極小曲面

極小曲面
著者 岡本 和夫 編集委員・ 桂 利行 編集委員・ 楠岡 成雄 編集委員・ 坪井 俊 編集委員・ 宮岡 礼子
分野 数学  > 幾何学  > 解析幾何学
数学  > 幾何学  > 微分幾何学
シリーズ 数学  > 共立叢書 現代数学の潮流
発売日 2022/04/28
ISBN 9784320114692
体裁 A5・264頁
定価 3,960円 (本体3,600円 + 税10%)
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 極小曲面とはいたるところ平均曲率ベクトルが消える曲面であり、石鹸膜など非常に多くの例が知られている。極小曲面の存在と一意性を扱うPlateau問題は、最終的にはDouglasおよびRadóによって独立に解かれ、Douglasはこの業績により、1936年に第1回のFields賞を受賞している。また、極小曲面方程式は多くの物理問題の数学モデルとなっており、近年ではPoincaré予想の証明にも使われるなど、他分野に及ぼす影響も計り知れない。
 本書は、極小曲面論が研究の原点でもあった筆者による、極小曲面論の基礎を中心として執筆された書籍である。基本を身に付けることができるよう、Euclid空間内に議論を絞り、関数論的アプローチと幾何解析的アプローチ、双方の良いところを取り入れ、解説している。また、前半は多くの知識がなくとも理解できるように、また後半は専門的な議論もあるが、今後の研究の展開につながるように、意識して書かれている。さらに、類書にはあまり見られないPlateau問題の解の存在とレギュラリティについても解説しており、価値の高い1冊と言える。

第I部 曲面論の基礎

第1章 Rnの曲面
1. 第1基本形式の意味
2. 第2基本形式とGauss曲率,平均曲率
3. Weingarten写像の固有値と主曲率
4. 多様体としての曲面

第2章 極小曲面の導入
1. 面積
2. ベクトル場の発散と発散定理
3. 極小曲面の由来と変分問題
4. Rnのノンパラメトリック極小曲面の方程式

第3章 関数論の立場から
1. 正則関数,Cauchyの積分定理
2. Laurant展開と留数
3. 正則関数と調和関数,鏡像原理
4. Picardの定理
5. 複素構造と等温座標
6. Köbeの一意化定理

第4章 Dirichlet問題
1. 調和関数とDirichlet問題
2. Dirichletエネルギーと調和写像
3. 調和写像と極小曲面


第II部 極小曲面の基礎

第5章 極小曲面上の等温座標
1. 等温座標による記述
2. 局所等温座標の存在
3. 全平面上のノンパラメトリック極小曲面
4. Bernsteinの定理1

第6章 R3の極小曲面
1. Weierstrass-Enneperの表現公式
2. R3の極小曲面のGauss写像とGauss曲率
3. 随伴曲面
4. 対称性のある極小曲面
5. Bernsteinの定理2

第7章 境界のある極小曲面
1. Rnの極小曲面の凸包
2. Plateau問題の弱解の存在
3. Radóの定理

第8章 R3の極小グラフI
1. 比較原理
2. 最大値原理
3. 凹点をもつ境界

第9章 全曲率有限な完備極小曲面
1. 全曲率有限な非正曲率完備曲面
2. Gauss写像のふるまい
3. 全曲率有限な完備極小曲面
4. Jorge-Meeksの定理

第10章 R3の極小グラフII
1. 極小グラフのGauss曲率評価
2. 円板外部の極小グラフ


第III部 Plateau問題のレギュラリティ

第11章 分岐点
1. Ossermanの議論
2. 分岐点の近くでの極小曲面の挙動

第12章 Plateau問題の解のレギュラリティ
1. 真の分岐点の非存在
2. 偽分岐点の非存在
3. 補足事項


第IV部 代数的極小曲面とGauss写像の除外値問題

第13章 代数的極小曲面の構成
1. 被覆法
2. 分岐被覆面の方法
3. Costa曲面
4. Weierstrassのp関数とCosta曲面

第14章 Gauss写像の除外値問題1
1. 藤本の定理
2. 代数的極小曲面のGauss写像の除外値
3. Gauss写像の除外値が2個の代数的極小曲面の構成
4. 補足

第15章 Gauss写像の除外値問題2
1. Costa曲面の一般化
2. 擬代数的極小曲面
3. 拡張されたOssermanの定理の証明
4. 完備双曲型曲面のGauss-Bonnetの定理


第V部 一般論への発展

第16章 一般論の導入
1. 基本的事実
2. 体積要素
3. 勾配ベクトル,ベクトル場の発散
4. 行列式の微分

第17章 極小部分多様体
1. 極小部分多様体と第1変分公式
2. 第2変分公式
3. 極小グラフIII
4. 高次元の極小グラフ

第18章 極小部分多様体の様々な性質
1. 最大値原理
2. 単調性とレギュラリティ
3. 極小錐と体積最小錐
4. レギュラリティ定理
5. 高次元のBernstein問題

第19章 測度論的拡張
1. 極小部分多様体の測度論的拡張
2. ヴァリフォルド

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