生物の発光と化学発光

生物の発光と化学発光
著者 日本化学会 編松本 正勝 著
分野 化学・化学工業  > 有機化学  > 有機光化学
生物学・生物科学  > 生物化学・生化学
シリーズ 化学・化学工業  > 化学の要点シリーズ 35
発売日 2019/11/18
ISBN 9784320044760
体裁 B6・160頁
定価 2,090円 (本体1,900円 + 税10%)
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    内容
  • 目次
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 ホタルや発光クラゲなどの生物が放つ光は古くから広く世界の人々の心を惹きつけてきた。これら発光生物は体内で起こる化学反応により得られるエネルギーを効率よく可視光に変えている。生物の体内で起こる化学発光が生物発光である。この60年ほど、生物発光と化学発光の研究は互いに関連しながら目覚ましく発展してきた。この間のバイオテクノロジーの進歩と相まって、生物発光も化学発光も分子のレベルでおのずから光を放ち情報を発信するツールとして今では生命科学の分野で欠かせないものとなっている。
 本書は、基礎があっての応用という考えから、生物の発光と化学発光がどのような仕組みで起こるのかについて学ぶことを主眼としている。まず導入として、私たちの身の周りの光と‘光と分子の関係’を中心に知識を共有し、日ごろ何げなく目にする発光という現象について概観する(第1~3章)。第4章ではどのような生物が発光するのか、発光のもととなる物質は何か、それらがどのように反応して発光するのかについて話す。第5章では古くから知られているいくつかの化学発光をとりあげる。第6章ではジオキセタンの化学について話す。ジオキセタンは生物発光の研究から誕生した化学発光基質で、化学的にきっちりと調べることが可能なただ1つの生物発光や化学発光の高エネルギー中間体である。それぞれの章では応用研究についてもふれ、締めくくりでは生物発光や化学発光の研究の展望について記す。
第1章 わたしたちの身のまわりの光-熱い光と冷たい光-

第2章 発光の基礎
2.1 光と色
2.2 波としての光,粒子としての光
2.3 光は電磁波
2.4 分子による光エネルギーの吸収と放出

第3章 さまざまな発光
3.1 光による発光
3.2 熱による発光
3.3 電気による発光
3.4 化学反応による発光
3.5 摩擦や超音波による発光

第4章 生物の発光
4.1 発光する生物
4.2 発光生物は何のために光るのか
4.3 生物発光の化学
4.4 生物発光の利用

第5章 化学発光
5.1 化学発光のほとんどは酸化反応
5.2 ロフィンの発光
5.3 ルミノールの発光
5.4 ルシゲニンとアクリジンの発光
5.5 過シュウ酸エステルによる発光

第6章 生物に学んだジオキセタンの化学発光
6.1 ジオキセタンの誕生と高効率化学発光基質への道のり
6.2 ジオキセタンの熱分解と三重項化学励起
6.3 電荷移動に誘発されるジオキセタンの発光分解
6.4 ジオキセタンの構造と発光の特性
6.5 ジオキセタン発光の利用

コラム目次
1.Pauliの排他原理とHundの法則
2.バイオフォトン―竹取の翁は光る竹を見たか?-
3.活性酸素(ROS)
4.ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応の発見
5.電気化学発光とCIEEL
6.ホタルルシフェラーゼ,イクオリンとGFP の結晶の三次元構造
7.FRETとタンパク質間相互作用の観測
8.逆Diels-Alder 反応とBaeyer-Villiger反応
9.発光バクテリアのコミュニケーション-クオラムセンシング-
10.ワインが光る,ソーセージも光る
11.化学発光のプロフィールを知る
12.分子ビーコン
13.ケミカルライトと化学発光の理科演示実験
14.化学発光イムノアッセイと生物発光イムノアッセイ

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