トポロジーや特異点論を駆使して代数曲線を研究する分野からテーマをしぼって,その基本からていねいに解説している。特に,平面代数曲線の平面内での位置の研究(相対的研究)のうち,従来の和書でも洋書でもあまり書かれなかった2つの問題に関する研究について解説した。代数曲線の研究は「内在的」あるいは「絶対的」なものと,「外在的」あるいは「相対的」なものに分けられる。
第I部では,曲線がどのような特異点を持つかということが,その補集合の基本群の構造に多大な影響を及ぼすということをみる。
第II部では,扱う曲線自体は特異点を持たないが,特異点を持った曲線を摂動することにより,さまざまな相対位相型の曲線を構成する。