代数曲線と特異点
第I部では、曲線がどのような特異点を持つかということが、その補集合の基本群の構造に多大な影響を及ぼすということをみる。
第II部では、扱う曲線自体は特異点を持たないが、特異点を持った曲線を摂動することにより、さまざまな相対位相型の曲線を構成する。
第1章 基本群
1.1 連続写像のホモトピー
1.2 基本群
1.3 基本群のホモトピー不変性
1.4 閉部分多様体の補集合の基本群
1.5 自由ループ
1.6 解析的部分集合の補集合の基本群
第2章 ファイバー空間
2.1 局所自明なファイバー空間
2.2 セールのファイバー空間
2.3 被覆空間
2.4 切断を持つセールのファイバー空間の基本群
2.5 正則写像と基本群
第3章 ファン・カンペンの定理
3.1 局所系
3.2 群の融合
3.3 ファン・カンペンの定理
3.4 穴あき平面の基本群
第4章 ザリスキ-ファン・カンペンの方法
4.1 射影平面曲線の場合
4.2 アフィン平面曲線の場合
4.3 射影平面曲線とアフィン平面曲線
第5章 いくつかの具体例
5.1 基本的なモノドロミー関係式
5.2 非特異平面曲線の補空間の基本群
5.3 平面2次曲線および平面3次曲線の補空間の基本群
5.4 π1(P2?C)が非可換になる既約な曲線の例
第6章 平面曲線の特異点の形状と基本群
6.1 π1(P2?B)の可換性に関する諸結果
6.2 π1(O2?B)の非可換性に関する結果
6.3 ザリスキ・ペア
第7章 ガロア分岐被覆
7.1 ガロア分岐被覆
7.2 代数曲線の2次被覆
7.3 2次被覆とその特異点解消
7.4 二面体被覆
7.5 代数曲面のD2p被覆
7.6 定理6.10の証明:その方針
7.7 (I)の証明
7.8 NS(Z)/Tのp-torsion
7.9 f’-1がAn型,E6型のときのGT1,の構造
7.10 (II)の証明
参考文献
第II部 実代数幾何学と特異点
―ヒルベルト第16問題とその周辺―
第1章 ヒルベルト第16問題
1.1 実平面代数曲線
1.2 実非特異曲線の位相的分類
1.3 ヒルベルト第16問題
1.4 ハルナックの結果
1.5 ハルナック不等式の第1の証明*
1.6 低次の実平面曲線
1.7 6次曲線の位相的分類
1.8 7次曲線の位相的分類
1.9 実平面代数曲線のトポロジー
1.10 ペトロフスキー不等式・ラグスデール予想・アーノルド不等式
1.11 いろいろな合同式
1.12 M‐曲線の構成
1.13 ヒルベルトの方法
1.14 グドゥコフの方法
第2章 不等式
2.1 実射影超曲面とペトロフスキー-オレイニク不等式
2.2 アイゼンバッド-レビン公式
2.3 ペトロフスキー-オレイニク不等式の証明
2.4 局所レベル多様体のオイラー標数
2.5 実ケーラー多様体に関するハルラモフ不等式
2.6 実ケーラー多様体に関するハルラモフ不等式の証明*
2.7 分岐被覆とその応用
2.8 アーノルド不等式の証明のアイデア
2.9 奇数次の曲線
2.10 特異点の微小摂動で現れる曲線の位相的制約
2.11 評価の最良性の問題
第3章 合同式
3.1 ロホリンの仕事とM-多様体
3.2 16を法とするロホリンの合同式
3.3 ブラウン不変量
3.4 ブラウン不変量(続き)
3.5 ロホリン形式とギルー―マランの定理
3.6 マランによる合同式の証明
第4章 ヴィロのパッチワーク
4.1 3角形パッチワーク
4.2 パッチワーク
4.3 特異点の微小摂動と曲線の構成
4.4 6次曲線の構成
4.5 アイテンバーグの定理
第5章 ニクリンの理論の応用
5.1 実射影多様体と対称双1次形式
5.2 Z上対称双1次形式
5.3 偏極対合付き格子と実射影K3曲面
5.4 条件付き対合付き格子
5.5 RP 1×RP 1上の実代数曲線の分類への応用
第6章 その他のトピックスと未解決問題
6.1 曲線の複素向きづけ
6.2 分離型,非分離型について
6.3 剛アイソトピーと同変アイソトピー
6.4 RP3の中の双曲面上の実代数曲線
6.5 実トーリック曲面上の実代数曲線
6.6 総実部分多様体とラグランジュ部分多様体
6.7 未解決問題集
第7章 補足
7.1 射影空間
7.2 位相幾何から
7.3 アイソトピー
7.4 複素曲面の複素共役による商空間の微分構造
7.5 代数幾何と解析幾何から
7.6 アイゼンバッド-レビン公式
参考文献
索引