第一原理計算の基礎と応用

―計算物質科学への誘い―

第一原理計算の基礎と応用
著者 須藤 彰三 監修・ 岡 真 監修・ 大野 かおる
分野 物理学  > 物性物理  > 物性・物質論
物理学  > 物性物理  > 材料科学
化学・化学工業  > 物理化学  > 量子化学
工学一般  > 工学一般  > 物理学系
シリーズ 物理学  > 基本法則から読み解く物理学最前線 27
発売日 2022/05/30
ISBN 9784320035478
体裁 A5・200頁
定価 2,420円 (本体2,200円 + 税10%)
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    内容
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 複雑な方程式を何とかして取り扱いやすい見かけの粒子に対する有効方程式に焼き直すこと、このような独立粒子描像としての現象の捉え方は我々の考え方の基本をなし、限界にもなっている。独立粒子描像に基づく第一原理計算手法としてHartree-Fock近似が有名であるが、今日では密度汎関数理論に基づくKohn-Sham理論が標準的計算手法として広く用いられている。量子化学分野では多体波動関数を直接求める配置間相互作用と呼ばれる計算手法も用いられているが、独立粒子描像にマップするために自然スピン軌道という概念が導入される。さらに、多体摂動論のGreen関数を用いた準粒子理論によれば、光電子分光の実験とタイアップして、始状態と終状態の1電子分の差が準粒子と定義され、その独立粒子描像の下でスペクトル計算が可能となる。
 著者らは、この準粒子理論を任意の電子励起固有状態を初期状態とする一般の場合に拡張した「拡張準粒子理論」を提案し、その理論の有効性を実証してきた。さらに、この拡張準粒子理論と厳密な拡張Kohn-Sham理論の間に存在する関係を解き明かした。
 本書は、これらの研究成果を含め、多数の原子からなる現実の物質を量子多体系としていかに正確に取り扱うかという問題に焦点を絞り、現実の物質材料の諸特性を予測するための第一原理計算の理論的基礎と方法論を解説する。

第1章 背景と導入
 1.1 背景
 1.2 導入
1.2.1 本書の学習方法

第2章 多電子系と独立粒子系
 2.1 多電子系の基本的な性質
2.1.1 同種粒子多体系
2.1.2 Born-Oppenheimer近似
2.1.3 ビリアル定理
2.1.4 電子系のハミルトニアン
2.1.5 1電子近似
 2.2 Hartree-Fock (HF)近似
2.2.1 期待値の評価
2.2.2 Hartree-Fock (HF)方程式
2.2.3 配置間相互作用(CI),結合クラスター(CC)
 2.3 密度汎関数理論(DFT)
2.3.1 Hohenberg-Kohnの定理
2.3.2 Kohn-Sham理論
2.3.3 時間依存密度汎関数理論(TDDFT)
 2.4 様々な密度汎関数
2.4.1 局所密度近似(LDA)
2.4.2 一般化勾配近似(GGA)
 2.5 汎関数の拡張
2.5.1 自己相互作用補正(SIC)
2.5.2 LDA+U, GGA+U
2.5.3 ハイブリッド汎関数

第3章 第一原理計算の基本
 3.1 周期系の取り扱い
3.1.1 単位胞と逆格子
3.1.2 平面波と局在関数
 3.2 基底関数での展開
3.2.1 LCAO法
3.2.2 混合基底法
3.2.3 擬ポテンシャル法
 3.3 マフィンティン近似を用いる方法
3.3.1 APW法
3.3.2 KKR法
 3.4 基底状態ダイナミクス
3.4.1 力の計算,Car-Parrinello法
3.4.2 その他の第一原理分子動力学法と構造最適化
 3.5 非断熱過程のダイナミクス
3.5.1 非断熱過程
3.5.2 原子核間の多体相関

第4章 応答とスペクトル
 4.1 摂動計算
4.1.1 有効質量
4.1.2 誘電率,f総和則
4.1.3 反磁性帯磁率・NMR化学シフト
 4.2 線形応答
4.2.1 フォノン
4.2.2 電子格子相互作用,ポーラロン,赤外吸収,Raman散乱
4.2.3 電気伝導度
4.2.4 熱伝導度
 4.3 スピン相互作用
4.3.1 Pauli常磁性とLandau反磁性,スピン軌道相互作用
4.3.2 超微細(hyperfine)構造

第5章 準粒子描像
 5.1 拡張準粒子理論
5.1.1 拡張準粒子の概念
5.1.2 拡張準粒子(EQP)方程式
5.1.3 多体摂動論
5.1.4 Hedinの式
 5.2 GW近似とBethe-Salpeter方程式
5.2.1 GW近似
5.2.2 Bethe-Salpeter方程式
5.2.3 T行列理論,Hubbard U, Augerスペクトル
5.2.4 自己無撞着GWΓ法
5.2.5 Parquet法

第6章 まとめと展望
 6.1 拡張Kohn-Sham理論と拡張準粒子理論
6.1.1 準粒子波動関数の規格化
6.1.2 Baym-Kadanoffの保存則
6.1.3 高橋-Ward恒等式,まとめ
 6.2 今後の展望

付録A Fermi粒子系の第2量子化

付録B 第一原理計算ソフト

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