熱力学入門

書籍情報
シリーズ名物理学入門シリーズ 
ISBN978-4-320-03347-4
判型A5 
ページ数148ページ
発行年月2000年04月
本体価格2,000円
熱力学入門 書影
熱力学入門

 本書は,初めて熱力学を学ぶ学生を対象とした教科書である。
 熱力学は理解するのが難しい,とよくいわれる。理由としては,第一に,論理がわかりにくい,第二に,使われている言葉がかなり違う,第三に,熱力学を応用していく際に必要な道具(微分形式,ルジャンドル変換,様々な熱力学関数など)が膨大にある(ただし,これらに熱力学の本質はない)ことが挙げられよう。
 そこで本書では,操作や過程という熱力学にとって大事な言葉を前面に出しながら,エントロピーや自由エネルギーという新しい物理量を自然に見い出していく構成をとった。微分形式にもとづく理論の展開はしていない。何が測定されて,何が実験事実で,その結果どういう法則が成り立つのか,という熱力学の成り立ちや全体像を理解できるよう工夫を凝らしている。

目次

第1章 序論
1.1 背景
1.2 熱力学とは
1.3 現象
1.4 本書の特色

第2章 設定
2.1 平衡状態
2.2 物質の熱力学的性質
2.3 熱と仕事
2.4 形式的設定
2.5 準静的過程

第3章 熱力学第1法則
3.1 熱と仕事の等価性
3.2 内部エネルギー
3.3 断熱曲線

第4章 熱力学第2法則
4.1 永久機関
4.2 等温過程における熱力学原理
4.3 2温度熱機関
4.4 カルノーの定理
4.5 絶対温度

第5章 エントロピー
5.1 不可逆性
5.2 エントロピーの本質
5.3 証明
5.4 例:理想気体のエントロピー
5.5 完全な熱力学関数
5.6 例:可逆熱接触

第6章 熱力学関係式
6.1 自由エネルギー
6.2 微分形式による記述
6.3 エネルギー方程式
6.4 例:温度に依存するばね
6.5 例:相転移にともなう熱

第7章 安定性と変分原理
7.1 等温環境の場合
7.2 断熱環境の場合

第8章 多成分流体の熱力学
8.1 多成分流体の熱力学関数
8.2 例:2成分理想気体
8.3 希薄溶液の自由エネルギー

付録:偏微分
A1 定義
A2 関数の展開
A3 偏微分の関係式