円錐曲線
―歴史とその数理―
第7巻の本書では、円錐曲線と呼ばれる魅力的で美しい曲線群を取り扱う。
以下、「まえがき」より抜粋。
「数学という学問は、代数学、幾何学、解析学などが渾然一体となって作られている。そして、それらのすべてが顔を出すところが一番面白く、数学を学ぶ醍醐味を味わえるところなのである。円錐曲線という魅力的な曲線を通じて、そのような贅沢な数学の楽しみを多くの方に味わっていただけたら、著者の喜びこれに勝るものはない。
したがってこの本の目標は、
(1)高校生および一般の方々が、長い歴史を持つ美しい「円錐曲線」を楽しむこと、
(2)数学愛好家…の方々が代数学、幾何学、解析学などが渾然一体となった数学の醍醐味を味わうこと、
(3)理工系学生が、微分積分学の威力で曲線の秘密と自然界の法則を解明すること、
となる。
なお、必ずしも章の順序にそって読む必要はなく、序章の後は興味の持てるところから好きな順序で読めるように配慮した。…(中略)…本書によって円錐曲線の魅力のとりこになり、数学の美しさに気付く人が増えることを期待している。」
序.1 円錐曲線とはどんな曲線?
序.2 生活の中の円錐曲線
第1章 円錐曲線の歴史概説
1.1 ルーツは古代ギリシア
1.2 中世の円錐曲線論
1.3 近世における円錐曲線復活
1.4 円錐曲線の再発見
コラム1:デカルトの座標の便利さ
第2章 円錐を切る
2.1 円錐を平面で切る
コラム2:アポロニオスと円錐曲線
第3章 円錐曲線(平面幾何)
3.1 焦点と準線
3.2 円錐曲線の幾何学的な性質
3.3 パスカルの定理
コラム3:ブレーズ・パスカルと円錐曲線
第4章 2次曲線としての円錐曲線
4.1 2次曲線
4.2 円錐曲線の分類
コラム4:双曲線下の面積
第5章 ニュートン力学から円錐曲線を導く
5.1 ニュートン力学の法則
5.2 投射体の"放物線"軌道
5.3 ケプラーの法則
コラム5:ケプラーの法則と『プリンキピア』
付章 予備定理・偏導関数
章末問題略解
あとがき
索引