天然物化学は,理学,薬学および農学にわたる広い学問領域であるが,今や,生体や生命現象と密接にかかわる学問として,分子レベルからの生命科学研究に対して最も直接的な役割を果たしている。本書は,21世紀のサイエンスを拓いていこうとする若い人々への指針書として,有機化学の基礎科目をすでに履修している理系(薬学,理学,農学,工学,食品学,栄養学など)の大学高学年次,あるいは大学院学生を対象に,限りある天然資源の有効利用という観点に立って,広範囲におよぶ最新の内容をまとめた天然物化学の教科書。それぞれの研究分野で活躍中の執筆陣が,天然物化学を学ぶ上で必須の内容を,最前線の話題も取り入れながらわかりやすく解説。