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生き物の進化ゲーム―進化生態学最前線:生物の不思議を解く― 

書籍情報
ISBN978-4-320-05522-3
判型A5 
ページ数204ページ
発行年月1999年09月
本体価格2,500円
生き物の進化ゲーム 書影
生き物の進化ゲーム

 生物の世界にふれて,「なぜなのだろう」という疑問を持ったことはないだろうか?たとえば,ほとんどの生物種で,雄と雌はほぼ同数産まれる。なぜ同数なのか?また,多くの魚のように外見では雌雄の区別がつきにくいものもあれば,鳥のなかには,別種の生き物に思えるほど雌雄で外見が違うものもある。自分の子に対する愛情は生物に普遍的なはずなのに,働きバチや働きアリは自分の子を産まずに,女王の産んだ子の養育に生涯を捧げる。カバのけんかは,口を開けて牙を見せあうだけで勝敗が着いてしまう。負けたものは,なぜそんな見せあいで納得するのだろう?こうした様々の生き物の不思議さは,長い進化の歴史を経て生まれてきたものである。そしてその不思議さが進化した背景には,きっと何らかの合理的な理由があるのだ。本書では,こうした生物の不思議さがなぜ進化したのかを,「生き物がうまく適応している」という視点から探っていく。「より多くの子孫を残す性質が自然淘汰により選択された結果,生物の持つさまざまな不思議さが進化した」ことを解き明かす。本書を読むのに生物の知識は必要としない。生物の不思議さを探求する心のある方なら,どなたにでも楽しんでいただける本である。

目次

第1章 ダーウィンの自然淘汰説
1.1 「なぜ?」には4つの答え方がある
1.2 ダーウィンの自然淘汰説
1.3 種にとって有利な性質が進化するのか?

第2章 最適資源投資戦略
2.1 開放花と閉鎖花への資源投資
2.2 最適な卵の大きさ
2.3 時間的な資源投資

第3章 進化的に安定な戦略(ESS)
3.1 進化的に安定な戦略
3.2 タカ対ハトのゲーム
3.3 混合戦略
3.4 進化的に安定な状態
3.5 ゲームの帰結

第4章 性比のゲーム
4.1 なぜ,雄と雌の数の比は1対1なのか?
4.2 1対1から偏った性比

第5章 植物における性表現
5.1 なぜ,雌雄同株植物が多いのか?
5.2 なぜ,雄固体や雌固体が進化したのか?
5.3 さまざまな性表現の進化
5.4 自殖を回避する繁殖様式の進化

第6章 性転換
6.1 雄から雌への性転換
6.2 雌から雄への性転換
6.3 両方向への性転換
6.4 植物の性転換

第7章 性淘汰
7.1 性淘汰と自然淘汰
7.2 雄間の闘争
7.3 雌の選り好み

第8章 性の数の進化
8.1 あまりにも有利な無性生殖
8.2 有性生殖の持つ長期的な有利性
8.3 仮説の問題点
8.4 なぜ性の数は3以上にならないのか?

第9章 行動や生活史の多型
9.1 ESS
9.2 条件依存戦略

第10章 利他行動の進化
10.1 社会性昆虫の生活史と利他行動
10.2 社会性昆虫の半倍数性
10.3 包括適応度
10.4 不妊のワーカーの進化の道筋
10.5 その他の動物の真社会性

第11章 親と子の対立
11.1 利害の食い違いの原因
11.2 親の最適エネルギー投資量と子の要求エネルギー量
11.3 半倍数性と女王・ワーカー間の対立
11.4 種皮を通した争い

第12章 植物と昆虫の共進化
12.1 植物と植食者
12.2 植物と送粉者

第13章 擬態
13.1 動物の認知システム
13.2 防衛的擬態
13.3 攻撃的擬態
13.4 繁殖成功を高めるための擬態

第14章 実らない花の不思議
14.1 花が実らない直接的な要因
14.2 実らない花の進化に関する5つの仮説
14.3 どの仮説が正しいのか?

第15章 時間的に変動する環境への適応
15.1 簡単な思考実験:2つのタイプの種子の生産
15.2 生存率のばらつきと混合割合
15.3 最適な混合割合の意味
15.4 種子休眠