関数解析

関数解析
著者 古屋 茂 編集委員・ 一松 信 編集委員・ 赤 攝也 編集委員・ 黒田 成俊
分野 数学  > 関数解析
シリーズ 数学  > 共立数学講座 全25巻 15
発売日 1980/11/10
ISBN 9784320011069
体裁 356頁
定価 5,390円 (本体4,900円 + 税10%)
在庫 在庫あり
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    内容
  • 目次
 本書は関数解析の入門書である。
 関数解析の理論自体は抽象的なものであるが、その起源は積分方程式など解析学の具体的な問題に根ざしている。そして、現在における関数解析の魅力の一つは、その広い応用性にあるといっても過言ではないであろう。なかでも、本書で注目するのは、種々の関数空間を舞台とする関数解析の応用である。解析学の諸問題を関数空間における問題として捉え、関数解析的な考え方・手法の活用を計ることは、偏微分方程式論への応用を要として、近年急速に普及しつつある。いまや関数解析は解析学の諸分野はもとより、数理物理・数理工学を含む応用数学の諸分野においても、必須の道具となりつつあるようにみえる。このような状況のもとで、関数空間における関数解析を重視する立場に立つ入門書には、なお存在理由がありうると考え、本書を執筆した。
 しかしながら、本書は関数解析の応用を論じた本ではない。入門書であるからには、読者が関数解析の基礎理論を一通り修得されることを第一の目標にしている。本書で著者なりの配慮を試みたのは、説明のなかで関数空間での応用への足がかりを固めながら、段々に抽象的理論に進むようにしたことである。その結果、本書の構成はやや変わったものとなった。第1章、第3章を除いて、前半第6章までは、専ら関数空間の話である。そこでは、Fourier解析の初歩に比較的多くの頁をさきつつSobolev空間に到り、最後にLaplaceの方程式のDiricblet問題を論じて、関数解析的方法の有効性を示した。後半第7章以下では、線形作用素論を中心に、関数解析の基礎理論を述べた。前半の材料は、後半でも例として活用されている。
 説明は丁寧を旨とし、例や例題を多く入れて理解を助けるように努めた。実際の応用に基づく例を多く入れられなかったのは、著者の経験不足のせいである。前半が長くなり、後半との頁数のバランスがやや悪くなってしまった。その結果、第12章ははしょることになり、また述べておいてもよかったことで、割愛したものもある。正則半群、Dunford積分による作用素解析、凸性に関する事項、などがそれである。また、商空間のことが全くぬけてしまった。これらのことは、必要に応じて他の書物で補っていただきたい。
 予備知識としては、読者が大学教養課程程度の微積分に習熟し、加えて関数論の初歩(留数による積分計算あたりまで)に関する知識をもっておられることを仮定した。関数空間を重視する以上、Lebesgue積分は積極的に使用する。しかし、数学以外が専門の読者にはLebesgue積分は難物のようなので、本書で必要な範囲を付録にまとめ(これもやや我流)、本文中では付録を丹念に引用するように努めた。Lebesgue積分未修の読者も、付録を手がかりに読み進まれ、その活用法を覚えられることを期待する。
第1章 Banach空間・Hilbert空間

第2章 関数空間

第3章 Hilbert空間

第4章 Fourier級数

第5章 Fourier変換 

第6章 Sobolev空間  

第7章 線形作用素

第8章 線形汎関数と共役空間 

第9章 レゾルベント・スペクトル

第10章 線形作用素の半群 

第11章 コンパクト作要素,Fredholm作用素

第12章 自己共役作用素のスペクトル分解定理

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