ポンプとトランスポーター

書籍情報
シリーズ名シリーズ・ニューバイオフィジックスII 全10巻 【3】巻
ISBN978-4-320-05542-1
判型A5 
ページ数254ページ
発行年月2000年06月
本体価格3,800円
ポンプとトランスポーター 書影
ポンプとトランスポーター

すべての生命活動のエネルギー源であるATPがどのように作られるかという命題に,化学浸透圧というきわめて明快な概念を与えたのがP.Mitchellであるが,この概念の背景となる分子実体が明らかになるまで,生体エネルギー論は一般にはなじみの薄い分野であった。
現在までにこれら多くの分子実体が,イオンポンプやトランスポーターとしてタンパク質および遺伝子の両面から明らかにされ,さらに,電子線解析やX線結晶学によってその構造が明らかになり,反応機構の一部が模式的に表されるようになった。
本書では,H+,やNa+,K+,などを輸送するイオンポンプや糖,アミノ酸,ATP,薬剤などの有機分子のトランスポーターに関して,それらの分子実体,輸送反応の構造に基づいた分子機構,調節機構や他の因子との相互作用などについて紹介し,研究の歴史的背景や今後の展望について概説する。

目次

序章 イオンポンプとトランスポーター

第1章 イオンポンプ
1-1 ATP合成酵素―回転するポンプによるエネルギー変換機構
1-2 P型ATPaseによる細胞生理の制御
1-3 複合体Iと複合IIIの構造と作動機構
1-4 オキシダーゼ―酸素呼吸を支える分子装置の分子進化と作動機構
1-5 バクテリオロドプシン―光エネルギーを利用するプロトンポンプ

第2章 トランスポーター
2-1 大腸菌ラクトーストランスポーター―溶質輸送の分子基盤を探る
2-2 グルコーストランスポーター―トランスポーター研究の一断面
2-3 アミノ酸トランスポーター―基質認識の多様性を生みだす分子基盤
2-4 ミトコンドリアADP/ATPトランスポーター―ATP合成に不可欠なヌクレオチドの輸送機構
2-5 異物排出トランスポーターによる環境適応戦略の分子機構
2-6 Na+駆動性交換輸送体―細胞内イオン環境を制御する巧みな分子装置