基礎有機合成化学

書籍情報
ISBN978-4-320-04357-2
判型A5 
ページ数264ページ
発行年月2000年09月
本体価格3,200円
基礎有機合成化学 書影
基礎有機合成化学

 現在,広く用いられている有機合成の方法を,主として反応の形式,さらに必要により反応機構の面から分類し,系統的に説明した。 取り上げられている有機合成法は,主として実験室で行われる方法であり,大学での合成実験や卒業実験の内容に直結する内容をもっている。 合成反応の形式的・現象的な説明だけでなく,反応機構に立ち入って反応の進む様子がよく理解できるように配慮した。 最初の2章で,有機合成反応の理解に必要な有機化合物の構造および有機化学反応の基本的な事項についてまとめ,解説した。 したがって,本書を1章から始めれば,有機化学の全体を有機合成の観点から学習するために用いることができる。 記述の仕方は十分平易に努めたので,有機化学に対する初学者でも十分理解できるように配慮した。
 最後の終章に,有機合成の分野で特に最近問題になっている3つの話題“レトロシンセス”“コンビナトリアルケミストリー”“グリーンケミストリー”を取り上げて解説した。これらの話題は今後の有機合成化学の発展の方向を示すものである。

目次

1章 有機化合物の構造
1.1 炭素化合物
1.2 σ結合とπ結合
1.3 芳香族化合物
1.4 含窒素および含酸素有機化合物
1.5 結合の分極誘起効果
1.6 酸と塩基
1.7 異性体
付.有機化合物の命名法の要点
演習問題

2章 有機化学反応
2.1 有機化学反応
2.2 有機合成化学原料
2.3 反応の起こる条件
2.4 反応の速さ
2.5 反応中間体
2.6 溶媒の役割
2.7 相間移動触媒
演習問題

3章 カルボアニオンを経由する炭素-炭素結合の生成
3.1 カルボアニオン
3.2 アルドール縮合と関連反応
3.3 エノラートアニオンとエステルの反応
3.4 活性メチレン化合物のアルキル化反応
演習問題

4章 カルボカチオンを経由する炭素-炭素結合の生成
4.1 カルボカチオン,アルケンの自己縮合
4.2 Friedel-Crafts反応
4.3 Prins 反応
4.4 アルデヒド,ケトンの反応
4.5 Mannich 反応
演習問題

5章 有機典型元素化合物による合成
5.1 有機リチウム化合物による合成
5.2 有機マグネシウム化合物を用いる合成
5.3 有機ホウ素を用いる化合物
5.4 有機アルミニウム化合物による合成
5.5 有機ケイ素化合物を用いる合成
5.6 リン化合物を用いる合成
5.7 硫黄化合物を用いる合成
演習問題

6章 芳香族化合物への官能基の導入
6.1 芳香族求電子置換反応
6.2 芳香族求核置換反応
6.3 芳香族ジアゾニウム塩の反応
演習問題

7章 炭素-窒素結合形成反応
7.1 求核性および求電子性原子
7.2 求核性窒素による置換反応
7.3 求核性窒素原子の不飽和炭素への付加
7.4 求核窒素による不飽和炭素上での置換反応
7.5 親電子窒素の反応
7.6 α-アミノ酸の合成
演習問題

8章 酸化と還元
8.1 炭化水素の酸化
8.2 アルコール,カルボニルの酸化
8.3 還元
演習問題

9章 転位反応
9.1 1,2-転位反応
9.2 芳香環上での転位反応
演習問題

10章 ペリ環状反応による合成
10.1 Diels-Alder反応
10.2 ペリ環状反応
10.3 ‌2+2‌付加環化反応
10.4 カルベンの付加:シクロプロパン合成
10.5 1,3-双極付加反応
10.6 分子内シス脱離反応
10.7 電子環状反応
10.8 シグマトロピー転位
演習問題

11章 有機遷移金属を用いる合成
11.1 有機遷移金属化合物の結合と構造
11.2 有機遷移金属錯体の基本的反応
11.3 有機遷移金属錯体を用いる有機合成
演習問題

12章 複素環化合物の合成
12.1 窒素原子を1個もつ複素環化合物の合成
12.2 酸素原子あるいは硫黄原子をもつ複素環化合物
12.3 ヘテロ原子を2個もつ複素環化合物の合成
演習問題

終章
1.レトロシンセス(逆合成)
1.1 レトロシンセス(逆合成)の原理
1.2 合成計画の立て方
1.3 逆合成解析の実例

2.コンビナトリアルケミストリー
2.1 コンビナトリアル合成
2.2 ライブラリー合成の実際例

3.グリーンケミストリー
3.1 環境にやさしい有機合成を実現するには
3.2 グリーンケミストリーを目指した合成反の応例

索引