性能向上の著しいワークステーションやPCに搭載されている グラフィックス機能を援用して,数値データを視覚的な形式に変換して 比較する方法の一つにコンピュータビジュアリゼーションがある。 コンピュータビジュアリゼーションは,これまで天体望遠鏡や顕微鏡が, 肉眼では見ることのできない現実の対象の視認を可能にしてきたのと同様に, 計算環境が作り出す仮想のデータ世界に存在する対象を視覚的に捉えようとする 技術である。本書の狙いは,このコンピュータビジュアリゼーション技術の最新動向を 当該分野の第一線で活躍されている執筆陣によってわかりやすく解説することにある。