確率論の基礎と発展

書籍情報
ISBN978-4-320-01961-4
判型A5 
ページ数292ページ
発行年月2011年04月
価格4,180円(税込)
確率論の基礎と発展 書影
確率論の基礎と発展

独立確率変数列に関する極限定理によって,確率論はその真価を発揮してから,ストカスティックな方向に進展し,マルコフ過程を始めとする確率過程論が開花したのは20世紀のことであった。科学の中での信頼感を高めながら,確率解析の時代を経て今日に至っている。
 本書は,これらの成果をふまえ,新たな確率論の黎明期を迎えるための準備として,学生や若い研究者のために企画されたものである。本書の全体を通じて一貫するアイディアは,確率論のお家芸である「独立」の概念の扱いを中心として理論を展開しながら,新しい発展方向を模索しようとするものである。今後科学の中の確率論として一層飛躍するため役立つものと期待する。

目次

第1章 はじめに
1.1 事象と確率
1.2 確率変数
1.3 確率分布
1.4 確率過程
1.5 確率解析への歩み
1.6 他分野との連携
1.7 その他

第2章 基礎概念
2.1 確率空間
2.2 確率空間の諸例
2.3 事象列の極限
2.4 確率変数と分布
2.5 特性関数
2.6 確率変数,確率分布の特性量

第3章 極限定理
3.1 0-1法則
3.2 大数の法則など
3.3 確率変数列および和の収束
3.4 確率分布(測度)の極限,角谷の定理
3.5 中心極限定理
3.6 安定分布の吸引域

第4章 確率過程論概観
4.1 一般的注意
4.2 アイディア
4.3 一般的定義
4.4 確率過程の分類

第5章 ブラウン運動とポアソン過程
5.1 ブラウン運動
5.2 ブラウン運動の加法性
5.3 見本関数の性質
5.4 ブラウン運動のフロー
5.5 ポアソン過程の中の対称性
5.6 複合ポアソン過程

第6章 ガウス系,ガウス過程
6.1 ガウス系
6.2 ガウス型時系列(離散パラメータ・ガウス過程)
6.3 ホワイトノイズによるガウス型時系列の表現
6.4 マルコフ性
6.5 ガウス過程(連続パラメータの場合)
6.6 ガウス-マルコフ過程
6.7 多重マルコフ-ガウス過程

第7章 マルコフ過程,伊藤の確率微分方程式入門
7.1 マルコフ過程
7.2 伊藤の確率微分方程式

第8章 定常過程
8.1 時系列の場合
8.2 連続パラメータの場合
8.3 スペクトル分解と移動平均表現の構成
8.4 種々の応用

第9章 レヴィのブラウン運動
9.1 ブラウン運動B (t )についての補足
9.2 多次元パラメータのブラウン運動
9.3 ブラウン運動再展望:Historical Noteとして

第10章 安定過程
10.1 加法過程
10.2 複合ポアソン過程(続き)
10.3 レヴィ過程
10.4 安定過程
10.5 いわゆるベキ分布について

第11章 ホワイトノイズ
11.1 ホワイトノイズとは何か?
11.2 離散パラメータのホワイトノイズ
11.3 ホワイトノイズの変換・不変性
11.4 ホワイトノイズの汎関数とその解析
11.5 連続パラメータへの移行

附録 エルミート多項式Hn (x )

参考文献