工科系の物理学基礎―質点・剛体・連続体の力学― 

書籍情報
ISBN978-4-320-03613-0
判型B5 
ページ数320ページ
発売日2021年03月24日
価格2,750円(税込)
工科系の物理学基礎 書影
工科系の物理学基礎

新刊

本書では,工科系の大学初年次に学ぶ物理学としての力学を学ぶことができる。工科系の学生がそれぞれの専門分野で直面する様々な問題に対し,基本から考えられる力を身に付けられるように必要な内容の選択を重視してわかりやすい記述を心がけた。

本書は二部構成で,ニュートン力学の基礎を歴史的な発展の過程をたどって説明するとともに、基本から筋道だって現象の理解に到達できることも詳しく説明している。
まず第Ⅰ部では,質点系のニュートンの運動方程式、運動量保存の法則、エネルギー保存の法則、角運動量保存の法則など、また非慣性系における運動についての記述を,第Ⅱ部では,質点系の力学を基に固体・液体・気体といった連続体を対象に専門科目につながる現実の物体の力学を記載し、一歩踏み込んだ記述を多く取り入れた。

また,本書を教科書として用いた場合の授業時間の制約を想定して,本文中のテキストサイズに大小の二種類を使用し,基本的内容と補足的・発展的内容の目安としているのも特徴である。線積分・ベクトル積・微分方程式についてもそれぞれ丁寧に解説している。

【読者対象】
主に工科系の学部学生(1・2年次)。バイオテクノロジー・医学等で力学に関わる分野の学生。

目次

第I部 質点と剛体の力学

第1章 質点の運動の記述
1.1 質点
1.2 位置
1.3 速度
1.4 加速度
1.5 平面極座標での運動の記述
 1.5.1 位置座標と速さ
 1.5.2 平面極座標での速度と加速度
 1.5.3 2 次曲線軌道の極座標表示

第2章 運動方程式
2.1 力・力積と運動量
2.2 ニュートンの運動法則
 2.2.1 慣性の法則と運動方程式
 2.2.2 作用反作用の法則
 2.2.3 直線運動・円運動
 2.2.4 力積と運動量の定理
2.3 落下と放物運動:等加速度運動
2.4 バネによる運動
2.5 単振り子
2.6 【発展】ひもによる拘束

第3章 仕事とエネルギー
3.1 1次元運動における仕事と運動エネルギー
3.2 3次元運動における仕事と運動エネルギー
3.3 エネルギー保存則・力のポテンシャル
3.4 エネルギー保存則の応用(1):バネ,地球の引力
3.5 【発展】球形の天体による重力
3.6 【発展】エネルギー保存則の応用(2):曲面上で重力を受ける質点

第4章 抵抗と摩擦
4.1 粘性抵抗の作用する運動
4.2 摩擦力の作用する運動
 4.2.1 摩擦力
 4.2.2 摩擦力の作用する斜面上の運動
4.3 抵抗・摩擦とエネルギーの散逸
4.4 微分方程式の解法(1):変数分離型の微分方程式

第5章 角運動量
5.1 角運動量保存則(2 次元の運動)
5.1.1 角速度ベクトル
 5.1.2 速度のφ成分
 5.1.3 角運動量
 5.1.4 トルク
5.2 トルクと角運動量保存則(3 次元の運動)
5.3 ベクトル積の性質
5.4 ケプラーの法則
 5.4.1 面積速度一定の法則
 5.4.2 ケプラーの法則の導出

第6章 質点系の力学
6.1 重心の運動
6.2 質点系のエネルギー保存則
 6.2.1 仕事と運動エネルギー
 6.2.2 エネルギー保存則と相互作用ポテンシャル
6.3 運動量保存則
6.4 2 つの質点の相対運動
6.5 質点系の角運動量保存則

第7章 剛体の運動
7.1 剛体の運動方程式
 7.1.1 重心の位置と剛体の向き
 7.1.2 運動量・角運動量と運動方程式
7.2 慣性モーメント
7.3 固定軸をもつ剛体の運動
7.4 剛体の平面運動
7.5 【発展】歳差運動
7.6 剛体のつり合い

第8章 振動
8.1 単振動
8.2 減衰振動
8.3 強制振動
8.4 連成振動
8.5 微分方程式の解法(2):2 階線形微分方程式

第9章 加速している座標系
9.1 非慣性系における見かけの力
9.2 遠心力
9.3 【発展】コリオリの力
9.4 【発展】地球の自転
9.5 【発展】潮汐力

第II部 連続体の力学と波動

第10章 固体の変形
10.1 固体の変形
10.2 応力
10.3 ひずみ
10.4 応力とひずみの関係
10.5 弾性体とフックの法則
10.6 弾性体の伸び変形
10.7 弾性体の曲げ変形
10.8 【発展】弾性体のねじり変形
10.9 弾性エネルギー
10.10 熱膨張と熱応力

第11章 波動
11.1 波動で学ぶこと
11.2 振動の複素数表記
 11.2.1 等速円運動とオイラーの公式
 11.2.2 単振動の複素数表記
11.3 進行する波
11.4 波の力学
 11.4.1 連続体の質量保存則,運動量保存則
 11.4.2 波動方程式
 11.4.3 1 次元波動の複素数表記
11.5 弾性体中を伝わる波:弾性波,縦波
11.6 弦の横振動:横波
11.7 波のエネルギー
11.8 波動のさまざまな現象
 11.8.1 重ね合わせの原理
 11.8.2 波の干渉
 11.8.3 うなりと波束
 11.8.4 定在波(1):弦の振動
 11.8.5 定在波(2):管の中の空気振動
 11.8.6 固有振動と共鳴
 11.8.7 フーリエ分解
11.9 波の反射と透過
 11.9.1 端のある媒質
 11.9.2 異なる媒質の境界
11.10 空間に広がった波
 11.10.1 球面波
 11.10.2 平面波とダブルスリットによる干渉縞
 11.10.3 回折

第12章 流体の基本特性
12.1 流体を学ぶ意義とは
12.2 流体中の力
 12.2.1 静止している流体内に作用する力
 12.2.2 静止流体中にある物体の受ける力(浮力)
 12.2.3 大気の圧力
12.3 表面張力
 12.3.1 表面(界面)張力の分子機構
 12.3.2 表面(界面)張力の定義
 12.3.3 各種液体の表面張力
 12.3.4 曲率をもつ面における表裏の圧力差
12.3.5 接触角と表面(界面)張力
12.3.6 毛細管現象
12.4 運動する流体
 12.4.1 静圧と動圧
 12.4.2 非圧縮性の完全流体
 12.4.3 流れの特性
 12.4.4 流管と質量保存則
 12.4.5 ベルヌーイの定理
 12.4.6 【発展】完全流体のエネルギー保存則の式
12.5 粘性
 12.5.1 ニュートンの粘性法則
 12.5.2 粘性係数の温度依存性
 12.5.3 粘性流体の管内の流れ
 12.5.4 ストークスの粘性抵抗
 12.5.5 レイノルズ数
 12.5.6 【発展】高速流における抵抗
 12.5.7 【発展】慣性抵抗
 12.5.8 ベルヌーイの定理の適用条件について
 12.5.9 【発展】翼の揚力とベルヌーイの定理
 12.5.10 【発展】マグナス効果:回転する物体に作用する力
 12.5.11 【発展】表面の形状と抵抗の関係
 12.5.12 【発展】カルマン渦

付録 問題略解

索 引