生体ナノマシンの分子設計
著者 | 日本生物物理学会 シリーズ・ニューバイオフィジックス刊行委員会 編・ 城所 俊一 担当編集委員 |
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分野 |
生物学・生物科学
> 生物物理学 |
シリーズ |
生物学・生物科学
> シリーズ・ニューバイオフィジックスII 全10巻 9
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発売日 | 2001/09/01 |
ISBN | 9784320055483 |
体裁 | A5・248頁 |
定価 | 4,180円 (本体3,800円 + 税10%) |
実は生物は何十億年も前から、このナノメートルサイズの世界でのノウハウを蓄積してきている。マイクロメートルのサイズの細胞で、ナノメートルやこれ以下のサイズの分子や原子・イオンなどを扱うためには、ナノメートルの大きさの道具がどうしても必要であった。特定の分子や原子だけを強力に結合し、特定の反応だけを迅速に起こさせるために、生物が長い進化の中で育て上げたナノメートル技術の粋が生体ナノマシンである。
生体ナノマシンの設計には、「検証」あるいは「評価」という過程が重要な位置を占める。より確実な設計をめざすためには、設計されたマシンの形や性能、働きをなるべく多面的に調べて、設計の効果を検証することが必要になる。そして、なぜそのような結果になったのかを、より深く探る研究に必然的につながることになる。これは、生体ナノマシンに関する科学そのものであり、現代の生物物理学の最も重要な研究分野の一つである。検証の段階を「設計」に含めて考えるならば、現代生物物理学のあらゆる知識や技術が、生体ナノマシンの分子設計に生かされることになる。
1 生体ナノマシンの物理的特徴
2 進化する生体ナノマシン
3 生体ナノマシンの有用性
4 生体ナノマシンを設計する
第1章 生体ナノマシン分子設計の戦略
1-1 タンパク質立体構造のデザイン
1-2 物理的摂動法による高機能化
1-3 分子進化の方法
第2章 生体ナノマシン設計の最前線
2-1 酵素反応の合理的分子設計
2-2 人工タンパク質の合理的設計
2-3 ペプチド立体構造の設計
2-4 抗体の分子設計
2-5 イオンチャネルの設計―分子工学からのアプローチ―
2-6 リボザイムの分子設計
2-7 進化分子工学による酵素の高安定化
索引