数とは何か―そしてまた何であったか― 

書籍情報
ISBN978-4-320-01971-3
判型A5 
ページ数222ページ
発行年月2011年06月
価格3,520円(税込)
数とは何か 書影
数とは何か

「数とは何か」をまず現代数学の立場から解説する。さらに歴史上数がどのようなものとして捉えられてきたかを詳細に解明する。数概念は文明によって異なるため,古人の数概念がどういうものだったかを知るのは必ずしも容易ではないが,現代数学の立場で割り切ってしまうことなく,歴史的な数概念を各時代の思想に立ち入って調べていることは本書の著しい特徴である。数概念の通史がこれだけ見事に鳥瞰できる著作は海外にも皆無である。日本を代表する数学者である高木貞治の数に関する4冊の啓蒙書を精査することによって,明治期以降の日本がどのようにして西洋数学を受容したかを明らかにしていることも大きな特徴である。本書は,数学者はもちろん,数学の基礎に関心を持つ文系の知識人にとっても重要な文献となりうる高度な内容である。ただし書き方は平明簡潔であるので理解は易しい。

目次

第1章 数と量
1.1 数の起源
1.2 自然数
1.3 負数
1.4 量について
1.5 量と数との連絡

第2章 数体系一元化に至る道
2.1 一元化に至る道の障害
2.2 数概念前史
2.3 ヴィエト,ステヴィン,デカルト
2.4 ニュートン,オイラー,コーシー

第3章 19世紀における算術化運動
3.1 ハミルトン,グラスマン,ハンケル
3.2 量の理論の終焉

第4章 現代数学における自然数概念の形成
4.1 フレーゲ
4.2 デデキント
4.3 ペアノ
4.4 ラッセル

第5章 高木貞治考察―西洋数学受容の一例として
5.1 『新撰算術』(1898)
5.2 『新式算術講義』(1904)
5.3 『数学雑談』(1935)
5.4 『数の概念』(1949)
5.5 実直線から実数体へ(試案)

第6章 p 進数―まったく異質な「数」
6.1 p 進数とは?
6.2 ヘンゼル
6.3 ハッセ

付録 公理的集合論の基礎
A.1 集合論ZFC
A.2 集合論による数学の展開
A.3 選択公理と同値な命題

参考文献