X線,粒子線を用いた回折結晶学の歴史は古く,物質の構造に関し最も信頼し得る結果を与えてくれる手段として広く利用されてきた。近年,電子計算機の登場とその技術進歩に支えられて,結晶解析,結晶評価の方法は格段に発展し,目をみはるばかりである。一方,測定機器には改良が重ねられ,膨大な量のデータ収集が可能となり,かつ解析のプログラムも完備されてきた。これらの諸設備を駆使するためには高度な基礎知識が要求される。このような現状において,結晶解析,結晶評価に必要な基礎知識を記述したガイドブックを求める声に応えたハンドブックとして本書を刊行する。