1980年代に始まった現在の複雑系研究の流れは,自然科学,工学,人文社会科学,数学などの広範な分野に及んでいる。『複雑系叢書』は,各分野のフロンティアで活躍している専門家がそれぞれの立場から,現象,実験,技術,理論,方法論,あるいは論理,歴史や思想などの「複雑系の問題」を,専門家どうしでも議論の輪が広がるように,また専門外の読者にもわかるよう,できるだけ平易な言葉で論じながら「グローバルな知」を探求するシリーズ。
第1巻では,「生物ネットワーク」,「タンパク質」,「脳」を対象に,個々の現象の複雑さと多様性に圧倒されながらも,そこから何らかの構造や法則を見いだそうと日々研究に取り組む著者らのアプローチを紹介する。