確率解析とファイナンス

書籍情報
ISBN978-4-320-01858-7
判型A5 
ページ数456ページ
発行年月2008年06月
本体価格6,300円
確率解析とファイナンス 書影
確率解析とファイナンス

 ブラック・ショールズ式をはじめとする最近のファイナンス理論を理解するのに必要な確率解析の知識を整理し,それらの知識が実際にファイナンスの分野にどのように活用されているのかを詳しく解説している。
 第1部「測度と積分」では,大学初年級の微分積分学の知識さえあれば,本書のみで首尾一貫して体系的に最近のファイナンス理論とその理解に必要な確率積分の学習を行える。また,自習者の便宜をはかるため,本文の随所に問を挿入するとともに,その解答例を付録に付けた。
 第2部「確率積分」では,一般の半マルチンゲールと共に点過程による確率積分を扱っている。ファイナンスでよく用いられるものについては,できるだけ前に配置し,具体的なものから始まって抽象的で一般的なものとなるように構成している。
 第3部「ファイナンス」では,デリバティブの価格評価から各経済主体の資産選択と均衡での資産価格評価までを,マルチンゲール法を基軸として一貫して統一的なフレームワークによって記述している。

目次

第I部 測度と積分
第1章 測度
1.1 零集合
1.2 Lebesgue 外測度
1.3 可測集合と測度
1.4 単調族定理
1.5 測度とその性質
1.6 Lebesgue 測度とBorel 集合
1.7 完備化と測度の構成
1.8 確率測度と独立性

第2章 可測関数と積分
2.1 可測関数の定義
2.2 可測関数の単調族定理
2.3 積分の定義
2.4 積分の性質
2.5 収束定理
2.6 数直線上の測度
2.7 Radon-Nikodym の定理
2.8 条件付き期待値

第3章 関数空間と直積測度空間
3.1 Lp 空間
3.2 Hilbert 空間
3.3 確率変数の本質的上限
3.4 直積測度とFubini の定理

第4章 収束概念と中心極限定理
4.1 収束概念
4.2 大数の法則
4.3 積率母関数と特性関数
4.4 法則収束と弱収束
4.5 中心極限定理

第II部 確率積分
第5章 確率過程とBrown 運動
5.1 確率過程とBrown 運動の定義
5.2 Gauss 過程としてのBrown 運動
5.3 Brown 運動の見本路の性質
5.4 Brown 運動のマルチンゲール性
5.5 Brown 運動のMarkov 性

第6章 マルチンゲールの諸性質
6.1 一様可積分性
6.2 離散時間マルチンゲール
6.3 連続時間マルチンゲール
6.4 最適停止問題

第7章 Brown 運動の解析
7.1 単純過程の伊藤積分
7.2 発展的可測過程の伊藤積分
7.3 伊藤公式
7.4 伊藤過程

第8章 確率微分方程式
8.1 確率微分方程式と解の定義
8.2 解の存在と一意性
8.3 強解のMarkov 性
8.4 拡散過程
8.5 Dynkin 公式とFeynman-Kac 公式

第9章 半マルチンゲールの解析(その1)
9.1 可予測過程
9.2 有限変分過程
9.3 マルチンゲールによる確率積分の定義
9.4 連続な半マルチンゲールによる確率積分
9.5 伊藤公式
9.6 時間変換
9.7 確率指数
9.8 マルチンゲール表現定理
9.9 確率測度の変換

第10章 半マルチンゲールの解析(その2)
10.1 オプショナル過程と可予測過程
10.2 Meyer 分解
10.3 確率積分の一般化と伊藤公式

第11章 点過程
11.1 点過程の定義とその性質
11.2 点過程の測度変換
11.3 点過程マルチンゲール表現定理

第III部 ファイナンス
第12章 Black-Scholes モデル
12.1 Black-Scholes 式
12.2 アメリカン・オプションの評価

第13章 最適消費・ポートフォリオ選択問題
13.1 市場モデル
13.2 ポートフォリオと消費ルール
13.3 完備性
13.4 マルチンゲール法による最適化問題の解法.

第14章 均衡
14.1 市場モデル
14.2 各経済主体の最適化問題
14.3 均衡
14.4 代表的経済主体
14.5 均衡の存在と唯一性
14.6 均衡価格.
14.7 例

第15章 保険料計算原理
15.1 市場モデル
15.2 均衡と保険料計算原理
15.3 例

付録A 初等解析学からの準備
A.1 集合と関数
A.2 開集合と閉集合
A.3 実数列
A.4 連続関数
A.5 関数の変分

付録B 問の解答例

付録C 記号の定義