビティーノ問題
  9.5.2 究極理論に基づくインフレーションモデルの構築

付録A 自由粒子の熱統計力学
A.1 自由粒子の統計力学
A.2 熱化学平衡とサハ(Saha)の式

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