原子物理学―量子テクノロジーへの基本概念― 原著第2版

書籍情報
ISBN978-4-320-03608-6
判型A5 
ページ数502ページ
発売日2019年03月14日
本体価格8,000円
原子物理学 書影
原子物理学

新刊

本書は,実に多彩かつユニークなトピックが取り上げられている。特に,磁気センサや電気双極子モーメントといった素粒子や固体物理学に共通した重要な問題も含まれている点はユニークである。実験科学者によって書かれていることもあり,多くのイラストを交えながら解説されているため,単なる式の羅列からなる専門性の高い教科書に比べると初学者でも理解しやすい内容となっている。すでに一度原子物理学を学んだ読者でも,より直観的な理解を深めることができるだろう。また,全体を通して,問題提起―ヒント―解答という独特の形式で構成されているため,読者は常に問題意識と知的好奇心を維持して読み進めることができるだろう。
[原著:Atomic Physics: An Exploration through Problems and Solutions 2nd. Ed.]

目次

1 原子および原子エネルギー準位内の相互作用
1.1 リンの基底状態
1.2 交換相互作用
1.3 スピン軌道相互作用
1.4 水素の超微細構造とゼーマン効果
1.5 水素様イオン
1.6 ジオニウム
1.7 トーマス-フェルミ模型(T)
1.8 殻の中の電子
1.9 同位体シフトとキングプロット
1.10 負イオンの粗い模型
1.11 超微細相互作用による異なるJ状態の混成
1.12 核の中の電子密度(T)
1.13 原子におけるパリティの非保存
1.14 反原子におけるパリティの非保存
1.15 アナポールモーメント(T)

2 電場,磁場,光の中の原子
2.1 水素原子基底状態の電気分極率
2.2 高励起状態原子の分極率
2.3 シュタルクシフトを用いた電場測定
2.4 アルカリ原子のラーモア周波数
2.5 磁化した球体中の磁場
2.6 磁気共鳴の古典模型
2.7 振動磁場によるエネルギー準位シフト(T)
2.8 不均一磁場によるスピン緩和
2.9 蒸気セルのE×v効果
2.10 水素様原子のイオン化
2.11 磁気分裂したゼーマン準位の電場シフト
2.12 幾何学的(ベリー)位相
2.13 核双極子―双極子緩和
2.14 自由な磁石のスピン歳差運動

3 光と原子の相互作用
3.1 周期的摂動下の2準位系(T)
3.2 電磁場の量子化(T)
3.3 原子による発光(T)
3.4 原子による光の吸収
3.5 共鳴吸収断面積
3.6 ドップラー広がり線の吸収断面積
3.7 飽和パラメータ(T)
3.8 原子蛍光の角度分布と偏極
3.9 光ポンピングによる吸収の変化
3.10 光ポンピングと密度行列
3.11 カスケード減衰
3.12 コヒーレントレーザー励起
3.13 通過時間による広がり
3.14 蛍光と光散乱に関するクイズ
3.15 2光子遷移確率
3.16 消滅したラマン散乱
3.17 非共鳴レーザーパルスによる原子励起
3.18 超微細相互作用誘起の磁気双極子遷移
3.19 分離できない超微細構造による遷移
3.20 水銀における光ポンピングと量子ビート
3.21 トムソン散乱
3.22 磁気双極子遷移の古典模型
3.23 等方性カイラル媒質中の非線形3波混合
3.24 負の屈折をもつ原子蒸気?
3.25 異方性結晶中の光伝搬
3.26 電磁誘起透透明化(EIT)

4 電場・磁場中の原子と光の相互作用
4.1 共鳴ファラデー回転
4.2 原子媒質中のカー効果
4.3 アンル効果
4.4 水素2 2S1/2状態の電場誘起減衰
4.5 シュタルク誘起遷移(T)
4.6 光の磁気偏向
4.7 光ポンピング磁力計の古典模型
4.8 永久電気双極子モーメントの探索(T)
4.9 電気双極子モーメントの観測に必要な感度
4.10 吸収,分散,光回転,誘起楕円性
4.11 偏極中性子気体における光回転

5 原子同士の衝突
5.1 緩衝気体における衝突
5.2 位相拡散によるスペクトル線の広がり
5.3 ディッケの狭窄化
5.4 スピン交換の基本概念
5.5 スピン温度極限
5.6 電子ランダム化衝突
5.7 速いスピン交換条件下でのラーモア歳差運動
5.8 準安定ヘリウム原子のペニングイオン化

6 レーザー冷却された原子
6.1 レーザー冷却:基本概念(T)
6.2 磁気光学トラップ
6.3 ゼーマン減速
6.4 ボース-アインシュタイン凝縮(T)
6.5 光格子中のボース-アインシュタイン凝縮
6.6 共振器冷却
6.7 多粒子系の共振器冷却:確立冷却
6.8 調和トラップにおけるフェルミエネルギー

7 分子
7.1 分子振動の大きさ
7.2 モースポテンシャルにおける振動定数
7.3 遠心歪み
7.4 蒸気における原子と分子の相対密度
7.5 分子遷移における同位体シフト
7.6 極性分子の電気双極子モーメント
7.7 分子における核スピンのスカラー結合
7.8 2原子分子のゼーマン効果
7.9 オメガ型2重化

8 実験技術
8.1 動く鏡からの光反射
8.2 小さな粒子のレーザー加熱
8.3 周波数変調光のスペクトル
8.4 変調光の第2高調波
8.5 離調共振器のリングダウン
8.6 光ガイドを通した透過
8.7 光場における量子ゆらぎ
8.8 ビームスプリッタのノイズ
8.9 偏光計における光子ショットノイズ
8.10 可変位相差板を用いた偏光制御
8.11 光子計数の集積
8.12 レーザービームの1モード光子
8.13 色素レーザーの調整
8.14 物質波vs.光学サニャック-ジャイロスコープ
8.15 フェムト秒レーザーパルスと周波数コム
8.16 ランダム熱電流による磁場ゆらぎ
8.17 フォトダイオードと回路(T)

9 さまざまなトピックス
9.1 コンパス針の歳差運動
9.2 超低温中性子偏光板
9.3 指数関数的に増大/減少する調和場
9.4 マジック角
9.5 クレプシュ-ゴルダン係数選択則の理解
9.6 カピッツァ振り子
9.7 原子分極の可視化
9.8 物質の弾性率と引張り強度の見積り
9.9 カシミール力