ファイナンスのためのRプログラミング

―証券投資理論の実践に向けて―

ファイナンスのためのRプログラミング
著者 大崎 秀一 著吉川 大介 著
分野 経済・経営  > ファイナンス・会計・簿記  > 数理ファイナンス
数学  > 応用数学  > 経済・経営数学
情報・コンピュータ  > プログラミング・言語  > R
発売日 2013/10/25
ISBN 9784320110441
体裁 B5・190頁
定価 3,850円 (本体3,500円 + 税10%)
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    内容
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 ファイナンス理論は数値計算・プログラミング技術の進歩と共に発展してきた。プログラミング技術自体はファイナンス理論とは独立であるが、少なくとも実務におけるファイナンス理論はプログラミング技術なしには成立し得ない。本書は、ファイナンス理論を実際のプログラミングを通して習得することを意図するものである。
 ファイナンス理論が金融実務において応用される範囲は幅広い。代表的な例としてはデリバティブのプライシング、複雑な金融商品の組成(たとえば仕組債など)や、そういった金融商品に対するリスク管理やヘッジ、あるいは最適ポートフォリオの導出などがあるが、ファイナンス理論を実務に応用するという点においてプログラミングは決定的に重要となる。
 本書では、さまざまなプログラミング言語がある中で、特にR言語を中心に議論を進める。R言語は所与の金融データに対する回帰分析や統計上のさまざまな検定などを容易に扱えるフリーのアプリケーションである。また、プログラムの構造は基本的にC系なので、その他の言語を知っていればマスターも容易であるし、逆にRをいったんマスターすれば他の言語への応用も比較的容易である。さらに、Rではかなり高度な関数もパッケージとして入手可能な場合が多い。こういった特徴ゆえ、Rは金融実務における分析や統計分析を手軽に行う際に広く用いられている。
 本書を読み進める上で読者に期待したいことは、実際に自分の手で計算を実行してみるということである。自分の手で計算を実行することによって理解が深まるということは多々ある。本書ではそういった作業の手助けとなるように、分析例やプログラム例を数多く掲載することを心がけた。最初は分からなくても例をコピーし実行することで、少しずつ理解が深まっていくだろう。実際、プログラミングは習うより慣れろという面が強い。本書に掲載したプログラム例を元に、慣れてきたら読者自身が改良したりさらに別の問題へ応用したりすることが期待される。
 本書の構成は以下のとおりである。まず第1章では、初学者でもプログラムを体感できるようにRのインストールからプログラムの基礎となる知識について簡単にまとめてある。第2章では金融のさまざまな場面で用いる統計分析を、第3章では時系列解析を、Rによる分析例を挙げながら説明する。第4章では現代ポートフォリオ理論の基礎となるCAPMについて述べる。第5章以降ではファイナンス理論のメインテーマともいえるデリバティブのプライシングについてまとめている。第5章でプライシングの基礎となる金利スワップと割引係数の導出法について述べた後、第6章ではツリーモデル、第7章ではBlack-Scholes 公式、第8章ではモンテカルロシミュレーション、第9章では偏微分方程式によるデリバティブのプライシング法について説明している。
第1章 Rで数値計算
1.1 Rのインストール
1.2 データ構造
1.3 関数
1.4 制御文
1.5 グラフィクス
1.6 データの書き出し,読み込み
1.7 プログラムの読み込み
1.8 パッケージの導入

第2章 Rによる統計分析
2.1 基本統計量
2.2 確率分布と乱数
2.3 仮説検定
2.4 回帰分析
2.5 主成分分析によるイールドカーブ分析

第3章 Rで時系列分析
3.1 時系列データの準備
3.2 モデルを当てはめる前に
3.3 ARモデルへの当てはめ
3.4 ARモデル以降
3.5 時系列分析のファイナンスへの応用例:ペアトレーディング

第4章 ポートフォリオ理論:CAPM
4.1 平均-分散ポートフォリオ
4.2 市場ポートフォリオ
4.3 CAPMの導出
4.4 CAPMの拡張:マルチファクターモデル
4.5 有効フロンティアの形状

第5章 金利スワップと割引係数
5.1 金利スワップとは
5.2 金利スワップのプライシングと割引係数の導出
5.3 金利スワップの評価とリスク分析

第6章 ツリーモデル
6.1 1期間モデル
6.2 多期間モデル

第7章 Black-Scholes公式
7.1 収益率の連続化
7.2 伊藤の公式(Ito's lemma)
7.3 Black-Scholesオプション価格
7.4 インプライドボラティリティ

第8章 モンテカルロシミュレーション
8.1 モンテカルロシミュレーションの基本
8.2 分散減少法
8.3 エキゾチックオプション
8.4 多資産型オプションのPV計算について
8.5 制御変量法

第9章 偏微分方程式によるデリバティブプライシング
9.1 陽解法
9.2 陰解法

付録ARの最適化関数
A.1 多変量最適化問題
A.2 最適化問題としての有効フロンティア

付録B その他のR関連情報について

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