測度・エントロピー・フラクタル

書籍情報
シリーズ名非線形解析 全4巻 【III】巻
ISBN978-4-320-01773-3
判型A5 
ページ数376ページ
発行年月2004年08月
本体価格5,500円
測度・エントロピー・フラクタル 書影
測度・エントロピー・フラクタル

非線形現象から誘導される力学系を明らかにする方法の一つに実解析的手法がある。この方法は測度論を基礎におくエルゴード理論にあって,多くの研究者が利用してきた。当初は難解であったこの手法も,その後用いる道具は整理され他理論との関連性も明確になって,予想以上に面白い内容をもたらしている。本書は,その面白さを実感できるために入門から始めて最先端に達することができるよう配慮したシリーズの第3巻目であり,話題を2,3次元ユークリッド空間に制限して力学系の構造を捉えやすくするよう努めている。また,単なる入門書で終わることなく,近年大いに注目を集めている成果も含めている。幾何的手法と実解析的手法の融合による非線形現象の解析の広い構図が生まれ,新たな展開への一助となればと期待している。

目次

第0章 はじめに
0.1 単一的クラスと非単一的クラス
0.2 物理的測度
0.3 測度による次元
0.4 フラクタル次元
0.5 エントロピー公式
0.6 SRB条件
0.7 SRBアトラクター
0.8 多重フラクタル
0.9 相関関数
0.10 測度的安定性
0.11 高次元非一様双曲的集合
0.12 3次元の力学系

第1章 フラクタル次元
1.1 ハウスドルフ次元,ボックス次元,情報次元
1.2 次元公式
1.3 ラミネイションと可測分割
1.4 準エントロピーとリャプノフ指数

第2章 非可算生成系とエントロピー
2.1 不安定多様体の局所的次元
2.2 ラミネイションのリプシッツ連続性
2.3 ギブス測度の局所積構造
2.4 ルエル-エックマン予想
2.5 部分的非一様双曲性とフラクタル次元

第3章 物理的測度
3.1 SRB測度
3.2 ペシン-ルドラピエ-ヤンの公式
3.3 絶対連続性(非一様双曲的)
3.4 絶対連続な測度とSRB条件をもつ測度
3.5 多重フラクタル構造とエルゴード的測度
3.6 非一様双曲的集合のスペクトル分解
3.7 局所エルゴード性
3.8 SRB条件の崩壊
3.9 エノン写像

第4章 拡大写像のエルゴード的性質
4.1 円すい形と射影距離
4.2 拡大写像とペロン-フロベニウス作用素
4.3 拡大写像を不変にする滑らかな測度
4.4 指数的混合性
4.5 拡大写像の中心極限定理
4.6 測度的安定性

第5章 アトラクターのエルゴード的性質
5.1 微分同相写像と円すい形
5.2 ペロン-フロベニウス作用素の縮小性
5.3 アトラクターの上の物理的測度
5.4 アトラクターの上の中心極限定理