ポストゲノム情報への招待

書籍情報
ISBN978-4-320-05574-2
判型A5 
ページ数184ページ
発行年月2001年06月
本体価格2,300円
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ポストゲノム情報への招待

1996年に出版した『ゲノム情報への招待』の改訂版として執筆したもので、生命科学と情報科学が融合した新しい学問分野、バイオインフォマティクス(生命情報学)の入門書である。バイオインフォマティクスは、これまでの実験生物学のように生命のはたらきを分子や遺伝子といった個々の部品に還元するのではなく、相互作用システムのはたらきとして理解する概念と方法論を提供する。
この5年間にゲノム研究は大きく進歩した。数多くの生物種で全ゲノム塩基配列が決定されただけでなく、ゲノムを観測する新しい技術としてDNAチップが実用化され、配列情報以外に遺伝子発現情報と多型(SNP)情報を系統的に調べることができるようになった。また、タンパク質レベルでの発現情報やタンパク質間相互作用情報を調べるプロテオーム、タンパク質立体構造決定を系統的に行なう構造ゲノミックスの分野も盛んになってきた。
一方、ゲノムを取り巻く環境も大きく変化した。民間ベースでのゲノム解読が活発化し、ビジネスとしてのゲノムが脚光を浴びるようになった。その結果、国際的な共同研究として行なわれてきたヒトゲノム計画も、ドラフト配列(精度の低い大雑把な配列)決定という大きな軌道修正を行なった。高精度の配列決定はまだ終わっていないのに、ドラフト配列の状態でヒトゲノム解読の終了宣言が出されてしまったため、もう今やポストゲノムの時代である。

目次

1章 遺伝情報の伝達と発現
ゲノムと遺伝子
細胞
DNAとタンパク質
セントラルドグマ
RNAの世界
分子生物学の技術革新
生物ゲノムの情報量
メンデルの遺伝法則
リンケージ解析
シークエンシング
ゲノムの機能解析
生命の設計図
秩序とゆらぎ

2章 核酸とタンパク質の物理化学
主鎖と側鎖
一次構造
二面角
二次構造
ヘリックスの多型
立体構造
コンピュータグラフィクス
熱力学的原理
構造転移
反応キネティクス

3章 分子生物学データベース
データベースの進化
関係データベース
演繹データベース
オブジェクト指向データベース
文献データベース
アミノ酸配列データベース
立体構造データベース
塩基配列データベース
フラットファイル形式
ゲノムデータベース
モチーフライブラリー
化合物と化学反応のデータベース
アミノ酸指標データベース
系統分類データベース
コンピュータネットワーク
リンク情報によるデータベースの統合

4章 配列比較と構造・機能予測
配列解析の諸問題
ダイナミック・プログラミング
グローバルアライメント
ローカルアライメント
ホモロジー検索
FASTAアルゴリズム
BLASTアルゴリズム
マルチプルアライメント
系統樹解析
シミュレーテッド・アニーリング
RNAの二次構造予測
ホップフィールド型ニューラルネット
遺伝的アルゴリズム
タンパク質の二次構造予測
階層型ニューラルネット
コード領域予測
膜貫通部位予測
機能部位予測
隠れマルコフモデル
形式文法
3D-1Dアライメント
エキスパートシステム

5章 ゲノム情報から生命システム情報へ
還元論と合成論
抽象化レベル
生命システム
ネットワーク予測
グラフ
KEGGオントロジー
タンパク質間相互作用
グラフ比較
同型グラフ
相関クラスター
パス計算
グラフの特徴抽出
2項関係と演繹
ポストゲノムへの視点

付録 分子生物学の計算手法に関する文献

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