生物の形づくりの数理と物理

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 本巻は「生物の形は自己構築により形成される」という考えを基盤にして編纂された。 たとえば、砂山の斜面が呈する曲線や、砂丘の風紋に見られる縞模様、正六角形を基本とした雪の結晶パターンなどはいずれも自然界で行われる自己構築の結果である。自己構築は無機物の世界に 限ったことではない。生物では遺伝子が自己構築の材料と場を設定して自己構築が演じられ、そのあと次の設定が続くと考えてよい。
 自己構築は物理化学的現象である。そこでは数学や物理学などの数理的手法が重要な役割を果たしてきた。したがって、生物の形の研究にも数理が必要になる。これまで生物学は生化学に代表されるような化学が大きな役割を果たしてきた。そしていま、これに数理が加わるのである。遺伝子産物が出そろっただけでは生物の形は わからない。わかるには多くの場合数理が必要である。
序章 袋で行われる自己構築

第1章 自己構築の基盤
1-1 バクテリアコロニーが形成するパターン
1-2 自己構築する曲面―リポソームの場合
1-3 均一の集団の中から生じる自発的パターン―Turingの考えから汲み取るもの

第2章 袋の表面で起こること
2-1 細胞間接着・細胞間誘導による細胞の配置―トリの肢芽中胚葉細胞と魚類錐体細胞のパターン
2-2 上皮組織がつくる幾何学的細胞パターン
2-3 アンモナイト殻の形づくりを再現する

第3章 袋に包まれたもの
3-1 血管分岐系形成の数理モデル
3-2 神経細胞が自分の目的地にたどり着く機構
3-3 力学環境下での自己構築―骨のリモデリングを参考にした数理モデル

第4章 袋を越えて
4-1 樹形形成のメカニズムを枝の挙動にさぐる

あとがき

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