大学生の固体物理入門

書籍情報
ISBN978-4-320-03615-4
判型A5 
ページ数284ページ
発売日2021年09月27日
価格3,630円(税込)
大学生の固体物理入門 書影
大学生の固体物理入門

新刊

本書は,これから固体物理学を学ぼうとしている大学生のための入門書である。手ごろな分量で固体物理学の概念を理解するに足る基礎が網羅されている。初学者は,定性的で通り一遍の教科書を手にしがちであるが,この分野を概観するには心もとない。そこで,最初に手にする標準レベルの教科書を想定し,興味関心を保ちながら自学自習で読み進めることができる,芯のある入門書を目指した。各章の冒頭に「Key point」,節のはじめには「キーワード」,本文中の特に重要な項目や専門用語には「NOTE」を付記してメリハリをつけ,学習者は項目と内容を常に理解しながら理解を深めていける。大学における講義の半期2単位科目,あるいは通年4単位科目,いずれにも対応できるように2部構成にした。
(本文2色刷り)

目次

第I部 固体物理学の基礎

第1章 固体物質
1.1 固体の概念
  1.1.1 固体の構造
  1.1.2 電気的性質
  1.1.3 磁気的性質
  1.1.4 熱的性質
1.2 物質波
1.3 原子の電子状態
  1.3.1 ボーアの量子仮説
  1.3.2 ボーアの原子模型
  1.3.3 電子配置
1.4 価電子

第2章 結晶
2.1 結晶構造
  2.1.1 格子模型と格子定数
  2.1.2 格子方向
  2.1.3 結晶構造と格子点の数
  2.1.4 基本並進格子ベクトル
  2.1.5 原子配列面と面間隔
2.2 X線回折

第3章 逆格子
3.1 逆格子の概念
3.2 逆格子ベクトル形式
  3.2.1 単純立方格子の逆格子
  3.2.2 体心立方格子の逆格子
  3.2.3 面心立方格子の逆格子
3.3 エネルギー境界
  3.3.1 単純立方格子の第1ブリュアン帯
  3.3.2 体心立方格子の第1ブリュアン帯
3.4 格子点の電子密度

第4章 固体の結合形態
4.1 分子結合
4.2 金属結合
  4.2.1 金属
  4.2.2 合金
4.3 イオン結合
4.4 共有結合
  4.4.1 ハイトラー-ロンドン法
  4.4.2 分子軌道法

第5章 固体量子論
5.1 古典力学と量子力学
5.2 自由電子の1粒子近似
5.3 固体比熱
  5.3.1 アインシュタイン比熱
  5.3.2 デバイ比熱
  5.3.3 格子振動


第II部 固体物理の諸性質

第6章 固体のエネルギー・バンド構造
6.1 固体物質のポテンシャル・エネルギー
  6.1.1 1次元結晶場内の電子状態と運動方程式
  6.1.2 遍歴電子
  6.1.3 1次元格子の周期ポテンシャル
6.2 ブロッホ関数
6.3 伝導電子と周期ポテンシャル場の相互作用
  6.3.1 1次元周期ポテンシャル場の基本方程式
  6.3.2 境界近傍のエネルギー・バンド
6.4 立方格子のブリュアン帯

第7章 金属電子論
7.1 フェルミ・エネルギー
  7.1.1 1次元格子模型
  7.1.2 3次元格子内の自由電子
7.2 電子状態密度
7.3 自由電子模型による電気伝導度
7.4 電磁場内での自由電子の運動方程式
7.5 ホール効果

第8章 半導体
8.1 真性半導体
  8.1.1 バンド構造と伝導機構
  8.1.2 キャリア密度の温度依存性
  8.1.3 電気伝導度の温度依存性
8.2 不純物半導体
  8.2.1 n型半導体
  8.2.2 p型半導体
8.3 化合物半導体
8.4 pn接合型トランジスタ

第9章 磁性体
9.1 物質の磁化特性
9.2 反磁性体
9.3 常磁性体
  9.3.1 キュリー法則
  9.3.2 ランジュバン常磁性理論
9.4 強磁性体
  9.4.1 磁化特性
  9.4.2 磁区と磁壁
  9.4.3 強磁性発現機構
  9.4.4 金属合金の磁気モーメント
  9.4.5 フェライト:フェリ磁性
  9.4.6 磁化機構:磁化エネルギー
9.5 反強磁性体
9.6 スピンエレクトロニクス
  9.6.1 磁気抵抗効果(MR効果)
  9.6.2 巨大磁気抵抗効果(GMR効果)
  9.6.3 スピン・トンネル磁気抵抗効果(TMR効果)

第10章 超伝導体
10.1 超伝導現象
10.2 超伝導機構
10.3 BCS(バーデン-クーパー-シュリーファー)理論
10.4 マイスナー効果
10.5 超伝導の熱力学
  10.5.1 熱力学の基本関係式
  10.5.2 自由エネルギー
  10.5.3 潜熱
  10.5.4 比熱
10.6 ジョセフソン効果

第11章 誘電体・酸化物
11.1 誘電分極
11.2 誘電分散と損失
11.3 強誘電体
  11.3.1 強誘電体の性質
  11.3.2 強誘電体の構造転移
11.4 電気伝導性酸化物
  11.4.1 多結晶酸化物の組織構造
  11.4.2 酸化物半導体:真性半導体・外因性半導体
  11.4.3 ポーラロン伝導機構

付 録
【A】エルミート微分方程式
【B】運動量演算子と固有値
【C】変分法
【D】WKB(Wentzel-Kramers-Brilliouin)近似
【E】ルジャンドル関数と立方結晶磁気異方性
【F】有効質量
【G】結晶系一覧
【H】物理定数(単位系SI)

参考文献
索引