複雑ネットワークとその構造

複雑ネットワークとその構造
著者 北海道大学数学連携研究センター 編矢久保 考介 著
分野 数学  > 応用数学
シリーズ 数学  > 連携する数学 全5巻 4
発売日 2013/02/15
ISBN 9784320110533
体裁 A5・376頁
定価 4,620円 (本体4,200円 + 税10%)
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我々の身の周りの様々な要素の間の関係性は、「ネットワーク」という概念を使って表すことができる。あらゆる情報がデータベースによって管理され、膨大な量の要素間の複雑な関係を表すネットワークを実際に構築することが可能になった現代、複雑ネットワークの統計的な性質に関する関心が急速に高まっている。本書は、複雑ネットワークの統計的性質に関して、現在までの研究で得られた基礎的知見を丁寧に解説したものである。複雑ネットワークに関する著書はこれまでにも数多く出版されているが、本書は「構造的性質」にテーマを絞ることにより、複雑ネットワーク科学の基礎部分をより重点的に学習できるように書かれている。例えば、従来の著書ではスキップされがちなネットワークのフラクタル性についても、本書では章を立てて説明している。複雑ネットワーク科学は誕生からまだ日が浅い分野であるため、最新の研究成果が基礎的理解に直結していることもあれば、基礎事項といえども未だに理解されていない事柄も多い。本書では、執筆時点で得られている最新情報を踏まえた上で、理解されていることが何であり、何が理解されていないかを明確にすることで、発展途上の分野の臨場感を伝えようとしている。概念的な話に留まることなく議論に定量性を持たせるため、本書では数式が頻出するが、式の導出はできるだけ丁寧に示しているので初学者でも抵抗なく学習できよう。導出過程や証明が本書の程度を超えている場合や、本筋から大きく逸脱するような場合でも、読者がフォローできるように参考文献を示している。また、視覚的に理解し易いように、概念図を多用していることも本書の特徴の一つである。
第1章 複雑ネットワークとは何か
1.1 ネットワークの基本要素
1.2 特徴的なネットワークの構造
1.3 ネットワークの種類
1.4 ネットワークに関する研究

第2章 複雑ネットワークを特徴づける
2.1 隣接行列
2.2 次数
2.3 ネットワーク距離
2.4 媒介中心性
2.5 クラスター係数と部分グラフ構造
2.6 ネットワークの複雑性
2.7 ネットワークのスペクトル
2.8 母関数

第3章 パーコレーション理論
3.1 複雑ネットワークとパーコレーション
3.2 パーコレーション転移と臨界確率
3.3 スケーリング理論
3.4 無限次元とBethe格子

第4章 ランダムグラフ
4.1 Erdös-Rényiランダムグラフ
4.2 ランダムグラフの基本的性質
4.3 ノード間距離
4.4 エッジ確率と部分グラフ
4.5 パーコレーション転移
4.6 一般化ランダムグラフ

第5章 スケールフリー性
5.1 現実ネットワークの次数分布
5.2 Barabási-Albertモデル
5.3 Dorogovtsev-Mendes-Samukhinモデル
5.4 ネットワーク成長における局所性
5.5 平衡モデル
5.6 重み付きネットワークのスケールフリー性
5.7 スケールフリー・ネットワークの頑強性と脆弱性

第6章 スモールワールド性
6.1 現実ネットワークのノード間距離とクラスター係数
6.2 スモールワールド性の起源
6.3 Watts-Strogatzモデル
6.4 スモールワールド性とスケールフリー性
6.5 スモールワールド性とNavigability

第7章 フラクタル性
7.1 自然界に見られる自己相似構造とフラクタル性
7.2 複雑ネットワークのフラクタル性
7.3 フラクタル・ネットワークの数理モデル
7.4 スモールワールド性とフラクタル性

第8章 コミュニティ構造
8.1 現実ネットワークにおけるコミュニティ
8.2 コミュニティの定義とモジュラリティ
8.3 コミュニティ検出法
8.4 コミュニティ形成のメカニズム

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