レクチャー結び目理論

書籍情報
シリーズ名共立叢書 現代数学の潮流 
ISBN978-4-320-01697-2
判型A5 
ページ数208ページ
発行年月2007年06月
本体価格3,600円
レクチャー結び目理論 書影
レクチャー結び目理論

本書は,数学の諸分野,および物理学,化学,生命科学など,大変多くの科学と本質的な結びつきが見られる結び目・絡み目の理論に関して,どのような研究においても基本的事項として知っていることが望ましい全般的な理論を,講義形式で解説したものである。
一般に見られる結び目・絡み目から話が始まり,その後,基礎的な概念,事項に関して説明する.次に,ゲーリッツ不変量,ジョーンズ多項式を始めとした,様々な位相不変量に関して解説する.最後には,筆者の研究成果も含めた,絡み目の分類などの話題に触れる.各講末には理解を深める演習問題を多数設け,すべてに解答がついている。結び目理論はトポロジー(位相幾何学)の言葉で記述されるので,本書は,結び目・絡み目を学ぶのにはもちろんであるが,トポロジーの初歩を学ぶための教材にもなっている。

目次

第1講 結び目の科学
1.1 科学における結び目のいくつかの実例
1.2 結び目の数学研究
1.3 研究の歴史的経緯
1.4 第1講の補充・発展問題

第2講 絡み目の表示
2.1 絡み目の図式
2.2 図式の複雑度
2.3 ブレイド表示
2.4 第2講の補充・発展問題

第3講 絡み目に関する初等的トポロジー
3.1 ザイフェルト曲面
3.2 最初の計算可能な位相不変量:絡み数
3.3 ザイフェルト曲面と結び目の交叉数
3.4 第3講の補充・発展問題

第4講 標準的な絡み目の例
4.1 トーラス絡み目
4.2 2橋絡み目
4.3 プレッツェル絡み目
4.4 第4講の補充・発展問題

第5講 ゲーリッツ不変量
5.1 ゲーリッツ不変量の求め方
5.2 ゲーリッツ不変量のいくつかの計算例
5.3 ゲーリッツ不変量の位相不変性の証明
5.4 第5講の補充・発展問題

第6講 ジョーンズ多項式
6.1 カウフマンのブラケット多項式
6.2 ジョーンズ多項式が存在すること
6.3 ジョーンズ多項式の定義式とその計算
6.4 第6講の補充・発展問題

第7講 ザイフェルト行列I:構成と位相不変性
7.1 ザイフェルト行列の構成
7.2 ザイフェルト曲面のハンドル同値類の位相不変性
7.3 ザイフェルト行列のS同値類の位相不変性
7.4 第7講の補充・発展問題

第8講 ザイフェルト行列II:アレクサンダー不変量
8.1 アレクサンダー多項式とコンウェイ多項式
8.2 アレクサンダー加群
8.3 アーフ不変量と符号数
8.4 第8講の補充・発展問題

第9講 スケイン多項式
9.1 スケイン多項式族の定義式
9.2 スケイン多項式族が存在すること
9.3 スケイン多項式族の性質
9.4 第9講の補充・発展問題

第10講 絡み目の分類
10.1 ブレイド表示から整数格子点表示へ
10.2 格子点による絡み目の分類法
10.3 格子点の長さ8までの擬似素絡み目の分類表
10.4 第10講の補充・発展問題

特講 絡み目の巡回被覆論
S.1 絡み目の巡回被覆
S.2 2橋絡み目とプレッツェル絡み目の2重分岐被覆
S.3 ゲーリッツ不変量の位相幾何的意味

付録 補遺,参考書,問題の解説
索引