有機系光記録材料の化学
―色素化学と光ディスク―
企業研究者の生きがいは「化学構造の知識を駆使して、新機能材料を設計し、モノづくりができること」、「商品を出せる喜び」、「新しい事業を創れること」にあると思います。本書のような光記録材料のケースであれば、自分が創った光ディスクがたとえば秋葉原の電気街の店頭に並んでいるのを見ることができます。企業では、短期間に商品開発するために、人・物・金を投入して商品化目標に向かってさまざまな専門家が結集してチームで仕事します。本書は企業の新入社員の入門書に近いものを意識して、「何が大切か、なぜこの道を通ったか、どういう考え方で材料を設計したか」等々、“道しるべ”になるものを目指しました。
また、各章に挿入したコラムは、企業において研究開発にかかわった方々にお願いしました。研究開発の考え方や指針など貴重な技術的視点から素晴らしいメッセージが込められており大変参考になります。ぜひ、本書を手にとって見ていただきたい。
第2章 有機系光記録材料のあけぼの
第3章 日本発の発明:CD-R
第4章 DVD-Rへ発展
第5章 三次元用光記録材料の化学
第6章 情報爆発社会へ向けて