ニッチ構築

―忘れられていた進化過程―

ニッチ構築
著者 F.John Odling‐Smee 著Kevin N.Laland 著Marcus W.Feldman 著佐倉 統 訳山下 篤子 訳徳永 幸彦 訳
分野 生物学・生物科学  > 進化・発生・形態  > 進化
発売日 2007/09/10
ISBN 9784320056473
体裁 菊判・412頁
定価 5,280円 (本体4,800円 + 税10%)
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生物は、自ら環境を変化させる。その変化が、次の世代以降の進化に影響する─これがニッチ構築の主張だ。従来の進化理論では、生命は環境に対しては一方的に受け身にしか反応しない存在だった。選択は、常に「自然」が行う。だが、ニッチ構築進化論では、生物体はもっと能動的で主体的な存在だ。環境が生物体に働きかけるように、生物体も環境にはたらきかける。そのプロセスが進化にとっても生態学にとっても重要だ。本書の特徴は、この一見、過激とも思える主張を、科学的かつ合理的に展開している点である。実際の動物で見られるさまざまな証拠を膨大に集め、数理モデルを作って検討し、実証面でも理論面でも先行研究とのすり合わせを綿密におこなっている。大胆に、そして緻密に─科学において新しい理論を提唱するというのはどういう作業なのか、また、なぜ新しい理論化の作業が科学にとって必要なのか、それらのことが良く分かる好著だ。 人類の進化、とくに文化進化にもニッチ構築の考えかたは新しい視点を提供してくれる。ニッチ構築により、進化生物学と生態学、そして人類学の橋渡しが可能になるだろう。生物の進化と人間の歴史が、ひとつの連続体として描ける日も、そう遠くないかもしれない。著者のジョン・オドリン=スミーは、20年以上ニッチ構築についての研究をおこなってきた。より若い世代の動物行動学者ケヴィン・レイランドと、人類遺伝学の泰斗マーカス・フェルドマンが加わって、万全の布陣。進化に興味のあるすべての人、必読である。
[原著名:Niche Construction : The Neglected Process in Evolution]
第1章 はじめに

第2章 ニッチ構築の証拠

第3章 ニッチ構築の進化上の結果についての理論研究

第4章 ニッチ構築の全般的な定性的特徴

第5章 ニッチ構築と生態学

第6章 人間のニッチ構築,学習,文化プロセス

第7章 ニッチ構築の検証(その1)進化生物学のための実証的方法と予測

第8章 ニッチ構築の検証(その2)生態学のための実証的方法、理論、予測

第9章 ニッチ構築の検証(その3)人間科学のための実証的方法と予測

第10章 進化理論の拡張

付録1 モデル1a:ニッチ構築の2倍体モデル

付録2 モデル1b:ニッチ構築の半倍数体モデル、あるいは性染色体モデル

付録3 モデル2:ニッチ構築モデルの拡張版

付録4 モデル3と4:文化のニッチ構築モデル

付録5 モデル5:ニッチ構築と膜翅目の性比の進化

新しい用語の解説
参考文献
解説を兼ねた訳者あとがき
索引

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