物質科学の基礎

書籍情報
シリーズ名KEK物理学シリーズ 全7巻 【5】巻
ISBN978-4-320-03488-4
判型A5 
ページ数188ページ
発行年月2012年04月
本体価格3,500円
物質科学の基礎 書影
物質科学の基礎

現代文明と物質科学が如何に深く関わっており,その成果を如何に享受して成り立っているかを,幾つかの典型例を挙げながら解説した後,この物質科学の構成要素である原子と化学結合に関して概論を述べる。そして,これらの原子とその化学結合からなる物質の格子構造とその時空間揺らぎについて述べた後,物質内の電子がもたらす種々の特性と機能を通覧する。物質科学の全体をこの1冊で見通せるような内容構成とした。

目次

第1章 現代文明と物質科学
1.1 現代を支える物質科学
  1.1.1 物質科学は現代文明の基盤
  1.1.2 最も自然な世界観は階層論
  1.1.3 電子は粒子であると同時に波動である
  1.1.4 エネルギーと時間,運動量と位置は,同時に確定できない
  1.1.5 量子力学はなぜ正しいのか
  1.1.6 1次元箱型ポテンシャルの場合を計算してみよう
  1.1.7 1次元調和振動子の場合を計算してみよう
  1.1.8 量子力学は行列で表示される
  1.1.9 調和振動子を行列で表示しよう
  1.1.10 ニュートン力学と量子力学はつながっている
1.2 水素様原子の場合を考えよう
  1.2.1 クーロン型中心力場での電子の固有状態を解こう
  1.2.2 球面上の運動は角運動量である
  1.2.3 角運動量の固有状態を決めよう
  1.2.4 ケプラー問題を量子力学で解こう
  1.2.5 主量子数,角運動量量子,偶然縮退
1.3 電子はスピンをもっている
1.4 粒子の生成,消滅を第二量子化で書いてみよう
  1.4.1 交換対称性,フェルミオンとボゾンの違い
  1.4.2 生成,消滅,演算子で書こう
1.5 原子の周期表はなぜできたか
1.6 並進対称性はバンドをもたらす
1.7 光子とフォノン,格子振動
  1.7.1 真空電磁場を量子化しよう
  1.7.2 フォノン,格子振動を量子化しよう
1.8 電子と光子,電子と格子振動は,いかに相互作用するか
  1.8.1 電子・光子相互作用
  1.8.2 電子・格子振動相互作用
1.9 物質は伝導体,絶縁体,半導体の3つに分けられる
1.10 p-n 接合
1.11 絶縁体の光励起,電荷分離,太陽電池
  1.11.1 絶縁体の光励起,緩和,発光,電荷分離
  1.11.2 太陽電池
1.12 温度と量子力学を融合させよう
  1.12.1 最も確からしい熱分布は何か
  1.12.2 ボーズ分布,フェルミ分布,化学的ポテンシャル
1.13 常磁性,強磁性,磁気は,いかにして発生するか
  1.13.1 局在モデル
  1.13.2 平均場近似
  1.13.3 遍歴モデル
  1.13.4 書き込み,読み取り
1.14 常伝導,超伝導
  1.14.1 常伝導,電気抵抗
  1.14.2 電子間に引力が働く
  1.14.3 BCS 理論
  1.14.4 超伝導にも平均場近似が使える
  1.14.5 永久電流,磁気浮上
付 録
A.1 部分積分公式
A.2 ガウス積分
A.3 調和振動子の固有関数を逐次生成
A.4 一般的行列表示
A.5 3次元運動量演算子をデカルト座標から3次元球座標 (r,θ,φ) へ変換
A.6 角運動量の球座標表示
A.7 関数の積の l 次高階微分
A.8 3s (lM=2,l=0) の動径関数
A.9 真空電磁場の運動量

第2章 原子と化学結合,物質の結晶構造
2.1 原子と周期表
2.2 電子軌道とスピン
2.3 分子軌道と原子価軌道
  2.3.1 分子軌道法
  2.3.2 原子価軌道法
2.4 物質の凝集機構と結晶構造
  2.4.1 並進対称性
  2.4.2 結晶の分類と結合

第3章 電子状態と物性の発現
3.1 遍歴する電子
  3.1.1 金属とは何か
  3.1.2 自由電子フェルミ気体
  3.1.3 結晶の周期性とブロッホの定理
  3.1.4 エネルギーバンドと伝導性・光学応答
  3.1.5 半導体
  3.1.6 格子(正イオン)の役割
  3.1.7 電磁波への応答
3.2 局在する電子
  3.2.1 ポーラロン
  3.2.2 局在スピンと磁性
3.3 遍歴と局在の間:電子相関
  3.3.1 ハートリー・フォック近似とは何だったか?
  3.3.2 モット転移
  3.3.3 ハバードモデル
  3.3.4 おわりに

索引