ソボレフ空間の基礎と応用

書籍情報
ISBN978-4-320-01828-0
判型A5 
ページ数320ページ
発行年月2006年08月
価格4,620円(税込)
ソボレフ空間の基礎と応用 書影
ソボレフ空間の基礎と応用

ロシアの数学者S.L.Sobolevの多大な貢献によりその名が冠されている「ソボレフ空間」は,微分可能性を古典的な微積分の意味よりも広い意味で解釈して得られる関数空間であり,今日,関数方程式・関数解析を論ずるためには不可欠な道具となっている。本書は,この重要なソボレフ空間を,微分積分学一般とルベーグ積分論および関数解析の初歩を基礎知識として,その第一歩から解説し,詳細な証明をつけて,ソボレフ空間に関する基本定理(埋蔵定理,拡張定理,コンパクト性定理など)とその解析学(特に偏微分方程式)への応用について述べるものである。読者は,本書によって自信を持って現代解析学におけるソボレフ空間を理解し,解析手法として利用できるようになるであろう。

目次

第I部 Sobolev空間の基礎
第1章 準備
1.1 記号と積の微分に関する補題
1.2 Lebesgue積分論からの準備
1.3 1の分解
1.4 関数空間の一覧表

第2章 Sobolev空間の定義
2.1 超関数
2.2 Sobolev空間の定義
2.3 Banach空間としてのSobolev空間*
2.4 Sobolev空間導入の意義

第3章 Sobolev空間の元の特徴付け
3.1 弱導関数と通常の導関数*
3.2 弱導関数の相手の一般化,なめらかな関数との積
3.3 なめらかな関数の稠密性
3.4 差分商による特徴付け

第4章 積,代入,変数変換
4.1 Sobolev空間の元の積
4.2 代入
4.3 変数変換

第5章 R におけるSobolevの埋蔵定理
5.1 R における1階のSobolev空間に対する埋蔵定理
5.2 R における高階のSobolev空間に対する埋蔵定理
5.3 Fourier変換との関係

第6章 拡張定理と一般領域でのSobolevの埋蔵定理
6.1 序
6.2 なめらかな境界を持つ場合の拡張作用素の存在
6.3 なめらかな境界を持つ場合の埋蔵定理
6.4 境界のなめらかさを仮定しない場合の拡張定理と埋蔵定理*

第7章 Rellich-Kondrashovの定理
7.1 コンパクト性に関する準備
7.2 Rellich-Kondrashovの定理

第8章 補間定理とGagliardo-Nirenbergの不等式
8.1 補間定理
8.2 Gagliardo-Nirenbergの不等式*

第9章 広義の境界値 - Trace Operator
9.1 超平面へのtrace
9.2 なめらかな境界の場合
9.3 境界値と分数次のSobolev空間*
9.4 traceに関する補遺*

第II部 Sobolev空間の応用
第10章 2階線型楕円型方程式の解の存在
10.1 序
10.2 2階線型楕円型方程式に対応する変分問題の階の存在
10.3 汎関数 I (u) の最小値を実現する関数の意味
10.4 他の境界条件の取り扱い

第11章 2階線型楕円型方程式の解の正則性
11.1 序
11.2 R の場合
11.3 内部正則性
11.4 R の場合の大域的正則性
11.5 C 2級の有界な境界を持つ領域の場合の大域的正則性
11.6 正則性定理の応用
11.7 補遺*

第12章 Sobolev空間を用いた非線型問題の解析
12.1 変分法とFrchet微分
12.2 汎関数の臨界点(critical point)
12.3 峠の定理
12.4 半線型楕円型方程式の非自明解の存在

あとがきに代えて
A.1 絶対連続関数の微分可能性の直接証明
A.2 Hardy-Littlewood-Sobolevの不等式
A.3 補間空間と作用素の補間
A.4 Lebesgue積分における微分定理と最大関数の不等式
A.5 文献案内

参考文献

索引